2024.12.25
新春の風物詩・第101回箱根駅伝に挑む出場全21チームの選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。新たな100年への第一歩を踏み出す大会に向かうそれぞれの歩みを紹介する。
2度目の箱根は一人で過ごした
第100回箱根駅伝、日体大は1区で出遅れる厳しい展開となった。そんな苦しむチームの姿を、山崎丞(現・3年)はただ一人とある場所でテレビ観戦していた。
「大会1週間前にインフルエンザに感染してしまって、大学のゲストハウスに隔離されていました。もちろん走れなかったことは悔しかったですし、当日は会場に行けず、走っている選手を給水などでサポートすることもできずにもどかしい気持ちというか、絶望感みたいなものを感じていました」
昨年度は山崎にとって、試練の1年だった。夏合宿で右脚の腸脛靭帯を痛めて長期離脱があり、万全な状態ではない中で挑んだ前回の箱根予選会では、チーム3番手の個人80位と健闘したものの、その後は同じ部位の痛みを何度も繰り返した。
それでも、本戦にはなんとか間に合わせようと取り組んできたが、最後は思わぬかたちで欠場を強いられた。「前回はチームにまったく貢献することができませんでしたので、今回こそはという思いは強かったですね」。
今季は「昨年度思うように走り込めなかったぶん、もう一度土台をしっかり作ることを意識しました」と話す。レースを6月の全日本大学駅伝関東地区選考会や、7月のホクレンディスタンスチャレンジなど、重要なものに絞った。
トレーニングに重きを置いてきた結果、昨年離脱した夏合宿も「今年は100%消化することができました」と順調ぶりを示す。
特にその成果を発揮したのが、10月の箱根駅伝予選会だ。毎年、集団走を基本の作戦とする日体大だが、季節外れの酷暑。さらには継続中では最多となる77年連続出場が懸かる重圧もあってか、序盤から集団走が崩れだす想定外の展開となる。
自らも集団走でレースを進めていた山崎は、「全体的に思うような走りができていないと感じたので、自分は集団から抜け出して、タイムを稼ぎに行くしかないと思いました」と判断。7km手前からペースアップした。
「集団から抜け出してからのほうが、動きがハマった感じがあって、走りのリズムも良かったです」と振り返るように、5km15分10秒、10㎞30分20秒のイーブンペースから、10㎞から15㎞を15分03秒までラップを上げる。
さらに多くの選手が暑さでペースを落とす終盤も、「暑さとかコンディションが悪いほうが力を発揮できるタイプ」。そう自己分析する山崎は、15kmから20kmを、日本人トップを占めた中央学大の吉田礼志(4年)を1秒上回るラップを刻んだ。チームトップの個人16位(日本人4位)に入る快走を見せた。
2度目の箱根は一人で過ごした
第100回箱根駅伝、日体大は1区で出遅れる厳しい展開となった。そんな苦しむチームの姿を、山崎丞(現・3年)はただ一人とある場所でテレビ観戦していた。「大会1週間前にインフルエンザに感染してしまって、大学のゲストハウスに隔離されていました。もちろん走れなかったことは悔しかったですし、当日は会場に行けず、走っている選手を給水などでサポートすることもできずにもどかしい気持ちというか、絶望感みたいなものを感じていました」昨年度は山崎にとって、試練の1年だった。夏合宿で右脚の腸脛靭帯を痛めて長期離脱があり、万全な状態ではない中で挑んだ前回の箱根予選会では、チーム3番手の個人80位と健闘したものの、その後は同じ部位の痛みを何度も繰り返した。それでも、本戦にはなんとか間に合わせようと取り組んできたが、最後は思わぬかたちで欠場を強いられた。「前回はチームにまったく貢献することができませんでしたので、今回こそはという思いは強かったですね」。今季は「昨年度思うように走り込めなかったぶん、もう一度土台をしっかり作ることを意識しました」と話す。レースを6月の全日本大学駅伝関東地区選考会や、7月のホクレンディスタンスチャレンジなど、重要なものに絞った。トレーニングに重きを置いてきた結果、昨年離脱した夏合宿も「今年は100%消化することができました」と順調ぶりを示す。特にその成果を発揮したのが、10月の箱根駅伝予選会だ。毎年、集団走を基本の作戦とする日体大だが、季節外れの酷暑。さらには継続中では最多となる77年連続出場が懸かる重圧もあってか、序盤から集団走が崩れだす想定外の展開となる。自らも集団走でレースを進めていた山崎は、「全体的に思うような走りができていないと感じたので、自分は集団から抜け出して、タイムを稼ぎに行くしかないと思いました」と判断。7km手前からペースアップした。「集団から抜け出してからのほうが、動きがハマった感じがあって、走りのリズムも良かったです」と振り返るように、5km15分10秒、10㎞30分20秒のイーブンペースから、10㎞から15㎞を15分03秒までラップを上げる。さらに多くの選手が暑さでペースを落とす終盤も、「暑さとかコンディションが悪いほうが力を発揮できるタイプ」。そう自己分析する山崎は、15kmから20kmを、日本人トップを占めた中央学大の吉田礼志(4年)を1秒上回るラップを刻んだ。チームトップの個人16位(日本人4位)に入る快走を見せた。エースとしての走りを
