HOME ニュース、国内

2021.04.30

110mH日本新の金井大旺が一夜明け「東京五輪準決勝が明確にイメージできた」今季最後に医学の道変わらず
110mH日本新の金井大旺が一夜明け「東京五輪準決勝が明確にイメージできた」今季最後に医学の道変わらず


4月29日の織田記念、男子110mハードルで日本記録を樹立した金井大旺(ミズノ)がリモートでの合同インタビューに応じた。

一夜明けて、「睡眠不足です」と苦笑いする金井。改めて前日のパフォーマンスに「思った以上ににタイムが出てビックリしています」と振り返る。家族や友人からも祝福のメッセージが届き、「思っている以上に応援していただいている」と実感。織田記念では「13秒32の東京五輪の参加標準記録を目指していた」というだけに、この記録で「オリンピックの決勝進出を目標にやってきたので、準決勝でどう走ればいいか明確にイメージできた」と大きな収穫を得た。

2018年の日本選手権で13秒36の日本新を樹立。その時は「福井スポーツ協会」所属だった。現所属のミズノには、これまで多くのトップアスリートが在籍。ハードルでも元日本記録保持者の谷川聡や内藤真人らがおり、「偉大な先輩たちに続きたいと思ってやってきました」と『レジェンド』の仲間入りを喜んだ。

レースについては「2、3台目までで安定していなかった」とう骨盤からの重心移動も上方向へ浮かずに「前に進められたのでタイムが落ちなかった」と振り返りつつ、「まだ完全に出し切った感じはない」と金井。「次はコンスタントに出せるようにしたい」とし、「オーバースピードで刻めるようにしていきたい」と次を見据えている。

東京五輪の参加標準記録を突破し、6月の日本選手権で3位以内に入れば五輪代表に内定する。「中学くらいの時に父の姿を見て歯科医になりたいと直感的に思った」という金井にとって、初の五輪が「最後」と決めている。今シーズンを最後に医学の道へ進むと覚悟を持ち続けており、「冬の段階から毎日、最後だと感じながらやってきました」。厳しい冬季、沖縄合宿、そして試合と、日を追うごとに最後だという「寂しさ」を感じつつ、「その寂しさをモチベーションにできている」と金井は語る。

5月9日の国立競技場でのテストイベントは出場予定だが、その後は試合をある程度選別しつつ「日本選手権とオリンピックにピークを持って行けるように強化期間を作って臨んでいきたい。オリンピックの準決勝で一番ピークがくるように」と具体的なプランを描く。精密機械のような美しく力強い金井大旺のハードルが見られるのはあと何回だろうか――。日本スプリントハードル史に残る稀代アスリートの走りを、しっかりと記憶にとどめておきたい。

広告の下にコンテンツが続きます
4月29日の織田記念、男子110mハードルで日本記録を樹立した金井大旺(ミズノ)がリモートでの合同インタビューに応じた。 一夜明けて、「睡眠不足です」と苦笑いする金井。改めて前日のパフォーマンスに「思った以上ににタイムが出てビックリしています」と振り返る。家族や友人からも祝福のメッセージが届き、「思っている以上に応援していただいている」と実感。織田記念では「13秒32の東京五輪の参加標準記録を目指していた」というだけに、この記録で「オリンピックの決勝進出を目標にやってきたので、準決勝でどう走ればいいか明確にイメージできた」と大きな収穫を得た。 2018年の日本選手権で13秒36の日本新を樹立。その時は「福井スポーツ協会」所属だった。現所属のミズノには、これまで多くのトップアスリートが在籍。ハードルでも元日本記録保持者の谷川聡や内藤真人らがおり、「偉大な先輩たちに続きたいと思ってやってきました」と『レジェンド』の仲間入りを喜んだ。 レースについては「2、3台目までで安定していなかった」とう骨盤からの重心移動も上方向へ浮かずに「前に進められたのでタイムが落ちなかった」と振り返りつつ、「まだ完全に出し切った感じはない」と金井。「次はコンスタントに出せるようにしたい」とし、「オーバースピードで刻めるようにしていきたい」と次を見据えている。 東京五輪の参加標準記録を突破し、6月の日本選手権で3位以内に入れば五輪代表に内定する。「中学くらいの時に父の姿を見て歯科医になりたいと直感的に思った」という金井にとって、初の五輪が「最後」と決めている。今シーズンを最後に医学の道へ進むと覚悟を持ち続けており、「冬の段階から毎日、最後だと感じながらやってきました」。厳しい冬季、沖縄合宿、そして試合と、日を追うごとに最後だという「寂しさ」を感じつつ、「その寂しさをモチベーションにできている」と金井は語る。 5月9日の国立競技場でのテストイベントは出場予定だが、その後は試合をある程度選別しつつ「日本選手権とオリンピックにピークを持って行けるように強化期間を作って臨んでいきたい。オリンピックの準決勝で一番ピークがくるように」と具体的なプランを描く。精密機械のような美しく力強い金井大旺のハードルが見られるのはあと何回だろうか――。日本スプリントハードル史に残る稀代アスリートの走りを、しっかりと記憶にとどめておきたい。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.05.01

東京メトロに伊東明日香が入部 「競技が続けられる環境があることに感謝」

東京メトロは5月1日、伊東明日香が入部したと発表した。今年3月31日に埼玉医科大グループを退部していた。 伊東は東京・順天高時代から全国高校駅伝に出場。東洋大進学後は全日本女子大学駅伝や富士山女子駅伝など全国大会に出走し […]

NEWS 九電工にケニア出身のキプンゲノ・ニアマイアが加入 ハーフマラソンなどロードが主戦場

2025.05.01

九電工にケニア出身のキプンゲノ・ニアマイアが加入 ハーフマラソンなどロードが主戦場

九電工は5月1日、ケニア出身のキプンゲノ・ニアマイアが同日付で加入したと発表した。 ニアマイアはケリンゲット高出身の27歳。ハーフマラソンや10kmなどロードレースを主戦場としている。自己ベストは5000m13分57秒3 […]

NEWS アディダスによるスポーツを通じたグローバルムーブメント「MOVE FOR THE PLANET」が今年も開催!

2025.05.01

アディダスによるスポーツを通じたグローバルムーブメント「MOVE FOR THE PLANET」が今年も開催!

アディダス ジャパンは、未来のスポーツ環境を支えるためのグローバルムーブメント「MOVE FOR THE PLANET(ムーブ・フォー・ザ・プラネット)」を5月12日~25日まで開催することを発表した。5月12日の計測開 […]

NEWS 水戸招待のエントリー発表! 棒高跳に柄澤智哉、山本聖途、諸田実咲ら男女トップ集結 戸邉直人、城山正太郎も出場予定

2025.04.30

水戸招待のエントリー発表! 棒高跳に柄澤智哉、山本聖途、諸田実咲ら男女トップ集結 戸邉直人、城山正太郎も出場予定

5月5日に行われる日本グランプリシリーズ第7戦「2025水戸招待陸上」のエントリー選手が発表された。男子棒高跳には東京五輪代表の山本聖途(トヨタ自動車)、江島雅紀(富士通)や世界選手権代表経験のある柄澤智哉(東京陸協)ら […]

NEWS 【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」

2025.04.30

【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」

山梨学大の上田誠仁顧問の月陸Online特別連載コラム。これまでの経験や感じたこと、想いなど、心のままに綴っていただきます! 第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」 昨年は記念大会となる第100回箱根駅伝が開催され […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL) 
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)

page top