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2024.01.25

パリへの道を切り開くのは誰か 松田瑞生、前田穂南、佐藤早也伽が五輪MGCファイナルチャレンジに挑む/大阪国際女子マラソン
パリへの道を切り開くのは誰か 松田瑞生、前田穂南、佐藤早也伽が五輪MGCファイナルチャレンジに挑む/大阪国際女子マラソン

左から前田穂南、松田瑞生、佐藤早也伽

第43回大阪国際女子マラソンは1月28日、大阪市のヤンマースタジアム長居を発着とした42.195kmで行われる。パリ五輪マラソン代表の3枠目を懸けたマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジの1戦目を兼ねており、設定記録2時間21分41秒を突破するかが、注目となる。

昨年10月のMGCで優勝した鈴木優花(第一生命グループ)と2位の一山麻緒(資生堂)がパリ五輪代表に内定している。残り1枠はMGC3位の細田あい(エディオン)と、ファイナルチャレンジ1戦目の大阪国際、2戦目の名古屋ウィメンズ(3月10日)のレース結果から選出。ファイナルチャレンジ2レースで設定記録を突破した選手がいた場合、その中で最も速かった選手が代表に内定するが、記録突破者がいない場合は細田が代表をつかむ。

大阪国際で五輪代表を狙う選手としては、設定記録を大きく上回るタイムで日本人トップを決め、名古屋ウィメンズを予定している選手たちにプレッシャーをかけたいところだろう。

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日本人招待選手の中で最も速いタイムを持っているのは、2022年のこの大会で2時間20分52秒(日本歴代6位)をマークした松田瑞生(ダイハツ)。地元レースとなる大阪国際では3レース出場してすべて優勝しており、相性は良い。

東京五輪では惜しくも代表を逃して悔し涙を流したが、22年オレゴン、23年ブダペストと世界選手権に2大会連続で出場。昨年のブダペストは、右脚の故障を押しての出場ながらも13位と粘った。秋のMGCは回避して治療に専念。復帰してまもない11月下旬の全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)では、5区(10km)を区間3位タイ(32分26秒)でまとめ、マラソン練習へ向けて手応えをつかんだ。あれから2ヵ月経ち、さらなる進化を見せられるか。

また、21年東京五輪代表の前田穂南(天満屋)も連続オリンピアンを狙っている。東京五輪(33位)の後は故障や体調不良で結果を残せなかったが、昨年の名古屋ウィメンズで2時間22分32秒の自己ベストで3位に入った。

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10月のMGCは7位に終わったが、クイーンズ駅伝では5区区間3位タイ。薫英女学院高(大阪)時代の1年先輩である松田と同タイムで駆け抜けている。4回目の大阪国際で、先輩に先着し、2大会連続の五輪代表へ前進したいところだろう。

さらに、佐藤早也伽(積水化学)も有力候補。自己ベストは22年9月のベルリンでマークした2時間22分13秒。昨年の大阪国際では転倒するアクシデントに見舞われたが、ブダペスト世界選手権代表では20位と力走している。

2ヵ月後のMGCは回避して、ファイナルチャレンジに懸けてきた。クイーンズ駅伝では3区で後方から追い上げてきた廣中璃梨佳(日本郵政グループ)に食らいつき、最後は先着してタスキ中継。この時の同じように食い下がる走りで終盤に勝機を見出せるか。

このほか、MGC5位で2時間23分05秒の自己記録を持つ松下菜摘(天満屋)や川内理江(大塚製薬)、大東優奈(天満屋)も大幅自己ベストを狙っている。

海外勢では22年ベルリンで2時間18分51秒をマークしたウォルケネシュ・エデサ(エチオピア)、昨年のハンブルグで2時時間20分23秒を出したステラ・チェサン(ウガンダ)、2時間20分50秒の自己記録を持つシセイ・メセレット・ゴラ(エチオピア)が出場を予定している。

ペースメーカーは新谷仁美木村友香(いずれも積水化学)、ハーフマラソンで1時間4分37秒の自己記録を持つアイリーン・ジェプチュンバ・キマイス(ケニア)らが務める。

世界では高速化がさらに進み、昨年秋には男女ともに世界新記録が生まれている。大阪国際でもその流れに乗って、日本人女子5人目の2時間20分切りまで到達できるか。

また併催として大阪ハーフマラソンが行われる。男子招待選手では川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)、聞谷賢人(トヨタ紡織)、鎧坂哲哉と土方英和(いずれも旭化成)らがエントリー。女子の招待選手では安藤友香(天満屋)、渡邉桃子(天満屋)、前田彩里(ダイハツ)らが名を連ねている。

