2025.04.23
今年9月、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。
これまで数々のスーパースター、名勝負が生まれた世界陸上の各大会の様子を紹介する『世界陸上プレイバック』。1995年にイエテボリ(スウェーデン)で行われた第5回大会を振り返る。
エドワーズが三段跳で圧巻の世界新
男子三段跳では人類初の18mジャンプが生まれた。ジョナサン・エドワーズ(英国)が1回目に18m16、2回目に18m29と立て続けに世界新記録をマークして金メダルに輝いた。
前回大会は銅メダルだったエドワーズは20日前に17m98の世界新記録を樹立。追い風2.4mで18m43を跳んだこともあり、人類初の公認18m台の期待が高まっていた。
エドワーズは1回目からその期待に応えてみせる。ホップ、ステップ、ジャンプから着地までまったく無駄のない跳躍を披露。着地をした瞬間に18m超えを確信し、両手を上げて喜んだ。記録は18m16(+1.3)。ついに18mの壁が破られた。
これで勢いに乗ったエドワーズは2回目でさらに大ジャンプ。18mを大きく超える地点で着地し、18m29(+1.3)とさらに世界記録を更新。記録が発表されたあとは、地面にキスをして喜んだ。
エドワーズの後にも18m台を記録した選手は7人いるが、30年経った今も世界記録は破られていない。まさに異次元の世界新記録だった。
三段跳は女子でも世界記録が誕生。イネッサ・クラヴェツ(ウクライナ)が従来の世界記録を41cmも上回る15m50をマークして金メダルを獲得した。
1993年の世界室内選手権で優勝するなど、優勝候補に挙げられていたクラヴェツだが、1回目と2回目はファウル。3回目で上位8人に入れなければ4回目以降に進めないため、早くも窮地に立たされた。
その状況でクラヴェツは奇跡を起こす。ファウルを避けるために安全策を取り、踏み切り板にはつま先が少しかかった程度。大記録を狙うための試技ではなかったはずだが、最後のジャンプが大きく伸び、15mを大きく超えた。
審判員が慎重に計測をするなか、発表された数字は15m50(+0.9)。クラヴェツは控えめに拍手をして喜んだ。
この記録はユリマール・ロハス(ベネズエラ)が2021年に15m67をマークするまで、約26年も更新されなかった。
女子400mハードルでは米国のキム・バッテンとトーニャ・ビュフォードが激しい争いを展開。バッテンが52秒61、ビュフォードが52秒62で、ともに前回大会でサリー・ガネル(英国)がマークした52秒74の世界記録を上回った。
レースは2人がほぼ並ぶ展開が続く。最後の10台目を飛び越えてからも激しいデッドヒートが繰り広げられたが、バッテンがわずかに先着して金メダルを獲得した。
男子1500mではヌールディン・モルセリ(アルジェリア)が3分33秒73で3連覇を達成。同年7月に3分27秒37の世界新記録をマークしているモルセリは残り1周で強烈なスパートを炸裂させ、格の違いを見せつけた。
開催国のスウェーデンはメダルを獲得することができず、開催国がメダルを獲得できなかったのは初めてのことだった。
山崎が400mHで初のファイナル
日本からは男子21選手、女子9選手が出場。3種目で入賞している。前回のシュツットガルト大会ではマラソンでの活躍が目立ったが、今回はトラック種目での健闘が目立った。
男子400mハードルでは山崎一彦(アディダスTC)がこの種目で初の決勝進出を果たし、7位となった。

男子400mHで日本初のファイナリストとなった山崎一彦
苅部俊二(富士通)や齋藤嘉彦(東和銀行)と”最強世代”の1人だった山崎。前半から攻める山崎のレーススタイルがこの大会で実を結ぶ。
予選では48秒37のアジア新記録を樹立。準決勝は48秒64の組3着で決勝進出を決めた。スプリント種目で決勝に進んだのは1991年東京大会の高野進(東海大AC)以来である。
決勝では世界トップレベルの壁に跳ね返され、タイムも49秒22と予選、準決勝より落としたものの、その実績と積極的なスタイルは、後に2001年エドモントン大会で銅メダルを獲得することになる為末大(法大)の活躍をはじめとする日本伝統のヨンパーへとつながっていく。
今大会で日本はメダル獲得こそならなかったが、4×100mリレー(鈴木久嗣・伊東浩司・井上悟・伊藤喜剛)は39秒33で5位入賞。トラック種目での過去最高順位を更新した。
