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【Web連載コラム】NGT48西村菜那子の陸上日記#21

連載21区
「監督からの愛の鞭!」


陸上で盛り上がりそうなデンカビッグスワンスタジアムまで散歩しました!

 新型コロナウイルスの影響で延期となっていた日本選手権が秋に新潟県で開催されるかもしれないという報道を見ました! ちなみに、9月10~13日には日本学生陸上競技対校選手権大会(日本インカレ)が新潟デンカビッグスワンスタジアムで開催予定です。

 先日プライベートでビッグスワンまで散歩に行ってきたのですが、今年はこの場所で陸上が熱く盛り上がりを見せると思うと今からすごくワクワクしました!!

監督車からの声に注目!

 このコラムでも紹介した通り、最近、私は家で箱根駅伝の過去の映像を多く見ています。大会映像だけでなく、日テレG+さんで放送される番組『もうひとつの箱根駅伝』など密着番組も見て楽しんでいます。こういった番組では選手のことだけでなく、監督のことも特集されていたりします。大会映像だけでは知ることができない監督の裏側の姿を見られるのはとても貴重ですよね。

 箱根駅伝ではレース中、後ろの運営管理車から監督が拡声器を使って選手に声かけができます。駒澤大学の大八木弘明監督の「男だろ!!」は、今では陸上界の誰もが知る名台詞となりましたね(笑)。実はこの声かけ、常に行っていいわけではなく、決まった地点のみ可能となっているのは知っていますか?

★声かけのルールの以下の通りです。
 ●1区、3区、4区、5区、7区、8区
  スタートから1、3、5、10、15㎞地点、ラスト3㎞、ラスト1㎞地点
 ●6区
  ラスト1㎞地点のみ
 ●2区、9区、10区
  スタートから1、3、5、10、15、20㎞地点、ラスト1㎞地点

 許された時間は、おおよそ1分間です。決められた地点で、かつ1分という短い時間で、監督たちは選手に声をかけているのです。

 あの時、監督は選手に何を言ったのか、どんなアドバイスをしたのか……。単独走ではなく、集団走になっている場合は監督の声かけが、ライバルである他校の選手にも聞こえるので、監督同士の繰り広げる心理戦が見どころでもあります。監督の声かけに視点を置くと、とても面白い発見がたくさんあります。

 ということで、今回は私が選ぶ、監督の声かけ名シーンを紹介します! ぜひ駅伝を見る際の見どころの1つとして注目してみてください。

感情豊かな前田監督、名言連発の大八木監督!


いつも感情が爆発する人間味溢れる國學院大學の前田監督!

 まず紹介するのは、國學院大學の前田康弘監督の名シーンです。前田監督といえば、チームの選手がスピードを上げたり、上位に立ったりするとうれしくて子供のように泣いたり、拳を上げて喜んだりと、その感情表現が豊かな姿が有名です。前田監督の運営管理車での様子にほっこりした気持ちになったことがあるのは私だけではないはず!

 そんな前田監督、今年の箱根駅伝2区でこんな声かけをしていました。

「後ろから相澤(東洋大)と伊藤(東京国際大)が来ている! みんなで集団を作っていかないと! 追いつかれちゃうよ7人とも! 全員で作っていこうよ!」

 普通、声かけというのは監督を務めるチームの選手に対して言うもの。しかし前田監督は、他のチームの選手も含めて7人に向けて声をかけました。これは一体どういうことなのか。

 今年の2区。前半の先頭集団は7校で形成されていました。前から國學院大学、創価大学、中央学院大学、東海大学、青山学院大学、早稲田大学。ハイレベルな戦い故に、先頭にいた國學院大學の土方英和選手(当時4年)はペースメーカーとして利用されてしまいそうになっていました。

 その集団の後方では、学生界のエースである東洋大学・相澤晃選手(当時4年)と東京国際大学・伊東達彦選手(当時4年)が猛追。このままでは土方選手がペースメイクして他校に利用されてしまうどころか、先頭の7校が東洋大、東京国際大に抜かされてしまうことを懸念した前田監督は、7校の選手全員に声かけをしたのです。自分のチームだけでなく、ライバルである他校の選手にまで声をかけ、レース展開を動かしていった前田監督の斬新な叱咤激励に驚いたのを今でも覚えています。

 自分のチームの選手はもちろん、他校のチームにも声をかけ、時には持ち前の感性で無邪気に喜ぶ前田監督は、これからも多くの名言を残してくれそうです!

 次に紹介するのは駒澤大学の大八木監督です。有名な「男だろ!!」の他にも、レース中に足がケイレンしそうになった選手に対し、「もうここまで来たら区間賞だ!脚とか何とか関係ない!」と叱咤するなど、大八木監督の声かけは駅伝ファンの楽しみの一つになっています。

いくつもの名セリフを放つ駒澤大学の大八木監督!

 そんな大八木監督の言葉で私が1番驚いたのは、19年の箱根駅伝5区でのシーンです。駒澤大学の5区は当時2年生だった伊東颯汰選手。そんな伊東選手の後ろに國學院大學の当時3年・浦野雄平選手が追いつきました。浦野野選手は伊東選手を抜くことはせずに、後ろにピタリとつき、しばらく2人で走っていました。

 先ほども書いた通り、監督の声かけというのは自分のチームの選手に対して言うものなのですが、このとき大八木監督はこんな言葉を口にしました。

「おし!浦野!人の後ろにばっかいたらダメなんだ!引っ張ってあげないと!2人で行けば浦野が区間賞!お前(伊東)が区間3番4番だからな!」

 なんと他チームのライバルである浦野選手を名指しで激励したのです。

 その後、大八木監督の言葉を素直に聞いたのか、浦野選手は伊東選手の前に出て、スピードを上げていきました。さらに大八木監督の予想通り、結果は浦野選手が5区区間賞、伊東選手も粘って区間5位となりました。

 他大学の選手の名前を出してまで声をかける大八木監督のエネルギー、伊東選手と浦野選手のスピードをアシストした言葉の力はとても印象に残っています。数々の名セリフを残す大八木監督に今後も注目です

 今回は監督の声かけ名シーンを紹介しました。来年はどんな名言・名セリフ・名文句が生まれるでしょうか。箱根だけでなく他の大会でも監督たちの声かけで印象に残るシーンはたくさんあります。ぜひ監督たちによる選手への愛のある叱咤激励に注目してみてください。

最近は折り紙で大学駅でのユニフォームを作るのにハマってます!みなさんもチャレンジしてみてください

※しばらくの間は月1回、最終週の木曜日更新とさせていただきます。

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©️AKS
NGT48 西村菜那子(にしむら・ななこ)
1997年8月11日生/O型/長野県出身
特技:クラシックバレエ、歴代の箱根駅伝の優勝校を暗記
趣味:陸上観戦、サッカー観戦
2015年にNGT48第1期生オーディションに合格。両親の影響で幼い頃から駅伝を好きになる。アイドルとしての活動を続ける中で、自身のSNSを通して陸上競技に関する情報を発信。駅伝関連のメディア出演も多数。

西村菜那子モバイルサイト
●Information
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舞台『風が強く吹いている』6月10日~17日公演予定※新型コロナウイルスの影響で延期となりました。詳細は公式HPまで
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