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2024.12.20

箱根駅伝Stories/「総合優勝」掲げる創価大 出雲、全日本4位からの逆襲「前半から攻める」
箱根駅伝Stories/「総合優勝」掲げる創価大 出雲、全日本4位からの逆襲「前半から攻める」

トレーニングを積む創価大

新春の風物詩・第101回箱根駅伝に挑む出場全21チームの選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。新たな100年への第一歩を踏み出す大会に向かうそれぞれの歩みを紹介する。

出雲、全日本でいずれも4位に食い込む

今季の出雲駅伝と全日本大学駅伝で3位までを占めた國學院大、駒大、青学大が優勝争いの中心になると予想される第101回箱根駅伝。その“3強”以外で明確に「総合優勝」を目標に掲げているのが創価大だ。

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3位以上を目指した出雲と全日本はいずれも4位で、目標達成とはならなかった。出雲は留学生のスティーブン・ムチーニ(2年)を故障で欠き、ベストなオーダーを組めなかったが、エースの吉田響(4年)が2区区間賞の快走。ルーキーの山口翔輝や急遽出走が決まった黒木陽向(3年)らの力走が大きな収穫となった。全日本は3人が区間2位、1人が区間3位と好走した一方、他の4人は区間8~12位とやや苦戦を強いられた。

榎木和貴監督は、そのあたりに3強との差を実感したという。

「走るべき選手やエース的な存在の選手は、ウチもしっかりと走れていましたが、3強はそれ以外の選手も確実に区間上位で走れていました。特に國學院さんは、前田康弘監督が自信を持っていたようにつなぎの区間で強かった印象です」

目標設定に違いがあったことも、勝敗を分けたと感じている。

「3強は優勝が目標だったので、何が何でも優勝を取りに行くんだと最後まで攻めていました。それに対し、3位以上が目標だった我々は、3番手あたりにいた時に守りに入ったというか、3位になればいいという気の緩みがあった。優勝を目指していれば、あの場面でも間違いなく攻めた走りしかできなかったはずです」

それでも両駅伝で一時トップに立ち、4位に食い込んだのだから、選手たちが「全員が役割を果たせば、もっとやれた」と考えるのも不思議ではない。自分たちが最高の走りをすれば、3強に近づける。いや、1区間約20kmで、10区間ある箱根ならば、3強に勝てる。そう信じて疑っていない。榎木監督もきっぱりと言い切る。

「箱根の目標は往路優勝しての総合優勝なので、前半から攻めていくしかありません。逃げ道を断つというか、退路を断ってスタートするつもりですから、出雲や全日本とは違った走りを見せられると思っています」

「迷ったら攻める」走りで勝負

駅伝シーズンを前に、チームで共有していた「レース中の判断で迷ったら攻める選択をしよう」というテーマは、榎木監督が指導者として以前から持っていた考えだったが、「今までのチームでは、それを求めることで無謀な走りになってしまう選手が多かった」(榎木監督)。それが、ここ数年で選手たちが着実に力をつけ、今年度就任した川嶋伸次総監督がより高いレベルを目指すことを意識づける中で、指揮官は「(攻めても)大きくは崩れないだろうという領域までチームが成長してきた」と感じ、「迷ったら攻める」ことに踏み切ったのだった。

ただ、吉田響はそういう指示がなくとも、どんなレースでも自ら「攻めの走り」を実行できる類まれな選手だ。5月の関東インカレ2部10000mでは、27分41秒52で2位を占めたムチーニには及ばなかったものの、28分12秒01の自己新で7位に。6月の函館マラソン・ハーフの部は1時間1分45秒の自己ベストで制した。果敢に前を行く走りは駅伝シーズンに入っても変わらなかった。

出雲について、吉田響は「自分のところで順位を1位まで押し上げて、そこから2位をできるだけ離すのが役割でした。向かい風だったので狙っていた区間記録には届きませんでしたが、自分がやるべき仕事はちゃんとできました」と胸を張る。

インタビューに応える吉田響

1秒差で2区区間賞を逃した全日本は、「最初の5kmを13分52、3秒で入って、10km通過が28分ちょうど。13分52秒で入ったなら、後半も同じくらいのタイムで通過したかった」と反省したが、序盤から7km以上を先頭で引っ張った積極性や、青学大の鶴川正也(4年)と最後まで繰り広げたデッドヒートは、榎木監督が描く「攻めの姿勢」そのものだった。

出雲で最長区間のアンカーを担った小暮栄輝(4年)も、「初駅伝でしたが、守りには入りたくないと。どの順位で渡されたとしても、前に人がいれば追いたいと思っていました」と攻撃的な意識を忘れなかった。結果的に3強の背中はまったく見えず、終始単独走という展開で、目標タイムにも届かなかったが、「やっと駅伝を走れることが本当にうれしかった。チームメイトも『小暮が走れる』と喜んでくれました」と、創価大で初めて仲間とたすきをつなげた喜びを自信に変え、全日本での1区3位発進という好走につなげた。

主将の吉田凌(4年)は、出雲では持ち味の粘り強い走りを見せたが、全日本では7区の長距離区間でやや精彩を欠いた。「笑顔で終えたい」と考える最後の箱根では、「長い距離の方が自分の力を一番発揮できる」と復路の9区を希望している。

「優勝を目標にしている以上、第一に先頭でもらう状況をイメージしています。単独走になれば、自分のリズムを刻んで後続を引き離すつもりですし、追いかける展開なら、より攻めの走りが大切になってくるので、多少速いペースで入っても後半まで粘って、1秒でも速く最終区間の選手にたすきを渡したいです」

5000m13分台が16人、10000m29分切りが19人という例年以上に分厚い戦力を誇る創価大。攻めの走りで3強や他のライバル校に挑み、箱根の頂点を本気で狙いにいく。

