HOME 国内

2025.10.26

NEWS
走高跳・仲野春花が現役引退「自分と競技と向き合えた」17、18年日本選手権V、低迷期支えたジャンパー

仲間、友人たちに見守られ最後の試合に臨んだ仲野春花が綴った思い

[caption id="attachment_188159" align="alignnone" width="800"] 仲野は多くの関係者の前で引退試合に臨んだ(本人提供)[/caption] 女子走高跳の仲野春花(ニッパツ)が今季限りでの引退を表明した。 仲野は福岡県出身の29歳。母(牧子さん)は100mハードルで日本トップ選手だった。その影響もあり小1から陸上を始めた。 行橋中京中から中村学園女高へ進むと、2年時は七種競技で大分インターハイに出場。走高跳のほかにも、三段跳、走幅跳、リレーと複数種目に取り組んだ。3年時は走高跳と走幅跳をメインに取り組むと、インターハイ北九州大会では走高跳1m74、走幅跳では6m06を跳んで2冠。全国では走高跳を1m78で制し、走幅跳も7位入賞を果たした。高校生で1m78&6mオーバーという類い稀な跳躍力が光る。 当時、女子のトップ選手が在籍していなかった早大へ。南野智美、内之倉由美という世代有力選手3人が入学して注目を集めた。2年時の関東インカレで初めて1m80をクリアし、同年の日本インカレは1m81で優勝。17、18年と日本選手権を1m80で連覇した。 17、19年にはアジア選手権で日本代表入り。自己ベストは17年にマークした1m83(学生歴代11位タイ)。社会人になり、近年は末續慎吾(EAGLERUN)の指導を仰ぎ、今年は2年ぶりに日本選手権出場と入賞を果たしていた。22年には男子5000m東京五輪代表の松枝博樹(富士通)と結婚。滋賀国スポを終え、最後は地元・福岡の北九州カーニバルがラストジャンプだった。今後は社業をしつつ、現役時代は離れて暮らしていた夫を支えていく。 仲野は自身のSNSで「陸上は、私の人生の中で当たり前にあるものとしてここまで生きてきました」と綴り、近年は日本選手権を勝ったあの頃に「少しでも近づきたくてもう一度挑みましたが、記録では及びませんでした」と振り返るも、「高く跳べないことに後ろめたさを感じていた時期もありましたが、今はそんな自分よりも何倍も幸せで、自分自身と、競技と、向き合うことのできた競技生活だったと心から思えます」と胸を張った。 仲野が日本選手権を初優勝した時はベテラン・福本幸らがいたが、下の世代はやや停滞気味でもあった。16年から21年の髙橋渚(当時・メイスンワーク、現・センコー)まで、1m80を超えて日本選手権を制したのは仲野のみ。のちに1m92を跳ぶ髙橋にとってもあこがれの1人で、女子走高跳が低迷しそうだった時代を支えた功労者だった。

仲間、友人たちに見守られ最後の試合に臨んだ仲野春花が綴った思い

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.10.26

ゲティチ1時間3分08秒で世界記録にあと16秒 男子はケジェルチャ58分02秒、アルムグレンが欧州記録/バレンシアハーフ

バレンシアハーフマラソンが10月26日、スペインの同地で行われ、女子ではA.ゲティチ(ケニア)が1時間3分08秒で2連覇した。 この記録は世界歴代2位の自己記録(1時間3分04秒)に続く、歴代パフォーマンス3位。ゲティチ […]

NEWS 走高跳・仲野春花が現役引退「自分と競技と向き合えた」17、18年日本選手権V、低迷期支えたジャンパー

2025.10.26

走高跳・仲野春花が現役引退「自分と競技と向き合えた」17、18年日本選手権V、低迷期支えたジャンパー

仲間、友人たちに見守られ最後の試合に臨んだ仲野春花が綴った思い この投稿をInstagramで見る 仲野春花 Haruka Nakano(@___hrhn)がシェアした投稿

NEWS ハーフマラソン競歩は東洋大・逢坂草太朗1時間23分33秒で制覇 女子は永井優会が優勝/高畠競歩

2025.10.26

ハーフマラソン競歩は東洋大・逢坂草太朗1時間23分33秒で制覇 女子は永井優会が優勝/高畠競歩

◇第62回全日本競歩高畠大会(10月26日/山形・高畠まほろば競歩/1周1.0kmの周回) 来年秋に開催される名古屋アジア大会の代表選考会を兼ねた第62回全日本競歩高畠大会が行われ、ハーフマラソン競歩は男子が逢坂草太朗( […]

NEWS 最多出場校・福岡大が8位で11年ぶりシード!目標達成へ最後まで「熱いレース」やり遂げる/全日本大学女子駅伝

2025.10.26

最多出場校・福岡大が8位で11年ぶりシード!目標達成へ最後まで「熱いレース」やり遂げる/全日本大学女子駅伝

◇第43回全日本大学女子駅伝(10月26日/宮城・弘進ゴムアスリートパーク仙台発着6区間38.0km) 第43回全日本大学女子駅伝が行われ、城西大が2時間3分28秒で25年ぶり3度目の優勝を飾った。 白熱のシード争い。そ […]

NEWS 前回女王・立命大は5位「前半から出し切れなかった」98年からのトップ5継続/全日本大学女子駅伝

2025.10.26

前回女王・立命大は5位「前半から出し切れなかった」98年からのトップ5継続/全日本大学女子駅伝

◇第43回全日本大学女子駅伝(10月26日/宮城・弘進ゴムアスリートパーク仙台発着6区間38.0km) 第43回全日本大学女子駅伝が行われ、城西大が2時間3分28秒で25年ぶり3度目の優勝を飾った。 連覇を狙った立命大は […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年11月号 (10月14日発売)

2025年11月号 (10月14日発売)

東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望

page top