HOME 国内、駅伝

2025.01.12

田中希実が初10km区間6位「もっと楽しく走れたら良かったけど甘くなかった」廣中と並び笑顔も/都道府県女子駅伝
田中希実が初10km区間6位「もっと楽しく走れたら良かったけど甘くなかった」廣中と並び笑顔も/都道府県女子駅伝

25年都道府県女子駅伝9区に出走した田中希実

◇皇后盃第43回全国都道府県対抗女子駅伝(1月12日/京都・たけびしスタジアム京都発着:9区間42.195km)

都道府県女子駅伝が行われ、京都が2時間15分26秒で3大会ぶり19度目の優勝を飾った。

広告の下にコンテンツが続きます

1500m、5000m日本記録保持者の田中希実(New Balance)は兵庫のアンカーとして、最長区間10kmの9区へ。中学時代から出場している田中にとって、11大会連続エントリー(未出走含む)で初の9区だった。

前回、9区を務めた太田琴菜(日本郵政グループ)が、昨年11月の全日本実業団対抗女子駅伝以降にコンディションが整わなかったことから「2区か9区の両軸で調整してきました」と田中。年末年始の宮古島合宿でも10kmを想定した練習も「しっかりできていた」。

中継所では長崎の廣中璃梨佳(日本郵政グループ)と並んでスタート位置へ。笑顔で話すシーンもあり、「まさかのまさかだね。一緒に頑張ろう」と声を掛け合ったという。

普段から「あまり時計は見ない」田中。トラックの10000mは過去3レース経験しているが、「10kmというところに抵抗を感じてゆっくり入ってはいけない。思い切って入ろう」と12位でスタート。1km3分05秒ペースを見据えて入ったが「自分のリズムのようで自分のリズムではない。前を譲りたくないことばかり考えてしまった」。タイム思った以上に上がらず「もう少し彼女(廣中)の力を借りれば良かったですが、力不足かな」と振り返る。

広告の下にコンテンツが続きます

結果、2つ順位を上げ、32分28秒の区間6位。「もっと気持ち良く、楽しく走れたら良かったですが、そう甘くはなかった」。入賞には届かなかずチームは10位だったが、田中の胸には地元への思いが強くあった。

阪神・淡路大震災から30年のワッペンをつけた兵庫チーム。チームスタッフから当時のことを毎年話してもらうそうで、「震災に関係された経験を思い出すのはつらいなかで、私たちに伝えたいという思いが伝わってきました。経験をしていないので伝えることはできなくても、受け取って、走りで表現していくことが大事だろうと感じています」。

トラックで世界を舞台に結果を残してきても、田中はいつも駅伝を大事にしてきた。「兵庫の思いを乗せることが一番いい走り。個人としては納得いかない液化でしたがチーム兵庫としての姿勢は見せられた。個人のレースだったら休んでしまう苦しいところも、駅伝だからこそいつもと違った走りができました。ゴール後のみなさんの笑顔や『ありがとう』という声に、順位やタイムだけではない部分を伝えることができていればうれしいです」。

東京世界選手権イヤーの幕開け。「10kmという距離から入るのシーズンがどんなものになるか楽しみもありつつ、不安も大きい。結果だけ見てダメだ、ではなく、絶対にこれからにつなげるという気持ちでいきたい」。今後は海外室内シーズンで800mから3000mのレースに出場しつつ屋外レースに備えていく。

