HOME 国内、世界陸上、日本代表
小林香菜「楽しかったと思えるようなレースを」23年MGCでの“想像”を実現させ、東京世界陸上へ
小林香菜「楽しかったと思えるようなレースを」23年MGCでの“想像”を実現させ、東京世界陸上へ

東京世界陸上マラソン代表の小林香菜

ジャパンマラソンチャンピオンシップ(JMC)シリーズ・シリーズⅣアワードが3月27日に都内で開かれ、表彰式後の第2部で東京世界陸上代表内定者の記者会見が行われた。

男子は吉田祐也(GMOインターネットグループ)と近藤亮太(三菱重工)、女子は安藤友香(しまむら)と小林香菜(大塚製薬)が登壇(佐藤早也伽/積水化学は欠席)。それぞれ、大会に向けての思いを語った。

1月の大阪国際で2時間21分19秒の日本人トップ(2位)と大躍進を遂げた小林。早大4年だった23年10月のパリ五輪選考レース・マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の開催前に、28年ロサンゼルス五輪の選考レースを想像して「同じようにMGCが開かれたら自分はそこで代表権を争って走ることができているのかと考えながら、1人でコース付近をジョグしていた」と言う。

広告の下にコンテンツが続きます

それから2年。日本代表ジャージに袖を通して会見の場に臨み、「まさか自分がその日本代表のユニフォームを着て走ることができるなんて、本当に信じられない思いでうれしく思っています」と笑顔で話す。

群馬・前橋三中時代にジュニア五輪3000m10位の実績はあるが、埼玉・早大本庄高ではケガに悩まされた。大学ではランニングサークルに所属して、本格的な競技からは一度距離を置いている。それでも、マラソンで実績を残し、実業団への道を切り拓いてからは、一気に日本代表へと駆け上がった。

その下地にあるのが、走ることが好きで「継続してコツコツと」やり続けられること。大阪国際後は休養を挟みつつも、「走るところがたくさんあって、好きなように走っていた」奄美大島合宿などを含めて、「振り返ってみればという感じで1000kmは走っていました」。これからはそこに、暑熱対策をはじめとした世界大会に向けた取り組みを上乗せしていく。

「東京へのポイントは、やはり暑さです。まだまだ暑さに弱いので。それから、今までのレースはペースメーカーがいてくださって、その中でタイムを狙う形。でも、今回は戦う場なので、ペース変動にも対応していくことが大切かなと思っています」

1年で劇的に立場が変わったが、世界を目指す強い意志が芽生えたからこそ実業団入りを決意し、自ら売り込みをした。「世界のトップランナーの方々と一緒に戦える貴重な機会」に向け、「課題はたくさんあるので、残りの期間で強くなって、終わった後に楽しかったと思えるようなレースがしたい」。その先に、さらなる世界が広がっているはずだ。

東京世界選手権は9月13日~21日、東京・国立競技場で開催される。マラソンンは大会2日目の9月14日に女子、3日目の9月15日に男子が、それぞれ午前8時スタートで行われる。

