【シューズレポ】
サブスリー編集者が語る!!
ホカ オネオネ「MACH(マッハ)4」
中学時代から陸上競技に取り組み、今も市民ランナーとして走り続けている月陸編集者(マラソンの自己ベストは2時間43分)が、注目のシューズをトライアル! 今回は3月5日に発売されたHOKA ONE ONE(ホカ オネオネ)の「MACH(マッハ)4」(税込17,600円)を紹介する。
HOKA ONE ONE(ホカ オネオネ)の高反発スピードモデル「MACH(マッハ)4」
HOKA最新モデルから派生した高反発スピードモデル
HOKAらしさを感じられる一足の登場だ。ここ数ヵ月で「ROCKET X(ロケット エックス)」、「CARBON X(カーボン エックス)2」と、ミッドソールにカーボンプレートを内蔵したモデルを次々にリリースしてきたホカ オネオネ。そんな厚底レーシングシューズの“元祖”と呼べるブランドが3月5日に発売したモデルが「MACH(マッハ)4」だ。
その特徴は、プレートを内蔵していない高反発スピードモデルであること。ソールは反発力の高いラバライズドEVAのアウトソールに、衝撃を和らげる柔らかいミッドソール素材を組み合わせて構成。ヒール部分はクッション性を高め、前足部にはある程度の硬さを持たせることで推進力を生み出している。これは「PROFLY(プロフライ)」と呼ばれるホカ オネオネのテクノロジーで、カーボンX 2などにも採用されている。
また、踵が「Swallow Tail」という後方に突き出た形状をしているのも個性的だ。カーボンX 2やCLIFTON EDGE(クリフトン エッジ)を思わせるフォルムとなっており、これらが合わさることでマッハ4は「HOKAならではの快活な走り心地とエネルギッシュな足元の感覚」を実現しているという。
アウトソールの面積が広いのが特徴。スピードモデルながら安定性は高い
自然にピッチが上がる靴
実際に足を通してみると、まずはアウトソールの接地面積の広さが印象に残る。履き心地はクリフトン エッジやカーボンX 2に近く、コシのある柔らかさ。CLIFTON(クリフトン)7のようなフカフカ感の強いタイプとは別物となっている。
サイズ感はホカ オネオネの他のモデルよりは少し小さめで、これまで24.5~25.0cmを選んできた筆者はウィメンズの25.0cmがぴったり。カーボンX2よりは一回り小さく、フィット感もややタイトな印象がある。クリフトン7やクリフトン エッジに近いかもしれない。
そして、走ってみて感じたのは予想以上の軽快さだ。接地面が広く感じるのはクリフトン エッジに似ているが、それよりも明らかに脚が回転しやすく、自然にピッチが上がる。ソール自体の反発が強いというよりは、前足部への重心移動がスムーズで、それによってロスなく推進力が生まれているイメージだ。
ソールの厚さは最大29mmで、オフセットは5mm。実際に走ると重心移動のしやすさが際立つ
ちなみに、ソールのオフセット(踵と前足部の高低差)は5mmに抑えられており、脚が“転がる”ような感覚はあまりない。それでも自然に脚が回っていくのはPROFLYテクノロジーの効果だろう。
重量は片足約232g(27.0cm)。カーボンプレートがないことで反発が弱いのでは?と思うかもしれないが、反発自体はホカ オネオネのカーボン搭載モデルと比べてもそれほど大きな違いは感じない。クッション性と走りやすさを両立した、HOKAらしさを感じられるシューズと言えるだろう。
では、この靴の“適正速度”はどこなのかと言えば、筆者はマラソンのレースペース付近ではないかと感じた。筆者の現時点での走力(5000m18分台)であれば、1km4分あたりまではシューズの性能と走りが噛み合って楽に走れる印象がある。クッション性と安定性のバランスが絶妙で、“クリフトン エッジのスピードタイプ”と言えるような走行感に仕上がっている。ロードでの距離走など走り込みで持ち味を発揮しそうだ。
マラソン3時間台前半までのランナーであればレース兼トレーニング用シューズとして大いに活用できそうだ。特に、接地が不安定なランナーにとっては、この靴の高い安定性と推進力はとても心強く感じられるに違いない。
文/山本慎一郎
<関連記事>
【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! ホカ オネオネ「CARBON X(カーボン エックス)2」
