◇第99回箱根駅伝(1月2、3日:東京・大手町←→神奈川・箱根町/10区間217.1km)
2007年以来の総合優勝を目標に掲げていた順大は5位。長門俊介駅伝監督は、「最低限の結果」と言葉少なにレースを振り返った。
往路は6位。直近7大会すべて区間ふたケタにとどまっていた“鬼門”の1区は野村優作(4年)がトップと19秒差の6位と好スタートを切ったが、三浦龍司(3年)、伊豫田達弥(4年)、石井一希(3年)と前回経験者を再び投入した2~4区で想定ほど前に行けなかった。
4区終了時点で11位。長門監督は「自信を持っていた区間で足踏みをしてしまったことが痛かったです」とストロングポイントだった区間で上位に食い込めなかったことを悔やんだ。
それでも5区の四釜が1時間10分21秒の区間新(区間2位)をマーク。「1時間10分台は昨年からいける力はありました。(序盤からハイペースに入り過ぎた)前回の課題を生かせば走れると思っていましたが、そのとおり、想定より後ろの展開でも慌てずに走ってくれた。彼に救われました」と長門監督は称えた。
往路終了時点で首位の駒大とは4分31秒差。総合優勝は厳しくなったが、「現実的に最低限5位は死守。流れに乗れば3位は目標にできると考えた」(長門監督)とチームは息を吹き返した。
復路は目まぐるしく順位が入れ替わるなか、区間ごとに明暗がくっきりと分かれる展開に。7区の浅井皓貴(2年)、8区の平駿介(4年)が区間3位と奮闘。そして、長門監督が常々「箱根駅伝には4年生の力が必要」と言うように、最後はアンカーを務めた主将の西澤侑真(4年)が区間歴代10位の1時間8分42秒で8位から3つ順位を押し上げて、笑顔でレースを締めくくった。
「(長門)監督からも前を追っていこうと言われましたし、区間賞も狙っていたのでそこはしっかり結果を出すことができて良かったです」と個人の走りを振り返りつつ、直後には「総合優勝を掲げて1年やってきたので、悔しい気持ちもあります」と 目指していた景色に届かなかった素直な気持ちを吐露した。
それでも長門監督はクインテットと呼ばれた4年生に対し、「今回は四釜にかなり助けられましたし、西澤は立派に主将らしい走りを見せてくれた。他の4年生も含めて、この1年間やってきたことは出したと思います」とねぎらう。
来季に向けて、「今年は前回2位に入ったチームからどれだけ積み上げられるかということだったが、次はイチから作り直さないといけないと思います」と指揮官。強力な新入生の加入もあるが、「いきなり1年生に頼るというより、今の4年生が三浦の存在に刺激を受けて成長したように、今いるメンバーがどう変わっていけるかです」と3年生以下へのさらなる成長に期待を寄せた。
文/田中 葵
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.08.26
日本陸連 女子選手への遺伝子検査義務「最大限の支援」検査の是非「慎重な議論と判断必要」
-
2025.08.25
-
2025.08.25
-
2025.08.25
-
2025.08.24
-
2025.08.25
-
2025.08.25
2025.08.16
100mH・福部真子12秒73!!ついに東京世界選手権参加標準を突破/福井ナイトゲームズ
-
2025.08.19
-
2025.08.24
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.08.26
日本陸連が「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」策定「排除、差別のない社会にするために」
8月26日、日本陸連は8月20日に理事会で承認された「ダイバーシティー&インクルージョンの推進(D&I)」についての説明を行った。 D&Iとは、人々の多様性(diversity)を尊重し、受 […]
2025.08.26
日本陸連 女子選手への遺伝子検査義務「最大限の支援」検査の是非「慎重な議論と判断必要」
日本陸連は8月26日、世界陸連(WA)が7月24日に新たな規則として承認した「女子カテゴリーの出場資格」についての対応を明らかにした。 WAが承認した規則は、「ワールドランキング対象競技における女子カテゴリーの参加資格と […]
2025.08.26
サニブラウン主催のDAWN GAMESファイナル 本人参加10/13に都内で開催!台風中止の東日本予選も併催
株式会社UDN SPORTSは8月26日、マネジメント契約を結ぶサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)が創立した主催大会の「DAWN GAMES」の決勝大会を10月13日に東京・大蔵運動公園陸上競技場で開催すると発表し […]
2025.08.25
ダイヤモンドリーグ・ファイナルのエントリー発表 北口榛花が4年連続、村竹ラシッドは初
世界最高峰シリーズのダイヤモンドリーグ(DL)のレギュラーシリーズが終了し、スイス・チューリヒで行われるファイナルのエントリーが確定した。 女子やり投の北口榛花(JAL)は4年連続の進出。シーズンベストは64m63だが、 […]
Latest Issue
最新号

2025年9月号 (8月12日発売)
衝撃の5日間
広島インターハイ特集!
桐生祥秀 9秒99