大阪国際女子は12時15分スタート。レースの模様は関西テレビ・フジテレビ系列で12時から生中継される。

第43回大阪国際女子マラソンは1月28日、大阪市のヤンマースタジアム長居を発着とした42.195kmで行われる。パリ五輪マラソン代表の3枠目を懸けたマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジの1戦目を兼ねており、設定記録2時間21分41秒を突破するかが、注目となる。 昨年10月のMGCで優勝した鈴木優花(第一生命グループ)と2位の一山麻緒(資生堂)がパリ五輪代表に内定している。残り1枠はMGC3位の細田あい(エディオン)と、ファイナルチャレンジ1戦目の大阪国際、2戦目の名古屋ウィメンズ(3月10日)のレース結果から選出。ファイナルチャレンジ2レースで設定記録を突破した選手がいた場合、その中で最も速かった選手が代表に内定するが、記録突破者がいない場合は細田が代表をつかむ。 大阪国際で五輪代表を狙う選手としては、設定記録を大きく上回るタイムで日本人トップを決め、名古屋ウィメンズを予定している選手たちにプレッシャーをかけたいところだろう。 日本人招待選手の中で最も速いタイムを持っているのは、2022年のこの大会で2時間20分52秒(日本歴代6位)をマークした松田瑞生(ダイハツ)。地元レースとなる大阪国際では3レース出場してすべて優勝しており、相性は良い。 東京五輪では惜しくも代表を逃して悔し涙を流したが、22年オレゴン、23年ブダペストと世界選手権に2大会連続で出場。昨年のブダペストは、右脚の故障を押しての出場ながらも13位と粘った。秋のMGCは回避して治療に専念。復帰してまもない11月下旬の全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)では、5区(10km)を区間3位タイ(32分26秒)でまとめ、マラソン練習へ向けて手応えをつかんだ。あれから2ヵ月経ち、さらなる進化を見せられるか。 また、21年東京五輪代表の前田穂南(天満屋)も連続オリンピアンを狙っている。東京五輪(33位)の後は故障や体調不良で結果を残せなかったが、昨年の名古屋ウィメンズで2時間22分32秒の自己ベストで3位に入った。 10月のMGCは7位に終わったが、クイーンズ駅伝では5区区間3位タイ。薫英女学院高(大阪)時代の1年先輩である松田と同タイムで駆け抜けている。4回目の大阪国際で、先輩に先着し、2大会連続の五輪代表へ前進したいところだろう。 さらに、佐藤早也伽(積水化学)も有力候補。自己ベストは22年9月のベルリンでマークした2時間22分13秒。昨年の大阪国際では転倒するアクシデントに見舞われたが、ブダペスト世界選手権代表では20位と力走している。 2ヵ月後のMGCは回避して、ファイナルチャレンジに懸けてきた。クイーンズ駅伝では3区で後方から追い上げてきた廣中璃梨佳(日本郵政グループ)に食らいつき、最後は先着してタスキ中継。この時の同じように食い下がる走りで終盤に勝機を見出せるか。 このほか、MGC5位で2時間23分05秒の自己記録を持つ松下菜摘(天満屋)や川内理江(大塚製薬)、大東優奈(天満屋)も大幅自己ベストを狙っている。 海外勢では22年ベルリンで2時間18分51秒をマークしたウォルケネシュ・エデサ(エチオピア)、昨年のハンブルグで2時時間20分23秒を出したステラ・チェサン(ウガンダ)、2時間20分50秒の自己記録を持つシセイ・メセレット・ゴラ(エチオピア)が出場を予定している。 ペースメーカーは新谷仁美、木村友香(いずれも積水化学)、ハーフマラソンで1時間4分37秒の自己記録を持つアイリーン・ジェプチュンバ・キマイス(ケニア)らが務める。 世界では高速化がさらに進み、昨年秋には男女ともに世界新記録が生まれている。大阪国際でもその流れに乗って、日本人女子5人目の2時間20分切りまで到達できるか。 また併催として大阪ハーフマラソンが行われる。男子招待選手では川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)、聞谷賢人(トヨタ紡織)、鎧坂哲哉と土方英和(いずれも旭化成)らがエントリー。女子の招待選手では安藤友香(天満屋)、渡邉桃子(天満屋)、前田彩里(ダイハツ)らが名を連ねている。 大阪国際女子は12時15分スタート。レースの模様は関西テレビ・フジテレビ系列で12時から生中継される。

大阪国際女子マラソン 主なエントリー選手

■招待選手 ウォルケネシュ・エデサ(エチオピア) ステラ・チェサン(ウガンダ) シセイ・メセレット・ゴラ(エチオピア) 松田瑞生(ダイハツ) 佐藤早也伽(積水化学) 前田穂南(天満屋) 松下菜摘(天満屋) 川内理江(大塚製薬) 大東優奈(天満屋) 竹山楓菜(センコー) ■ネクストヒロイン 柳谷日菜(ワコール) 北川星瑠(大阪芸大) 鈴木杏奈(大阪芸大) 古原夏音(大阪芸大) 小林香菜(前橋市陸協) 須田花音(神戸学大) [adinserter block=”4”]■準招待選手 ジョン・ダウン(韓国) 池満綾乃(鹿児島銀行) ミリツァ・ミルチェバ(ブルガリア) 青木奈波(岩谷産業) 平島美来(ユニクロ) 西川真由(スターツ) カタリナ・スタインラック(ドイツ) ケイト・メイソン(豪州) ジョアン・チェプケモイ(九電工) 藤田愛子(愛知電機) 中野円花(岩谷産業) 伊藤千文(鹿族) 松村幸栄(コモディイイダ) 澤畠朋美(埼玉陸協) 藤澤舞(札幌エクセルAC) 池内彩乃(デンソー) 仲田光穂(千葉陸協)

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