2024.12.20
新春の風物詩・第101回箱根駅伝に挑む出場全21チームの選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。新たな100年への第一歩を踏み出す大会に向かうそれぞれの歩みを紹介する。
あこがれの先輩の影響で箱根目指す
10月の箱根駅伝予選会で2位に入り、2年ぶりの本戦出場を決めた専大。16人のエントリー選手のうち、半数以上の9人を1、2年生の下級生が占める布陣となったが、そのなかで留学生のダンカン・マイナ(1年)とともに、チームの主力となるのが上山詩樹(2年)だ。
滋賀県出身で、小学校時代はサッカー少年だった上山。「試合はほとんどベンチでしたが、練習で良く走らされていました。それが楽しかった」と振り返る。
一見きつそうなエピソードが、上山を陸上の世界に引き込んでいく。マラソン大会などにも参加し、「走ることに得意意識もありましたね」と自信があったことも振り返る。
その後、中学から本格的に陸上を始めると、高校は地元を離れ、福井県の敦賀気比高へ進学。高校2、3年時は全国高校駅伝に出場を果たし、少しずつ箱根駅伝への想いを募らせていった。
「高校2年の都大路が終わったあたりで、大学で続けるかどうかという話が出始めて、やるからには関東の大学で箱根駅伝を目指したいと思うようになっていきました」
さらに、1学年上だった斎藤将也(現・城西大)の存在が、上山の陸上人生をさらに大きく動かしていった。
「当時の自分は箱根駅伝をあまり意識したことはなかったんですけど、斎藤さんは大学や実業団で競技をしていくことを考えていて、陸上や将来に対する考え方がすごかった。その影響が大きかったですね」
そして、上山は箱根駅伝を目指し、専大のユニフォームに袖を通すこととなった。
だが、高校3年の冬から膝とアキレス腱に痛みを抱え、完治しないまま入寮。大学生活のスタートで序盤は大きく出遅れることになる。10月の箱根駅伝予選会も出場できず、チームも18位と本戦出場を逃した。「箱根を走れることは当たり前ではないんだなと感じました」と振り返る。
それでも、「故障している時もスタッフと話し合いながら、ある程度自由にやらせてもらえたことが、復帰してからうまくいっていると思いますし、決して無駄ではなかった」とポジティブに捉える。
あこがれの先輩の影響で箱根目指す
10月の箱根駅伝予選会で2位に入り、2年ぶりの本戦出場を決めた専大。16人のエントリー選手のうち、半数以上の9人を1、2年生の下級生が占める布陣となったが、そのなかで留学生のダンカン・マイナ(1年)とともに、チームの主力となるのが上山詩樹(2年)だ。 滋賀県出身で、小学校時代はサッカー少年だった上山。「試合はほとんどベンチでしたが、練習で良く走らされていました。それが楽しかった」と振り返る。 一見きつそうなエピソードが、上山を陸上の世界に引き込んでいく。マラソン大会などにも参加し、「走ることに得意意識もありましたね」と自信があったことも振り返る。 その後、中学から本格的に陸上を始めると、高校は地元を離れ、福井県の敦賀気比高へ進学。高校2、3年時は全国高校駅伝に出場を果たし、少しずつ箱根駅伝への想いを募らせていった。 「高校2年の都大路が終わったあたりで、大学で続けるかどうかという話が出始めて、やるからには関東の大学で箱根駅伝を目指したいと思うようになっていきました」 さらに、1学年上だった斎藤将也(現・城西大)の存在が、上山の陸上人生をさらに大きく動かしていった。 「当時の自分は箱根駅伝をあまり意識したことはなかったんですけど、斎藤さんは大学や実業団で競技をしていくことを考えていて、陸上や将来に対する考え方がすごかった。その影響が大きかったですね」 そして、上山は箱根駅伝を目指し、専大のユニフォームに袖を通すこととなった。 だが、高校3年の冬から膝とアキレス腱に痛みを抱え、完治しないまま入寮。大学生活のスタートで序盤は大きく出遅れることになる。10月の箱根駅伝予選会も出場できず、チームも18位と本戦出場を逃した。「箱根を走れることは当たり前ではないんだなと感じました」と振り返る。 それでも、「故障している時もスタッフと話し合いながら、ある程度自由にやらせてもらえたことが、復帰してからうまくいっていると思いますし、決して無駄ではなかった」とポジティブに捉える。部内のライバルとエースへの思い
昨年12月の世田谷記録会10000mで28分台に迫る29分09秒54をマーク。さらに1月にはハーフマラソンで1時間3分09秒と好走する。 今季のトラックシーズンでは、春から走り込みを重視するロード型の強化プランに舵を切ったチームにあって、5月の関東インカレ2部5000mに出場。その予選で14分05秒80の自己新を出し、決勝進出を果たした(決勝は20位)。 「(箱根駅伝の)シード校のトップクラス選手には正直歯が立たないなと感じましたが、そういう舞台で走れたことが刺激的でした」と上山。さらに高みを目指す価値ある経験となった。 そして、箱根予選会ではチームの日本人エース格の新井友裕(3年)とともにフリー走の役割を任せられ、目標に掲げた「個人30位以内」を達成(26位)。本戦出場に大きく貢献し、「序盤はしっかり耐えて、後半上げていくイメージ通りの走りができました」と手応えを感じている。 「チームのエースになりたい」。そんな強い想いを抱く上山が、チーム内で意識する存在が2人いる。1人は予選会で10秒先着を許し、「勝てそうな勝てない相手」という新井だ。 「チームメイトとしては誰よりも信頼できる選手です。だからこそエースになるために勝ちたいです」 そして、もう1人が留学生のマイナ。「まだ一緒に練習できるレベルではなく、別世界の選手と見てしまっています」と言う。 だがエースを目指すには、最も身近にいる目指すべき指針となる存在。「今は別メニューですけど、駅伝で他校のエースと戦えるようになるためには、目標としていかないといけません。指導陣の信頼を得て、一緒に練習させてもらえるようになりたいです」と、その背中を追う。 2年生ながら、チームには欠かせない存在であり、本戦では主要区間を任されるはず。自身の持ち味を踏まえて、1区を熱望する。「1番目立つ区間ですし、一斉スタートからしっかり食らいついて勝負するのが得意。チームとしても重要な区間なので、上位でつなぐことを意識しています」。 思い描く理想の走りをしてチームに勢いをつけること。それが初の箱根路で、エースへの階段を駆け上がるための第一歩になると信じている。 [caption id="attachment_123595" align="alignnone" width="800"]
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