さらに11月の全日本大学駅伝では、各校からエース級のスピードランナーがそろった2区で区間8位。首位でタスキを受けた順位を7つ落とす結果とはなったが、シード権が与えらえる8位に踏みとどまった。「後ろから強いメンバーが来ることは想定できていました。気持ちを乱さずに自分のペースでしっかり刻むことができたと思うので、最低限の走りはできました」。3位までとは30秒差以内に抑える粘りによって、チームが終盤までシード争いを演じる要因となったことは間違いない。12月1日の日体大長距離競技会10000mで、28分19秒33の自己新をマークし、状態も上向き。今回の箱根は2年分の想いをぶつける舞台となる。新潟県糸魚川市出身。「地元は起伏が多くて、自然とアップダウンを走っていたので上りは得意」ということもあり、前回は5区出走を予定していた。だが、今回は「他に5区を任せられる選手もいます。今季はしっかり練習が積めているので、2区を走りたいと思っています。2区で他大学のエースと戦えるのは自分しかないという自信もあります」と力強い。序盤からある程度速いペースで入りつつ、中盤に権太坂、そして終盤に「戸塚の壁」と呼ばれる急坂がある難コースも、「自分に向いている」と捉えている。「全日本も最初の1kmを2分42秒で入りました。同じような展開で入っていきつつ、余力を持って最後の上りで潰れずに、そこで1人でも抜いていく走りをイメージしています。どんな展開でも状況を読み取って、最適な走りをする判断はできるほうだと思っています」チームは7年ぶりのシード権獲得にとどまらず、「総合6位」を目標に置く。そのためには山崎の“エース”としての走りが欠かせない。[caption id="attachment_123595" align="alignnone" width="800"]
10月の箱根駅伝予選会では個人16位と好走した山崎丞[/caption]やまざき・たすく/2003年4月29日生まれ。新潟県糸魚川市出身。新潟・糸魚川中→新潟・中越高。5000m13分52秒09、10000m28分19秒33、ハーフ1時間2分06秒文/田中 葵RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2026.10.11
田邉奨が800m日本歴代4位の1分44秒98!日本人4人目の1分45秒切りを達成
2026.10.11
2026.10.11
2026.10.08
走高跳・髙橋渚がデサントとアドバイザリー契約「ともにさらなる高みを目指し、挑戦を続ける」
2026.10.05
ロサンゼルス五輪マラソン代表懸けたMGCのコース発表!名古屋城、テレビ塔をめぐるコースに
2026.10.08
走高跳・髙橋渚がデサントとアドバイザリー契約「ともにさらなる高みを目指し、挑戦を続ける」
2026.10.05
ロサンゼルス五輪マラソン代表懸けたMGCのコース発表!名古屋城、テレビ塔をめぐるコースに
2026.09.18
Latest articles 最新の記事
2026.10.11
走幅跳・山浦渓斗が1年3ヵ月ぶり復帰戦V!大ケガで東京世界陸上出場逃してから再起へ「ただいま!」
昨年の日本選手権男子走幅跳覇者の山浦渓斗(勝浦ゴルフ倶楽部)が10月11日、長野オータム・トライアル2026に出場し、7m53(+1.3)で1位となった。 3回試技の競技会で、山浦のシリーズは7m47(-0.3)、7m4 […]
2026.10.11
田邉奨が800m日本歴代4位の1分44秒98!日本人4人目の1分45秒切りを達成
日大競技会が10月11日、東京都世田谷区の日本大学陸上競技場で行われ、男子800mで田邉奨(中大)が日本歴代4位の1分44秒98をマークした。 田邉のこれまでの自己ベストは9月末の日体大長距離競技会NCGで出した学生歴代 […]
2026.10.11
市柏高が女子4×100m高校歴代2位!44秒台に迫る45秒06で3位 男子4継で洛南4位/日本選手権リレー
◇第110回日本選手権リレー(10月10、11日/東京・国立競技場)2日目 リレー日本一を懸けた第110回日本選手権リレーの2日目に女子4×100mリレー決勝が行われ、福岡大が44秒19で2連覇を飾った。 広告の下にコン […]
2026.10.11
七種・田中友梨がアジア女王としての初戦快勝!サードベスト5830点をマーク
「10&7 Championships YAMAGATA2026」が10月10日~11日、山形市のネッツえがおフィールドで行われ、女子七種競技はアジア大会金メダルの田中友梨(スズキ)がサードベストの5830点で優勝した。 […]
Latest Issue
最新号

2026年10月号 (9月14日発売)
アジア大会総展望
山口全中&日本インカレ
サウェ特集