ジャパンマラソンチャンピオンシップ(JMC)シリーズ・シリーズⅣアワードが3月27日に都内で開かれ、表彰式後の第2部で東京世界陸上代表内定者の記者会見が行われた。 男子は吉田祐也(GMOインターネットグループ)と近藤亮太(三菱重工)、女子は安藤友香(しまむら)と小林香菜(大塚製薬)が登壇(佐藤早也伽/積水化学は欠席)。それぞれ、大会に向けての思いを語った。 1月の大阪国際で2時間21分19秒の日本人トップ(2位)と大躍進を遂げた小林。早大4年だった23年10月のパリ五輪選考レース・マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の開催前に、28年ロサンゼルス五輪の選考レースを想像して「同じようにMGCが開かれたら自分はそこで代表権を争って走ることができているのかと考えながら、1人でコース付近をジョグしていた」と言う。 それから2年。日本代表ジャージに袖を通して会見の場に臨み、「まさか自分がその日本代表のユニフォームを着て走ることができるなんて、本当に信じられない思いでうれしく思っています」と笑顔で話す。 群馬・前橋三中時代にジュニア五輪3000m10位の実績はあるが、埼玉・早大本庄高ではケガに悩まされた。大学ではランニングサークルに所属して、本格的な競技からは一度距離を置いている。それでも、マラソンで実績を残し、実業団への道を切り拓いてからは、一気に日本代表へと駆け上がった。 その下地にあるのが、走ることが好きで「継続してコツコツと」やり続けられること。大阪国際後は休養を挟みつつも、「走るところがたくさんあって、好きなように走っていた」奄美大島合宿などを含めて、「振り返ってみればという感じで1000kmは走っていました」。これからはそこに、暑熱対策をはじめとした世界大会に向けた取り組みを上乗せしていく。 「東京へのポイントは、やはり暑さです。まだまだ暑さに弱いので。それから、今までのレースはペースメーカーがいてくださって、その中でタイムを狙う形。でも、今回は戦う場なので、ペース変動にも対応していくことが大切かなと思っています」 1年で劇的に立場が変わったが、世界を目指す強い意志が芽生えたからこそ実業団入りを決意し、自ら売り込みをした。「世界のトップランナーの方々と一緒に戦える貴重な機会」に向け、「課題はたくさんあるので、残りの期間で強くなって、終わった後に楽しかったと思えるようなレースがしたい」。その先に、さらなる世界が広がっているはずだ。 東京世界選手権は9月13日~21日、東京・国立競技場で開催される。マラソンンは大会2日目の9月14日に女子、3日目の9月15日に男子が、それぞれ午前8時スタートで行われる。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.10.30

来年の日本選手権1万mは12月開催 会場は東京・世田谷区総合運動場 翌27年は北京世界陸上

日本陸連は10月30日、来年(2026年)の第110回日本選手権10000mを12月5日、東京・世田谷区立総合運動場陸上競技場で開催すると発表した。同競技場では初めて。 これまで日本選手権10000mはヤンマースタジアム […]

NEWS 福島は船引が男女ともにV 前回女子2位の大沢野も全国へ 小浜二が22年ぶりの全国切符/中学駅伝

2025.10.30

福島は船引が男女ともにV 前回女子2位の大沢野も全国へ 小浜二が22年ぶりの全国切符/中学駅伝

12月14日に行われる第33回全国中学校駅伝の出場権を懸けた都道府県予選が各地で開催されている。10月30日までに11道県で代表チームが決まった。 福島県は船引が男女そろって優勝を果たした。男子は1区8位から徐々に順位を […]

NEWS 「STEP SPORTS RUN CITY -OSAKA-」が11月1日にオープン!

2025.10.30

「STEP SPORTS RUN CITY -OSAKA-」が11月1日にオープン!

陸上競技用スパイクやシューズ、ウェアの販売でおなじみの「SteP SPORTS(ステップスポーツ)」では、11月1日に「STEP SPORTS RUN CITY -OSAKA-」を新しくオープンする。 新店舗はこれまでと […]

NEWS 秋田で開催予定の東北高校駅伝 クマ出没のためトラックレースに変更

2025.10.29

秋田で開催予定の東北高校駅伝 クマ出没のためトラックレースに変更

10月29日、秋田陸協ならびに東北高体連陸上競技専門部は、11月6日に開催予定の東北高校駅伝をトラックレース形式で実施すると発表した。駅伝コースの近辺でクマの目撃が相次いでいるための措置としている。 東北高校駅伝は東北6 […]

NEWS 田中希実がホノルルマラソンの1マイルに3年連続出場へ!前回上位占めたライバルたちと再戦

2025.10.29

田中希実がホノルルマラソンの1マイルに3年連続出場へ!前回上位占めたライバルたちと再戦

「ホノルルマラソン2025」の前日に開催される1マイルレース「カラカウアメリーマイル」に、東京世界選手権代表の田中希実(New Balance)がエントリーしたことがわかった。これで3年連続となる。 同レースはハワイ・ワ […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年11月号 (10月14日発売)

2025年11月号 (10月14日発売)

東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望

page top