文/小野哲史

新春の風物詩・第101回箱根駅伝に挑む出場全21チームの選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。新たな100年への第一歩を踏み出す大会に向かうそれぞれの歩みを紹介する。

出雲、全日本でいずれも4位に食い込む

今季の出雲駅伝と全日本大学駅伝で3位までを占めた國學院大、駒大、青学大が優勝争いの中心になると予想される第101回箱根駅伝。その“3強”以外で明確に「総合優勝」を目標に掲げているのが創価大だ。 3位以上を目指した出雲と全日本はいずれも4位で、目標達成とはならなかった。出雲は留学生のスティーブン・ムチーニ(2年)を故障で欠き、ベストなオーダーを組めなかったが、エースの吉田響(4年)が2区区間賞の快走。ルーキーの山口翔輝や急遽出走が決まった黒木陽向(3年)らの力走が大きな収穫となった。全日本は3人が区間2位、1人が区間3位と好走した一方、他の4人は区間8~12位とやや苦戦を強いられた。 榎木和貴監督は、そのあたりに3強との差を実感したという。 「走るべき選手やエース的な存在の選手は、ウチもしっかりと走れていましたが、3強はそれ以外の選手も確実に区間上位で走れていました。特に國學院さんは、前田康弘監督が自信を持っていたようにつなぎの区間で強かった印象です」 目標設定に違いがあったことも、勝敗を分けたと感じている。 「3強は優勝が目標だったので、何が何でも優勝を取りに行くんだと最後まで攻めていました。それに対し、3位以上が目標だった我々は、3番手あたりにいた時に守りに入ったというか、3位になればいいという気の緩みがあった。優勝を目指していれば、あの場面でも間違いなく攻めた走りしかできなかったはずです」 それでも両駅伝で一時トップに立ち、4位に食い込んだのだから、選手たちが「全員が役割を果たせば、もっとやれた」と考えるのも不思議ではない。自分たちが最高の走りをすれば、3強に近づける。いや、1区間約20kmで、10区間ある箱根ならば、3強に勝てる。そう信じて疑っていない。榎木監督もきっぱりと言い切る。 「箱根の目標は往路優勝しての総合優勝なので、前半から攻めていくしかありません。逃げ道を断つというか、退路を断ってスタートするつもりですから、出雲や全日本とは違った走りを見せられると思っています」

「迷ったら攻める」走りで勝負

駅伝シーズンを前に、チームで共有していた「レース中の判断で迷ったら攻める選択をしよう」というテーマは、榎木監督が指導者として以前から持っていた考えだったが、「今までのチームでは、それを求めることで無謀な走りになってしまう選手が多かった」(榎木監督)。それが、ここ数年で選手たちが着実に力をつけ、今年度就任した川嶋伸次総監督がより高いレベルを目指すことを意識づける中で、指揮官は「(攻めても)大きくは崩れないだろうという領域までチームが成長してきた」と感じ、「迷ったら攻める」ことに踏み切ったのだった。 ただ、吉田響はそういう指示がなくとも、どんなレースでも自ら「攻めの走り」を実行できる類まれな選手だ。5月の関東インカレ2部10000mでは、27分41秒52で2位を占めたムチーニには及ばなかったものの、28分12秒01の自己新で7位に。6月の函館マラソン・ハーフの部は1時間1分45秒の自己ベストで制した。果敢に前を行く走りは駅伝シーズンに入っても変わらなかった。 出雲について、吉田響は「自分のところで順位を1位まで押し上げて、そこから2位をできるだけ離すのが役割でした。向かい風だったので狙っていた区間記録には届きませんでしたが、自分がやるべき仕事はちゃんとできました」と胸を張る。 [caption id="attachment_156002" align="alignnone" width="800"] インタビューに応える吉田響[/caption] 1秒差で2区区間賞を逃した全日本は、「最初の5kmを13分52、3秒で入って、10km通過が28分ちょうど。13分52秒で入ったなら、後半も同じくらいのタイムで通過したかった」と反省したが、序盤から7km以上を先頭で引っ張った積極性や、青学大の鶴川正也(4年)と最後まで繰り広げたデッドヒートは、榎木監督が描く「攻めの姿勢」そのものだった。 出雲で最長区間のアンカーを担った小暮栄輝(4年)も、「初駅伝でしたが、守りには入りたくないと。どの順位で渡されたとしても、前に人がいれば追いたいと思っていました」と攻撃的な意識を忘れなかった。結果的に3強の背中はまったく見えず、終始単独走という展開で、目標タイムにも届かなかったが、「やっと駅伝を走れることが本当にうれしかった。チームメイトも『小暮が走れる』と喜んでくれました」と、創価大で初めて仲間とたすきをつなげた喜びを自信に変え、全日本での1区3位発進という好走につなげた。 主将の吉田凌(4年)は、出雲では持ち味の粘り強い走りを見せたが、全日本では7区の長距離区間でやや精彩を欠いた。「笑顔で終えたい」と考える最後の箱根では、「長い距離の方が自分の力を一番発揮できる」と復路の9区を希望している。 「優勝を目標にしている以上、第一に先頭でもらう状況をイメージしています。単独走になれば、自分のリズムを刻んで後続を引き離すつもりですし、追いかける展開なら、より攻めの走りが大切になってくるので、多少速いペースで入っても後半まで粘って、1秒でも速く最終区間の選手にたすきを渡したいです」 5000m13分台が16人、10000m29分切りが19人という例年以上に分厚い戦力を誇る創価大。攻めの走りで3強や他のライバル校に挑み、箱根の頂点を本気で狙いにいく。 文/小野哲史

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