HOME ニュース、国内

2020.10.17

【短距離】400mH青木沙弥佳が現役引退 北京五輪マイル代表「最後までしっかり走り切れた」
【短距離】400mH青木沙弥佳が現役引退 北京五輪マイル代表「最後までしっかり走り切れた」


10月16日から18日まで開催されている日本選手権リレーで400m・400mハードルの青木沙弥佳(東邦銀行、33歳)が現役引退を発表した。

日本女子短距離界を引っ張ってきたスプリンターとの別れを惜しむかのように日産スタジアムには冷たい雨が降った。女子400mハードルで日本歴代3位となる55秒94を持つ青木沙弥佳(東邦銀行)の現役最後のレース。日本選手権リレー女子4×400mリレーの3走に登場した青木は、しっかりと武石この実にバトンをつないだ。レース後は引退セレモニーが行われ、吉田真希子コーチから花束が贈られた。

「寂しい気持ちもありつつ、ここで引退と決めて臨んで、力不足だったと思いますが、最後までしっかり走り切れて、気持ちよく終われます」というのが第一声。引退を決めた理由に「アキレス腱などの不調もありましたが、これという理由はありません」といいつつ、「(今年の)日本選手権が終わってから心残りがない、と決断しました」と話す。福島大の川本和久監督に報告した際は「選択を尊重するよ」と受け入れて「ありがたかったです」という。

青木は県岐阜商高から福島大へ進学し、ナチュリル、東邦銀行と所属。400mと400mハードルを中心に活躍し、高2で400mハードルを始めた。高校時代はインターハイ、国体で2位に入り、福島大に進学してからは川本監督の下で成長。大学3年時には2007年には400mでも53秒40(当時学生歴代2位)をマークし、日本選手権400mハードルで初優勝し、大阪世界選手権代表に選出された。大阪ではマイルメンバーの1走を務めて日本記録樹立に貢献している。

翌年は北京五輪にもマイルメンバーとして出場。400mハードルで自己ベストとなる55秒94をマークした。これは現在も学生記録として残る。09年ベルリン世界選手権には400mハードルに出場。15年北京世界選手権4×400mリレーではアンカーを務めて3分28秒91の日本記録を樹立した。2005年から18年度まで、実に14シーズン連続で58秒を切る安定感で日本女子スプリント界を牽引した。

思い出のレースは、07年の大阪世界選手権。マイルの1走を務め、「大きな声援を受けて、自分も主役になれるんだと思いました」と振り返り、「今でも忘れられません」と言う。個人よりも「対抗戦やチームで戦うのが好き」と話すように、「日本インカレや全日本実業団対抗で総合優勝を目指してチームで戦っていると、陸上をやってきてよかったと思えます」と青木。12年には地元・岐阜国体で総合優勝に貢献「あの時は人生で初めてガッツポーズしました」と照れた。重要な役割を果たしてきたリレーについても「リレーなら任せてください、という気持ちで、リレーの選手という気持ちでやってきた陸上人生」と胸を張る。日本選手権リレーを最後にスパイクを脱いだことも、「狙ったわけではなく、ここまでエントリーしていたので」と話すが、青木らしい最後。同じ400mハードル出身の吉田コーチは、「青木の走りが好きだったので、青木の走りが見られなくなるのは寂しいです。お疲れさまでしたと言いたい」と後輩の走りを目に焼きつけていた。

女子スプリント界の後輩たちに向けては、「タイムだけでなく、勝負所で強い選手になってほしいし、私もそれを目指してきました。そのためには、やはり海外での経験を積んでいかないくてはいけないと思います」と、数々の舞台を踏んできた経験からアドバイスを送る。なお、今後については「何も決まっていません」としつつ「何かしらこの業界に恩返しできれば」と明かした。

決して派手さはないが、どんなレースでも常に上位争いを繰り広げ、安定した走りを見せ、強さを求めてきた名スプリンターであり、名ハードラー。その想いのバトンは東邦銀行、そして女子スプリント界の後輩たちにしっかりとつながれた。

あおき・さやか/1986年12月15日生まれ。岐阜県出身。県岐阜商高→福島大卒→ナチュリル→東邦銀行。08年北京五輪、07・09・15年世界選手権代表。自己記録は400m53秒05(日本歴代6位)、400mハードル55秒94(日本歴代3位)。