【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! ホカ オネオネ「ROCKET X(ロケット エックス)」
【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! ホカ オネオネ「CLIFTON(クリフトン)7」
【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! ホカ オネオネ「RINCON(リンコン)2」
【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! ホカ オネオネ「CLIFTON EDGE(クリフトン エッジ)」
【シューズレポ】 サブスリー編集者が語る!! ホカ オネオネ「MACH(マッハ)4」
中学時代から陸上競技に取り組み、今も市民ランナーとして走り続けている月陸編集者(マラソンの自己ベストは2時間43分)が、注目のシューズをトライアル! 今回は3月5日に発売されたHOKA ONE ONE(ホカ オネオネ)の「MACH(マッハ)4」(税込17,600円)を紹介する。 HOKA ONE ONE(ホカ オネオネ)の高反発スピードモデル「MACH(マッハ)4」HOKA最新モデルから派生した高反発スピードモデル
HOKAらしさを感じられる一足の登場だ。ここ数ヵ月で「ROCKET X(ロケット エックス)」、「CARBON X(カーボン エックス)2」と、ミッドソールにカーボンプレートを内蔵したモデルを次々にリリースしてきたホカ オネオネ。そんな厚底レーシングシューズの“元祖”と呼べるブランドが3月5日に発売したモデルが「MACH(マッハ)4」だ。 その特徴は、プレートを内蔵していない高反発スピードモデルであること。ソールは反発力の高いラバライズドEVAのアウトソールに、衝撃を和らげる柔らかいミッドソール素材を組み合わせて構成。ヒール部分はクッション性を高め、前足部にはある程度の硬さを持たせることで推進力を生み出している。これは「PROFLY(プロフライ)」と呼ばれるホカ オネオネのテクノロジーで、カーボンX 2などにも採用されている。 また、踵が「Swallow Tail」という後方に突き出た形状をしているのも個性的だ。カーボンX 2やCLIFTON EDGE(クリフトン エッジ)を思わせるフォルムとなっており、これらが合わさることでマッハ4は「HOKAならではの快活な走り心地とエネルギッシュな足元の感覚」を実現しているという。 アウトソールの面積が広いのが特徴。スピードモデルながら安定性は高い自然にピッチが上がる靴
実際に足を通してみると、まずはアウトソールの接地面積の広さが印象に残る。履き心地はクリフトン エッジやカーボンX 2に近く、コシのある柔らかさ。CLIFTON(クリフトン)7のようなフカフカ感の強いタイプとは別物となっている。 サイズ感はホカ オネオネの他のモデルよりは少し小さめで、これまで24.5~25.0cmを選んできた筆者はウィメンズの25.0cmがぴったり。カーボンX2よりは一回り小さく、フィット感もややタイトな印象がある。クリフトン7やクリフトン エッジに近いかもしれない。 そして、走ってみて感じたのは予想以上の軽快さだ。接地面が広く感じるのはクリフトン エッジに似ているが、それよりも明らかに脚が回転しやすく、自然にピッチが上がる。ソール自体の反発が強いというよりは、前足部への重心移動がスムーズで、それによってロスなく推進力が生まれているイメージだ。 ソールの厚さは最大29mmで、オフセットは5mm。実際に走ると重心移動のしやすさが際立つ ちなみに、ソールのオフセット(踵と前足部の高低差)は5mmに抑えられており、脚が“転がる”ような感覚はあまりない。それでも自然に脚が回っていくのはPROFLYテクノロジーの効果だろう。 重量は片足約232g(27.0cm)。カーボンプレートがないことで反発が弱いのでは?と思うかもしれないが、反発自体はホカ オネオネのカーボン搭載モデルと比べてもそれほど大きな違いは感じない。クッション性と走りやすさを両立した、HOKAらしさを感じられるシューズと言えるだろう。 では、この靴の“適正速度”はどこなのかと言えば、筆者はマラソンのレースペース付近ではないかと感じた。