2025.06.25
日本陸連は6月25日に理事会を開催し、新会長に有森裕子氏が就任することを決め、発表した。今年3月で設立100年を迎えた日本陸連において、女性が会長を務めるのは初となる。
有森氏は1966年12月17日生まれ、岡山市出身。就実高で陸上のキャリアをスタートさせた。高校で全国大会出場は果たせなかったが、日体大では1年時に関東インカレ3000mで2位に入るなど徐々にその才能が花開き始める。
そして、当時リクルート監督だった小出義雄氏に直談判し、入社したことを機にマラソンランナーとして世界への階段を駆け上がった。入社1年目に挑戦した1990年1月の大阪国際女子で初マラソン日本最高(2時間32分51秒/当時)をマークすると、翌91年の同大会で2時間28分01秒の当時日本最高記録を樹立。同年の東京世界選手権で初の日本代表に選出されると、本番は4位に食い込んだ。
その実績が評価され、92年のバルセロナ五輪でも代表入り。銀メダルに輝き、同じ岡山出身の人見絹江(1928年アムステルダム五輪女子800m銀メダル)以来、陸上日本人女性64年ぶり2人目のメダル獲得を果たした。
そこから3年のブランクを経て出場した95年の北海道を制し、96年アトランタ五輪にも出場。3位に入り、陸上の日本人女性で現在もただ1人となる2大会連続メダルの快挙を達成。フィニッシュ後の「初めて自分で自分をほめたいと思います」という言葉は日本中のブームとなり、この年の流行語大賞にもなった。
99年ボストンで生涯ベストとなる2時間26分09秒(3位)をマークするなど、計12度のマラソンに出場。2007年の東京を最後に現役を引退した。
現役引退後は、1998年に設立したNPO法人「ハート・オブ・ゴールド」での社会貢献や、2002年にアスリートマネジメント会社「ライツ」(現・株式会社RIGHTS.)を設立してアスリートを支援するなど、精力的に活動。国連人口基金親善大使、サッカーJリーグ理事など、陸上の枠にとどまらない幅広い分野で活躍している。2010年には国際オリンピック委員会(IOC)女性スポーツ賞を日本人として初めて受賞した。
日本陸連では理事を経て、21年に副会長に就任。また、23年にはアジア陸連理事、世界陸連理事も務めている。
この理事会では会長以外の役員改選も行われ、副会長には室城信之氏が留任、内山了治氏が新任で就き、風間明氏が退任となる。
理事は22人中13人が新任。アスリート委員長を務める男子走高跳の戸邉直人(JAL)が現役選手として理事に就任した。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.09.27
シーズン終盤に世界陸上代表も山口に集結!全日本実業団、開催
-
2025.09.26
-
2025.09.21
-
2025.09.21
2025.08.27
アディダス アディゼロから2025年秋冬新色コレクションが登場!9月1日より順次販売
-
2025.09.11
-
2025.09.12
-
2025.09.03
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.09.27
シーズン終盤に世界陸上代表も山口に集結!全日本実業団、開催
◇第73回全日本実業団対抗選手権(9月26日~28日/山口・維新百年記念公園陸上競技場) トラック&フィールドシーズン終盤を彩る全日本実業団対抗選手権が26日から行われ、今日27日と明日28日にかけて多くの決勝種目が実施 […]
2025.09.27
2日間の熱戦が静岡で今日開幕! 初日は100m、5000m、棒高跳、ハンマー投など男女18種目で決勝/U20日本選手権
◇第41回U20日本選手権(9月27日~28日/静岡・草薙総合運動場陸上競技場) 20歳未満のアスリートが争う第41回U20日本選手権は9月27日、2日間の日程で開幕する。同日程でU20東アジア選手権が開催されるため、代 […]
2025.09.26
ベテラン・伊澤菜々花が1万m日本人トップの5位「悔しい結果。自分から仕掛けることができなかった」/全日本実業団
◇第73回全日本実業団対抗選手権(9月26日~28日/山口市・維新みらいふスタジアム) 全日本実業団対抗選手権の1日目が行われ、女子10000mはオマレ・ドルフィン・ニャボケ(ユニクロ)が32分25秒43で優勝した。 4 […]
2025.09.26
北口榛花インタビュー「これからのことを考えるのが今はすごく楽しい」世界陸上予選敗退も次へ突き進む
女子やり投でブダペスト世界選手権、パリ五輪を制している北口榛花(JAL)が本誌の単独インタビューに応じ、予選敗退に終わった東京世界選手権を振り返り、来季に対する思いも語った。 連覇を逃して涙に暮れた世界選手権予選から1週 […]
2025.09.26
100mは杉本心結と山崎心愛が軸か!? 100mH・福田花奏は記録に期待 やり投・鈴木彩夏はIHと2冠へ/U20日本選手権女子展望
20歳未満のアスリートが争う、第41回U20日本選手権が9月27、28日の2日間、静岡・草薙総合運動場陸上競技場で行われる。同日程でU20東アジア選手権が開催されるため、代表入りした一部の有力選手は出場しないが、学生や高 […]
Latest Issue
最新号

2025年10月号 (9月9日発売)
【別冊付録】東京2025世界陸上観戦ガイド
村竹ラシッド/桐生祥秀/中島佑気ジョセフ/中島ひとみ/瀬古優斗
【Coming EKIDEN Season 25-26】
学生長距離最新戦力分析/青学大/駒大/國學院大/中大/