10月16日から18日まで開催されている日本選手権リレーで400m・400mハードルの青木沙弥佳(東邦銀行、33歳)が現役引退を発表した。 日本女子短距離界を引っ張ってきたスプリンターとの別れを惜しむかのように日産スタジアムには冷たい雨が降った。女子400mハードルで日本歴代3位となる55秒94を持つ青木沙弥佳(東邦銀行)の現役最後のレース。日本選手権リレー女子4×400mリレーの3走に登場した青木は、しっかりと武石この実にバトンをつないだ。レース後は引退セレモニーが行われ、吉田真希子コーチから花束が贈られた。 「寂しい気持ちもありつつ、ここで引退と決めて臨んで、力不足だったと思いますが、最後までしっかり走り切れて、気持ちよく終われます」というのが第一声。引退を決めた理由に「アキレス腱などの不調もありましたが、これという理由はありません」といいつつ、「(今年の)日本選手権が終わってから心残りがない、と決断しました」と話す。福島大の川本和久監督に報告した際は「選択を尊重するよ」と受け入れて「ありがたかったです」という。 青木は県岐阜商高から福島大へ進学し、ナチュリル、東邦銀行と所属。400mと400mハードルを中心に活躍し、高2で400mハードルを始めた。高校時代はインターハイ、国体で2位に入り、福島大に進学してからは川本監督の下で成長。大学3年時には2007年には400mでも53秒40(当時学生歴代2位)をマークし、日本選手権400mハードルで初優勝し、大阪世界選手権代表に選出された。大阪ではマイルメンバーの1走を務めて日本記録樹立に貢献している。 翌年は北京五輪にもマイルメンバーとして出場。400mハードルで自己ベストとなる55秒94をマークした。これは現在も学生記録として残る。09年ベルリン世界選手権には400mハードルに出場。15年北京世界選手権4×400mリレーではアンカーを務めて3分28秒91の日本記録を樹立した。2005年から18年度まで、実に14シーズン連続で58秒を切る安定感で日本女子スプリント界を牽引した。 思い出のレースは、07年の大阪世界選手権。マイルの1走を務め、「大きな声援を受けて、自分も主役になれるんだと思いました」と振り返り、「今でも忘れられません」と言う。個人よりも「対抗戦やチームで戦うのが好き」と話すように、「日本インカレや全日本実業団対抗で総合優勝を目指してチームで戦っていると、陸上をやってきてよかったと思えます」と青木。12年には地元・岐阜国体で総合優勝に貢献「あの時は人生で初めてガッツポーズしました」と照れた。重要な役割を果たしてきたリレーについても「リレーなら任せてください、という気持ちで、リレーの選手という気持ちでやってきた陸上人生」と胸を張る。日本選手権リレーを最後にスパイクを脱いだことも、「狙ったわけではなく、ここまでエントリーしていたので」と話すが、青木らしい最後。同じ400mハードル出身の吉田コーチは、「青木の走りが好きだったので、青木の走りが見られなくなるのは寂しいです。お疲れさまでしたと言いたい」と後輩の走りを目に焼きつけていた。 女子スプリント界の後輩たちに向けては、「タイムだけでなく、勝負所で強い選手になってほしいし、私もそれを目指してきました。そのためには、やはり海外での経験を積んでいかないくてはいけないと思います」と、数々の舞台を踏んできた経験からアドバイスを送る。なお、今後については「何も決まっていません」としつつ「何かしらこの業界に恩返しできれば」と明かした。 決して派手さはないが、どんなレースでも常に上位争いを繰り広げ、安定した走りを見せ、強さを求めてきた名スプリンターであり、名ハードラー。その想いのバトンは東邦銀行、そして女子スプリント界の後輩たちにしっかりとつながれた。 あおき・さやか/1986年12月15日生まれ。岐阜県出身。県岐阜商高→福島大卒→ナチュリル→東邦銀行。08年北京五輪、07・09・15年世界選手権代表。自己記録は400m53秒05(日本歴代6位)、400mハードル55秒94(日本歴代3位)。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.05.26

男子1部は関大がV2! MVP該当者なしも「総合力を発揮し連覇を果たせたことは次につながる」/関西IC

◇第101回関西インカレ(2024年5月22日~25日/京都・たけびしスタジアム京都、東寺ハウジングフィールド西京極) 関西インカレのT&Fの部の最終日が行われ、最後まで大激戦となった男子1部は昨年54年ぶりに総合優勝に […]

NEWS 110mH泉谷駿介はバランス崩し13秒33の7位 100m初出場の栁田大輝は8位/DLユージン

2024.05.26

110mH泉谷駿介はバランス崩し13秒33の7位 100m初出場の栁田大輝は8位/DLユージン

世界最高峰のダイヤモンドリーグ(DL)ユージン大会(米国・オレゴン州)が5月26日に行われ、男子110mハードルの泉谷駿介(住友電工)は13秒33(-0.1)の7位だった。 日本記録(13秒04)保持者で、昨年のブダペス […]

NEWS 田中希実が5000mでパリ五輪内定!!自己4番目の14分47秒69で参加標準突破/DLユージン

2024.05.26

田中希実が5000mでパリ五輪内定!!自己4番目の14分47秒69で参加標準突破/DLユージン

世界最高峰のダイヤモンドリーグ(DL)ユージン大会(米国・オレゴン州)が5月26日に行われ、女子5000mに田中希実(New Balance)が出場し、パリ五輪の参加標準記録(14分50秒00)を突破する14分47秒69 […]

NEWS P-T-Sミーティング・女子走幅跳で秦澄美鈴が2位 男子200m西裕大が3位/WAコンチネンタルツアー

2024.05.25

P-T-Sミーティング・女子走幅跳で秦澄美鈴が2位 男子200m西裕大が3位/WAコンチネンタルツアー

世界陸連(WA)コンチネンタルツアーシルバーのP-T-Sミーティングが5月24日、スロバキアのバンスカー・ビストリツァで行われ、女子走幅跳で秦澄美鈴(住友電工)が6m52(+0.3)で2位だった。 日本記録(6m97)保 […]

NEWS 女子10000m競歩・柳井綾音が日本学生新でV3! 「この場で記録を出すことができてうれしい」/関西IC

2024.05.25

女子10000m競歩・柳井綾音が日本学生新でV3! 「この場で記録を出すことができてうれしい」/関西IC

◇第101回関西インカレ(5月22日~25日/京都・たけびしスタジアム京都) 関西インカレのT&Fの部最終日が行われ、競歩の男女混合リレーでパリ五輪代表に内定している柳井綾音(立命大3)が女子10000m競歩で44分21 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年6月号 (5月14日発売)

2024年6月号 (5月14日発売)

別冊付録学生駅伝ガイド

page top