筆者の現時点での走力(5000m18分台)であれば、1km4分あたりまではシューズの性能と走りが噛み合って楽に走れる印象がある。クッション性と安定性のバランスが絶妙で、“クリフトン エッジのスピードタイプ”と言えるような走行感に仕上がっている。ロードでの距離走など走り込みで持ち味を発揮しそうだ。 マラソン3時間台前半までのランナーであればレース兼トレーニング用シューズとして大いに活用できそうだ。特に、接地が不安定なランナーにとっては、この靴の高い安定性と推進力はとても心強く感じられるに違いない。 文/山本慎一郎 <関連記事> 【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! ホカ オネオネ「CARBON X(カーボン エックス)2」 【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! ホカ オネオネ「ROCKET X(ロケット エックス)」 【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! ホカ オネオネ「CLIFTON(クリフトン)7」 【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! ホカ オネオネ「RINCON(リンコン)2」 【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! ホカ オネオネ「CLIFTON EDGE(クリフトン エッジ)」
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
-
2024.04.28
2024.04.26
やり投・北口榛花 五輪シーズン初戦へ「結果がどうであれ次につなげられれば」/DL蘇州
2024.04.12
40年以上の人気シューズ”ペガサス”シリーズの最新作!「ナイキ ペガサス 41」が登場!
-
2024.04.26
-
2024.04.07
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.04.28
日本勢は金メダル8個獲得 中長距離で5種目制覇 記録では渕上翔太400mH49秒97、中谷魁聖が走高跳2m19をマーク/U20アジア選手権
◇第21回U20アジア選手権(4月24日~27日/UAE・ドバイ) 4日間の大会が終了し、男女合わせて29名が出場した日本勢は金メダル8個を含む21のメダルを獲得。昨年6月に韓国で行われた前回大会(金14個、メダル総数で […]
2024.04.28
バレガ5000m12分55秒68の大会新V 前週世界新のデュプランティスは6m00 3000m障害のチェプコエチも2連勝/DL蘇州
中国・蘇州で4月27日、ダイヤモンドリーグ(DL)第2戦が開催され、男子5000mでは東京五輪10000m金メダルのS.バレガ(エチオピア)が12分55秒68の大会新で優勝した。 バレガは現在24歳。18年にこの種目で1 […]
2024.04.28
織田記念スタートリスト発表 男子100m坂井隆一郎は最終エントリーせず 山縣亮太や多田修平、東田旺洋が出場へ
第58回織田幹雄記念国際大会(4月29日/広島広域公園陸上競技場)のスタートリストが4月28日、発表された。 GP(グランプリ)男子100m予選1組は、4レーンに多田修平(住友電工)。2組には4レーンにデーデー・ブルーノ […]
2024.04.28
【高校生FOCUS】女子中距離・久保凛(東大阪大敬愛高)ターゲットはインターハイ連覇と日本選手権V
FOCUS! 高校生INTERVIEW 久保 凛 Kubo Rin 東大阪大敬愛高2大阪 活躍中の注目高校アスリートをフォーカスして紹介するコーナー!今回は昨年の北海道インターハイ女子800mチャンピオンの久保凛選手( […]
2024.04.28
社会人初戦を迎える村竹ラシッド 日本選手権やパリ五輪を見据え「冬季の成果を確かめたい」/織田記念
第58回織田幹雄記念国際大会(4月29日)を前日に控えた4月28日、会場の広島広域公園陸上競技場(ホットスタッフフィールド広島)で出場選手の会見が行われた。 男子110mHに出場する村竹ラシッド(JAL)は、この春に順大 […]
Latest Issue 最新号
2024年5月号 (4月12日発売)
パリ五輪イヤー開幕!