さらに女子10000mでは鈴木博美(リクルート)が31分54秒01で8位。長距離トラック種目で初入賞を果たしている。
エドワーズが三段跳で圧巻の世界新
男子三段跳では人類初の18mジャンプが生まれた。ジョナサン・エドワーズ(英国)が1回目に18m16、2回目に18m29と立て続けに世界新記録をマークして金メダルに輝いた。 前回大会は銅メダルだったエドワーズは20日前に17m98の世界新記録を樹立。追い風2.4mで18m43を跳んだこともあり、人類初の公認18m台の期待が高まっていた。 エドワーズは1回目からその期待に応えてみせる。ホップ、ステップ、ジャンプから着地までまったく無駄のない跳躍を披露。着地をした瞬間に18m超えを確信し、両手を上げて喜んだ。記録は18m16(+1.3)。ついに18mの壁が破られた。 これで勢いに乗ったエドワーズは2回目でさらに大ジャンプ。18mを大きく超える地点で着地し、18m29(+1.3)とさらに世界記録を更新。記録が発表されたあとは、地面にキスをして喜んだ。 エドワーズの後にも18m台を記録した選手は7人いるが、30年経った今も世界記録は破られていない。まさに異次元の世界新記録だった。 三段跳は女子でも世界記録が誕生。イネッサ・クラヴェツ(ウクライナ)が従来の世界記録を41cmも上回る15m50をマークして金メダルを獲得した。 1993年の世界室内選手権で優勝するなど、優勝候補に挙げられていたクラヴェツだが、1回目と2回目はファウル。3回目で上位8人に入れなければ4回目以降に進めないため、早くも窮地に立たされた。 その状況でクラヴェツは奇跡を起こす。ファウルを避けるために安全策を取り、踏み切り板にはつま先が少しかかった程度。大記録を狙うための試技ではなかったはずだが、最後のジャンプが大きく伸び、15mを大きく超えた。 審判員が慎重に計測をするなか、発表された数字は15m50(+0.9)。クラヴェツは控えめに拍手をして喜んだ。 この記録はユリマール・ロハス(ベネズエラ)が2021年に15m67をマークするまで、約26年も更新されなかった。 女子400mハードルでは米国のキム・バッテンとトーニャ・ビュフォードが激しい争いを展開。バッテンが52秒61、ビュフォードが52秒62で、ともに前回大会でサリー・ガネル(英国)がマークした52秒74の世界記録を上回った。 レースは2人がほぼ並ぶ展開が続く。最後の10台目を飛び越えてからも激しいデッドヒートが繰り広げられたが、バッテンがわずかに先着して金メダルを獲得した。 男子1500mではヌールディン・モルセリ(アルジェリア)が3分33秒73で3連覇を達成。同年7月に3分27秒37の世界新記録をマークしているモルセリは残り1周で強烈なスパートを炸裂させ、格の違いを見せつけた。 開催国のスウェーデンはメダルを獲得することができず、開催国がメダルを獲得できなかったのは初めてのことだった。山崎が400mHで初のファイナル
日本からは男子21選手、女子9選手が出場。3種目で入賞している。前回のシュツットガルト大会ではマラソンでの活躍が目立ったが、今回はトラック種目での健闘が目立った。 男子400mハードルでは山崎一彦(アディダスTC)がこの種目で初の決勝進出を果たし、7位となった。 [caption id="attachment_167386" align="alignnone" width="800"]
男子400mHで日本初のファイナリストとなった山崎一彦[/caption]
苅部俊二(富士通)や齋藤嘉彦(東和銀行)と”最強世代”の1人だった山崎。前半から攻める山崎のレーススタイルがこの大会で実を結ぶ。
予選では48秒37のアジア新記録を樹立。準決勝は48秒64の組3着で決勝進出を決めた。スプリント種目で決勝に進んだのは1991年東京大会の高野進(東海大AC)以来である。
決勝では世界トップレベルの壁に跳ね返され、タイムも49秒22と予選、準決勝より落としたものの、その実績と積極的なスタイルは、後に2001年エドモントン大会で銅メダルを獲得することになる為末大(法大)の活躍をはじめとする日本伝統のヨンパーへとつながっていく。
今大会で日本はメダル獲得こそならなかったが、4×100mリレー(鈴木久嗣・伊東浩司・井上悟・伊藤喜剛)は39秒33で5位入賞。トラック種目での過去最高順位を更新した。
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