HOME 学生長距離

2024.01.31

最後の箱根路/主将として牽引した駿河台大・新山舜心「来年はシード権を取ってほしい」
最後の箱根路/主将として牽引した駿河台大・新山舜心「来年はシード権を取ってほしい」

2024年箱根駅伝にて2区を走った駿河台大の新山舜心

主将として改革を断行

2年生で出場した前々回は7区15位。上級生になってからは主力として活躍が期待されていたが、3年時の予選会(ハーフマラソン)は1時間6分31秒の234位と大苦戦。チームも19位に終わり、本戦出場を逃してしまった。

その後、苦しい状況の中で主将に就任。再建に向けて着手したのが私生活の改善だった。選手に厳しい規律を課した結果、同級生の半数は部を去ってしまう。それでも、「誰よりも効率の良いトレーニングを毎日続けること、誰よりも真剣に練習し続けることが大事」。そう信じて妥協することなくチームを引っ張った。

広告の下にコンテンツが続きます

すると、予選会を前に下級生が成長。希望の光が見えてきた。予選会では新山がチーム2位の1時間2分35秒の29位と好走。後輩たちも粘りの走りを見せて、12位で本戦の出場権を獲得した。

チーム改革を断行して掴んだ最後の箱根路。今回走った10人のうち、新山以外は1、2年生。「気持ち的にも戦力的にも戦えると思うので、この経験を踏まえて、来年に生かしてシード権を取ってほしい」と後輩に期待を寄せた。

この1年間、主将として引っ張ってきた背中は後輩たちも見ているはず。その想いをしっかりと受け継げば、さらにチームは強くなるだろう。

そんな新山に対して、徳本一善監督から出た言葉は意外なものだった。

「最後はビシっとキャプテンらしく締めてほしくて、68分は普通にクリアできるだろうと思っていたところで70分もかかりました。箱根の前にいきなり『教習所に行きます』と言ったのが悪かったんでしょうね」

どうやら自動車教習所に通い始めたとのこと。徳本監督らしくユーモアのあるコメントだったが、これもチームや新山にとっては良い教訓となるかもしれない。

2024年箱根駅伝にて2区を走った駿河台大の新山舜心

新山舜心(にいやま・としむね:駿河台大)/2001年10月6日生まれ。鹿児島県鹿児島市出身。鹿児島高卒。自己ベストは5000m13分59秒21、10000m28分14秒30、ハーフ1時間2分35秒。

文/馬場 遼

2024年、最後の箱根駅伝を終えた大学4年生ランナーたち。納得のいく走りができた選手や悔いを残した選手、なかにはアクシデントでスタートラインにすら立てなかったエース級もいる。お届けするのは、そんな最上級生たちの物語――。

最後の箱根路は苦しい走りに

2年ぶり2回目の出場を果たした駿河台大において、4年生でただ1人出走したのが主将の新山舜心だった。 12月2日の日体大長距離競技会10000mでは28分14秒30と自己記録を更新。満を持しての花の2区だ。 目標タイムは1時間8分。1区のスティーブン・レマイヤン(1年)から6位でタスキを受け取ると、前後に選手がいる状態でスタートした。 青学大の黒田朝日(2年)や東農大の並木寧音(4年)らと集団を形成。新山にとっては絶好の展開かと思われたが、「だんだん力負けをしたというのが顕著に出たレースだったのかなと思います」。横浜駅前(8.3km)の手前で集団から脱落し、その後も順位を落とす苦しい走りとなった。 結果は区間21位(1時間10分13秒)。総合順位も19位まで落とし、「レベルの高さを痛感しました」と肩を落とした。 それでも後輩たちは諦めずに前を追い、5区の倉島啓人(2年)は区間5位と好走。往路を10位と34秒差の14位で終えた。 復路は苦戦して鶴見中継所で繰り上げスタートとなったが、2年前の順位を1つ上回る総合18位でレースを終えた。 「とても良いチームで箱根に出られたのは自分だけじゃなくて、周りのみんなのお陰だと思っているので、とても感謝しています」と仲間への思いを口にした。