◇皇后盃第43回全国都道府県対抗女子駅伝(1月12日/京都・たけびしスタジアム京都発着:9区間42.195km) 都道府県女子駅伝が行われ、京都が2時間15分26秒で3大会ぶり19度目の優勝を飾った。 1500m、5000m日本記録保持者の田中希実(New Balance)は兵庫のアンカーとして、最長区間10kmの9区へ。中学時代から出場している田中にとって、11大会連続エントリー(未出走含む)で初の9区だった。 前回、9区を務めた太田琴菜(日本郵政グループ)が、昨年11月の全日本実業団対抗女子駅伝以降にコンディションが整わなかったことから「2区か9区の両軸で調整してきました」と田中。年末年始の宮古島合宿でも10kmを想定した練習も「しっかりできていた」。 中継所では長崎の廣中璃梨佳(日本郵政グループ)と並んでスタート位置へ。笑顔で話すシーンもあり、「まさかのまさかだね。一緒に頑張ろう」と声を掛け合ったという。 普段から「あまり時計は見ない」田中。トラックの10000mは過去3レース経験しているが、「10kmというところに抵抗を感じてゆっくり入ってはいけない。思い切って入ろう」と12位でスタート。1km3分05秒ペースを見据えて入ったが「自分のリズムのようで自分のリズムではない。前を譲りたくないことばかり考えてしまった」。タイム思った以上に上がらず「もう少し彼女(廣中)の力を借りれば良かったですが、力不足かな」と振り返る。 結果、2つ順位を上げ、32分28秒の区間6位。「もっと気持ち良く、楽しく走れたら良かったですが、そう甘くはなかった」。入賞には届かなかずチームは10位だったが、田中の胸には地元への思いが強くあった。 阪神・淡路大震災から30年のワッペンをつけた兵庫チーム。チームスタッフから当時のことを毎年話してもらうそうで、「震災に関係された経験を思い出すのはつらいなかで、私たちに伝えたいという思いが伝わってきました。経験をしていないので伝えることはできなくても、受け取って、走りで表現していくことが大事だろうと感じています」。 トラックで世界を舞台に結果を残してきても、田中はいつも駅伝を大事にしてきた。「兵庫の思いを乗せることが一番いい走り。個人としては納得いかない液化でしたがチーム兵庫としての姿勢は見せられた。個人のレースだったら休んでしまう苦しいところも、駅伝だからこそいつもと違った走りができました。ゴール後のみなさんの笑顔や『ありがとう』という声に、順位やタイムだけではない部分を伝えることができていればうれしいです」。 東京世界選手権イヤーの幕開け。「10kmという距離から入るのシーズンがどんなものになるか楽しみもありつつ、不安も大きい。結果だけ見てダメだ、ではなく、絶対にこれからにつなげるという気持ちでいきたい」。今後は海外室内シーズンで800mから3000mのレースに出場しつつ屋外レースに備えていく。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.07.07

日本陸連オフィシャルトップパートナーにアシックスジャパン 25年度協賛企業が決定

日本陸連は7月7日、25年度の協賛企業を発表した。今年度は「オフィシャルトップパートナー」のアシックスジャパンをはじめ、12社より協賛を受ける。 アシックスジャパンは日本代表のオフィシャルウェアを契約。「オフィシャルメジ […]

NEWS 110mHで内定の泉谷駿介「すべて東京世界陸上のための過程と言えるように」 右下肢のケガは順調に回復中

2025.07.07

110mHで内定の泉谷駿介「すべて東京世界陸上のための過程と言えるように」 右下肢のケガは順調に回復中

東京世界選手権の代表選考会となる第109回日本選手権を終えた翌日の7月7日、日本代表記者会見が都内で開かれ、代表内定している選手たちが登壇した。 男子110mハードルを13秒22(+0.8)で優勝して内定した泉谷駿介(住 […]

NEWS 200mの鵜澤飛羽 悲願のファイナルへ「しっかり練習したい」七夕の願いは…

2025.07.07

200mの鵜澤飛羽 悲願のファイナルへ「しっかり練習したい」七夕の願いは…

東京世界選手権の代表選考会となる第109回日本選手権を終えた翌日の7月7日、日本代表記者会見が都内で開かれ、代表内定している選手たちが登壇した。 日本選手権を3連覇した男子200mの鵜澤飛羽(JAL)。「内定できて一安心 […]

NEWS 1500m・5000m代表の田中希実 東京世界陸上へ「2種目で勝負できるように頑張りたい」

2025.07.07

1500m・5000m代表の田中希実 東京世界陸上へ「2種目で勝負できるように頑張りたい」

東京世界選手権の代表選考会となる第109回日本選手権を終えた翌日の7月7日、日本代表記者会見が都内で開かれ、代表内定している選手たちが登壇した。 1500m、5000mで内定した田中希実(New Balance)は「当初 […]

NEWS 110mH村竹ラシッド 日本選手権“初観戦”「試合より緊張」世界陸上へ「万全で臨みたい」

2025.07.07

110mH村竹ラシッド 日本選手権“初観戦”「試合より緊張」世界陸上へ「万全で臨みたい」

東京世界選手権の代表選考会となる第109回日本選手権を終えた翌日の7月7日、日本代表記者会見が都内で開かれ、代表内定している選手たちが登壇した。 すでに東京世界選手権代表に内定している男子110mハードル・パリ五輪5位の […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年7月号 (6月13日発売)

2025年7月号 (6月13日発売)

詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会

page top