全日本実業団対抗(9月24~26日/大阪・ヤンマースタジアム長居)2日目
男子5000m競歩は、五輪代表組が次々と欠場する中でただ1人出場した高橋英輝(富士通)が19分14秒42で貫禄勝ち。2017年(10000m)以来4年ぶりの頂点に立った。
五輪後の初レースだったが、50kmで2012年ロンドン五輪7位入賞の森岡紘一朗(富士通)や17年ロンドン世界選手権銅メダルの小林快(新潟アルビレックスRC)がこの大会を最後に現役引退を表明するなか、「今までお世話になった2人が引退されるということで、大切なレース」として臨んだ。タイムは「練習は十分にできてなかった」こともあって平凡だったが、「お世話になった方々に元気な姿を見せられて良かった」と笑顔がこぼれる。
東京五輪は、直前にコンディションを崩した影響もあって、32位どまり。42位だった16年リオ五輪の雪辱とはならず、フィニッシュ後は涙に暮れた。その後、時間をかけて振り返ると「ピークを合わせる計画で急ぎ過ぎていた」など反省点がいくつも出てくきたという。
そして、自分自身に問いかけた。「日本代表になり続けているけど結果が出ない自分でいいのか」。一方で「周りの方々の話を聞いても、自分にはまだ世界と戦える可能性を感じた」。そういった思いを徐々に整理し、今、出した結論は「一歩一歩」だ。
「パリまでまだ3年もあるので、まずは一歩一歩。周りの人たちの力を借りながら、まずは来年の世界選手権で代表権を取れるようにしたいというのが今の気持ちです」
11月に29歳を迎える日本屈指のスピード・ウォーカー。世界大会の最高位は19年ドーハ世界選手権の10位と、何度も跳ね返されてきた世界で結果を出すために、もう1度努力を積み重ねる決意を固めた。
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