主将として改革を断行

2年生で出場した前々回は7区15位。上級生になってからは主力として活躍が期待されていたが、3年時の予選会(ハーフマラソン)は1時間6分31秒の234位と大苦戦。チームも19位に終わり、本戦出場を逃してしまった。 その後、苦しい状況の中で主将に就任。再建に向けて着手したのが私生活の改善だった。選手に厳しい規律を課した結果、同級生の半数は部を去ってしまう。それでも、「誰よりも効率の良いトレーニングを毎日続けること、誰よりも真剣に練習し続けることが大事」。そう信じて妥協することなくチームを引っ張った。 すると、予選会を前に下級生が成長。希望の光が見えてきた。予選会では新山がチーム2位の1時間2分35秒の29位と好走。後輩たちも粘りの走りを見せて、12位で本戦の出場権を獲得した。 チーム改革を断行して掴んだ最後の箱根路。今回走った10人のうち、新山以外は1、2年生。「気持ち的にも戦力的にも戦えると思うので、この経験を踏まえて、来年に生かしてシード権を取ってほしい」と後輩に期待を寄せた。 この1年間、主将として引っ張ってきた背中は後輩たちも見ているはず。その想いをしっかりと受け継げば、さらにチームは強くなるだろう。 そんな新山に対して、徳本一善監督から出た言葉は意外なものだった。 「最後はビシっとキャプテンらしく締めてほしくて、68分は普通にクリアできるだろうと思っていたところで70分もかかりました。箱根の前にいきなり『教習所に行きます』と言ったのが悪かったんでしょうね」 どうやら自動車教習所に通い始めたとのこと。徳本監督らしくユーモアのあるコメントだったが、これもチームや新山にとっては良い教訓となるかもしれない。 [caption id="attachment_127294" align="alignnone" width="800"] 2024年箱根駅伝にて2区を走った駿河台大の新山舜心[/caption] 新山舜心(にいやま・としむね:駿河台大)/2001年10月6日生まれ。鹿児島県鹿児島市出身。鹿児島高卒。自己ベストは5000m13分59秒21、10000m28分14秒30、ハーフ1時間2分35秒。 文/馬場 遼

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

         

Latest articles 最新の記事

NEWS 兵庫100mHで高校タイ・歴代3位誕生!二階堂咲13秒29「まだ信じられない」福田花奏13秒30「良い負け」/IH都府県大会

2026.05.29

兵庫100mHで高校タイ・歴代3位誕生!二階堂咲13秒29「まだ信じられない」福田花奏13秒30「良い負け」/IH都府県大会

滋賀インターハイ(7月30日~8月5日)に向けた都府県大会が5月上旬から各地で行われ、高校生たちが熱い戦いを繰り広げている。 5月29日から31日の3日間で行われる兵庫県大会では、1日目から女子100mハードルで快記録が […]

NEWS 編集部コラム「三寒四温」(船越陽一郎)

2026.05.29

編集部コラム「三寒四温」(船越陽一郎)

毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]

NEWS 市田孝が5月末で旭化成を退社 「経験や出会いを大切にしてチャレンジし続けていきたい」

2026.05.29

市田孝が5月末で旭化成を退社 「経験や出会いを大切にしてチャレンジし続けていきたい」

旭化成は5月29日、所属する市田孝が5月31日をもって退部、退社することを発表した。 市田は鹿児島出身の33歳。双子の弟・宏とともに中学から全国大会で活躍し、全中、ジュニア五輪3000mでは優勝を飾った。鹿児島実高では全 […]

NEWS 兵庫女子100mHで超絶バトル!二階堂咲が13秒29の高校タイ!福田花奏が高校歴代3位の13秒30!/IH都府県大会

2026.05.29

兵庫女子100mHで超絶バトル!二階堂咲が13秒29の高校タイ!福田花奏が高校歴代3位の13秒30!/IH都府県大会

女子100mハードル高校歴代10傑をチェック 13.29 0.8 石原 南菜(白鴎大足利2栃木) 2025.10. 6 13.29 1.8 二階堂 咲(神戸山手3兵庫) 2026. 5.29 13.30 1.8 福田 花 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年6月号 (5月14日発売)

2026年6月号 (5月14日発売)

落合晃&丸山優真が日本新
26春 学生長距離勢力図

page top