2025.04.23

4月上旬、フランス・パリでランニングブランド「KIPRUN(キプラン)」の新作シューズ発表イベントが行われた。KIPRUNとして過去最大となったイベントでは、カーボンプレート搭載のシューズについての説明が行われただけでなく、KIPRUNと契約しているアスリートたちのトークセッションも盛り上がりを見せた。イベント後には、ケニア生まれの米国人ランナーのポール・チェリモへのインタビューが実現。五輪で2度メダルを獲得しているチェリモに、マラソンへの思いなどを聞いた
チェリモは現在34歳。20歳の時に大学入学のために渡米し、全米学生選手権でも上位入賞を果たすなど、結果を残している。大学卒業後には米国陸軍に入隊し、のちに市民権を取得して、以降は米国を拠点に活動を続けている。
16年の米国五輪選考会5000mで3位となり代表入りを決めると、リオ五輪では優勝したM.ファラー(英国)とわずか0.60秒差の13分03秒90で銀メダルを獲得。米国勢としてはこの種目で52年ぶりのメダルで、世界のトップランナーの仲間入りを果たす。
翌年のロンドン世界選手権や21年東京五輪でも5000mで銅メダルに輝いたチェリモ。23年以降はロードに主軸を移している。
――今はどういった目的を持ってトレーニングをしていますか
チェリモ トラックについてはもう去るべき時期が来たと思っていて、マラソンを含めたロードに挑戦している。これまで2度マラソンを走っているが、僕はまだマラソン界では赤ちゃんのような存在。まずはハイハイからスタートして、自らの脚で歩けるようになるま成長していかないといけない。
――マラソンがこれからのメインとなる?
チェリモ そうですね。これからはもっと距離を積んでいかないといけない。次の目標は5月3日にある米国5kmロード選手権で、そこで世界ロードランニング選手権の代表に選ばれることだけど、その後にはマラソンにも移行するつもり。2時間5分を切って、4分台を目指したい。同時に20年以上も破られていない米国記録(2時間5分38秒)も更新したいんだ。
――マラソンで成功するために必要なものは
チェリモ スピードに対していかに耐えられるかだと思う。僕は5kmからアプローチしていくが、5kmのスピードを長く維持するくことが非常に重要になっていく。僕はマラソンという種目に対してリスペクトをもってトレーニングを重ねているが、その中でシューズ面でのサポートも大きい。僕が履いているシューズはクッション性があり、エネルギー効率もすごく良いものだと感じている。

女子マラソンのフランス記録保持者・ロラン(左)とイベントに参加したチェリモ(中央)
――シューズに求めているものなどはありますか
チェリモ 例えば、女性がパーティーに参加する際に綺麗なドレスを着て、いろんなひとから羨望の眼差しを受けて自信をつけるということがあると思います。僕にとってはレースに参加することに同じ感覚を持っていて、デザイン性のある、かっこいいシューズを履いて自分自身の気持ちを高めていくことが大切だと思っている。KIPRUNのシューズも性能面、デザイン面でしっかり融合しているシューズでとても気に入っているんだ。
――いつか日本でもあなたの走りが見たいです
チェリモ 21年の五輪で東京に行ったときは、本当に素晴らしい場所だと感じました。9月の世界選手権に出る予定がなくてみんなに走る姿を見せられないのは残念だけど、いつか東京マラソンにも出たいと思っているよ。

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.04.30
【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」
-
2025.04.30
-
2025.04.30
-
2025.04.30
-
2025.04.30
-
2025.04.30
2025.04.29
100mH田中佑美が予選トップ通過も決勝棄権「故障ではない」昨年の結婚も明かす/織田記念
-
2025.04.28
-
2025.04.26
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.04.01
-
2025.04.12
-
2025.04.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.04.30
【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」
山梨学大の上田誠仁顧問の月陸Online特別連載コラム。これまでの経験や感じたこと、想いなど、心のままに綴っていただきます! 第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」 昨年は記念大会となる第100回箱根駅伝が開催され […]
2025.04.30
【高校生FOCUS】男子競歩・山田大智(西脇工高)インターハイで昨夏の雪辱誓う 高校記録更新にも挑戦
FOCUS! 高校生INTERVIEW 山田大智 Yamada Daichi 西脇工高3兵庫 2025年シーズンが本格的に始まり、高校陸上界では記録会、競技会が次々と開かれています。その中で好記録も生まれており、男子50 […]
2025.04.30
5.3静岡国際、パリ五輪代表の坂井隆一郎、200m世界陸上標準突破の水久保漱至らが欠場
5月3日に行われる静岡国際のエントリーリストが更新され、現時点で欠場届を提出した選手が判明した。 男子100mはパリ五輪代表の坂井隆一郎(大阪ガス)が欠場。坂井は4月13日の出雲陸上で脚を痛め、29日の織田記念の出場も見 […]
2025.04.30
26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得
世界陸連(WA)は4月29日、2026年に新設する「世界陸上アルティメット選手権」の大会500日前を受け、昨年のパリ五輪の金メダリストに出場資格を与えることを発表した。女子やり投で金メダルを獲得した北口榛花(JAL)も含 […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)