2023.06.16
◇インターハイ近畿地区大会(6月15日~18日/和歌山・紀三井寺公園競技場)1日目
夏の北海道インターハイを懸けた近畿地区大会の初日が行われ、男女のハンマー投で好記録が誕生。男子は高2最高記録保持者(65m11)のアツオビン・アンドリュウ(花園2京都)が63m74、女子は高校歴代2位の57m42を持つ嶋本美海(添上3奈良)が55m98の大会新でそれぞれ優勝した。
大会最初の決勝種目となった男子は、小雨が降り続くあいにくの天候となったが、アツオビンは1投目から60mを超える61m62、3投目に61m67と安定感が光る。5投目に62m15、そして最終投てきでV記録をマーク。ダントツのシリーズで、56m29を投げた髙屋友希(3年)との花園ワン・ツーを決め、「少し緊張しましたが先輩もいたので、京都府大会と同じような雰囲気の中で試合ができました」と安堵の表情を浮かべた。
府大会で出した高2最高の更新はならなかったものの、「63~64mを安定して投げて優勝することが目標でした。前半は、雨などもありサークルがつかめずボロボロでしたが、最後はなんとかまとめることができました」と振り返る。府大会でベストをマークした際は、「久々に応援のある大会でノリと勢いで投げることができました」。今後は「それをしっかり安定させること」を目指していく。
インターハイに向けて、「67~68mあたりまで記録を伸ばし、優勝が目標です」と力強く抱負を話した。
昨年から身長も4~5cm伸びて182cm、体重は「10kg以上増えてやっと80kgの大台に乗りました」と笑顔で話す。「小食だった」という食事の量も増え、「栄養面なども考えて規則正しい生活をすることで、少しずつ身体が大きくなってきました。そして、それを徐々に使えるようになってきたことが大きい」と成長の要因を口にする。
この後も2日目に砲丸投、最終日(4日目)には円盤投に出場。砲丸投、円盤投、やり投を制した同校の大先輩・石山歩以来、9年ぶりの男子投てき3冠の偉業に挑む。
女子は2週間前のU20日本選手権を57m01で制している嶋本が、1投目に早くも大会記録(53m15)を4年ぶり塗り替える53m57をスロー。2投目には55m03を放つと、4投目にさらに55m98へと記録を伸ばす圧巻の内容で2連覇を達成した。
それでも、「自己記録更新が目標だったので残念。1投目から記録を残せて、2投目に55m台と試合の流れは良かったのですが、それを結果に生かすことができませんでした」と悔しさをにじませた。
5月の奈良県選手権で高校歴代2位、U20歴代5位の快投を見せた。そこから、U20日本選手権の直前に、ターンの入り方を変えた。スウィング動作からファーストターンに入る時に、左足の支点を踵からつま先に変更。「入りから1、2回転目の自然な加速部分は、ハンマーの張りが作れてうまくできるようになりました」。
ただ、「そこか3、4回目で自然にスピードを上げていくところが、まだしっくりきていません」と課題を口にする。練習でも常に58m~60mあたりの投げができているそうで、「もう一段階、技術・体力面を強化し、インターハイでは60m以上を投げて優勝することが目標です」と、高校生史上2人目の60m超えに闘志を燃やす。
3投目に初の50mオーバーとなる50m09をスローした玉置歩加(箕島3和歌山)が2位、吉本明紗美(大塚3大阪)が49m04で3位と、ハイレベルな熱戦だった。
全国インターハイは8月2日から6日に北海道・厚別公園競技場で開催。各地区大会上位6位までが出場する(※男女競歩は5位、女子棒高跳、女子三段跳、女子ハンマー投は4位まで、混成は3位+各地区4~6位の記録上位5名)。
文/花木 雫
写真/弓庭保夫
インターハイ近畿地区大会1日目の優勝者
●男子 400m 小幡丈士(宝塚3兵庫) 47秒77 ハンマー投 アツオビン・アンドリュウ(花園2京都) 63m74 ●女子 400m 福井彩乃(京都橘3) 55秒23 走幅跳 釣本陽香(大阪桐蔭3) 5m86(+0.7) ハンマー投 嶋本美海(添上3奈良) 55m98=大会新RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.12.12
-
2025.12.12
-
2025.12.12
-
2025.12.12
-
2025.12.12
-
2025.12.07
-
2025.11.20
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.12
國學院大がライフネット生命とスポンサーシップ契約「箱根路で最高の景色を見せられるよう邁進」
ライフネット生命保険株式会社は12月12日、昨年から結んでいる國學院大陸上競技部とのスポンサーシップ契約を延長したと発表した。 2008年に開業したライフネット生命は、オンライン生保のリーディングカンパニーとして知られる […]
2025.12.12
全中3000mV出田隆之助擁する中京、前回8位の大淀、戦力充実の稲美北、常盤松などが有力 14日に中学駅伝日本一決定戦/全中駅伝男子展望
第33回全国中学校駅伝が、12月14日に滋賀県の野洲市と湖南市にまたがる希望が丘文化公園で開催される。 男子6区間18km、女子5区間12kmのコースに、各都道府県代表に開催地枠を加えた男女それぞれ48チームが出場し、中 […]
2025.12.12
京山が3連覇に向けて前進 東北勢初のトップ3目指す黒石野、初出場の男山三、鶴ヶ島藤が上位候補/全中駅伝女子展望
第33回全国中学校駅伝が、12月14日に滋賀県の野洲市と湖南市にまたがる希望が丘文化公園で開催される。 男子6区間18km、女子5区間12kmのコースに、各都道府県代表に開催地枠を加えた男女それぞれ48チームが出場し、中 […]
2025.12.12
豪州で18歳・ビークロフトが10000m競歩38分02秒68のU20世界新
12月11日、豪州シドニーで、ニューサウスウェールズ州10000m競歩選手権が行われ、I.ビークロフト(豪州)が38分02秒68のU20世界新記録をマークした。 ビークロフトは2007年生まれの18歳。競歩選手だった父の […]
2025.12.12
箱根駅伝初Vへ國學院大・前田康弘監督「ジョーカーにどう立ち向かっていくか」 主将・上原琉翔「先頭でタスキを」
第102回箱根駅伝で初優勝を狙う國學院大が12月12日、都内の渋谷キャンパスで壮行会と記者会見を開いた。 例年の合同による囲み取材形式から急遽、記者会見方式への変更。前田康弘監督は「今年は今のところ16人全員が元気で良い […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025