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2023.12.28

【Playback箱根駅伝】第86回/東洋大が総合連覇!東農大が14年ぶり、青学大41年ぶりシード獲得
【Playback箱根駅伝】第86回/東洋大が総合連覇!東農大が14年ぶり、青学大41年ぶりシード獲得

第86回箱根駅伝/総合連覇を達成した東洋大。柏原竜二(右端)が圧巻の5区区間賞

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第86回(2010年/平成22年)
東洋大が連覇!青学大41年ぶりシード

関東学連選抜チームが前回9位に入ったことと、同3位の日体大に部内の不祥事があったことにより、シード校は8校へ削減。予選会からは史上最速タイムをマークした駒大を含む11チームが本戦出場を果たした。

前回初優勝を果たした東洋大、同2位だった早大、出雲&全日本の両駅伝を制した日大、予選会最速通過の駒大らが優勝候補に挙げられていた。

1区は序盤からやや速い展開となり、12km過ぎには7チームまで絞られた。18km過ぎの六郷橋の上りでスパートをかけた北條尚(4年)が、明大勢49年ぶりとなる鶴見中継所トップ通過を果たした。13秒遅れで早大が2位でタスキを渡し、以下は専大、関東学連選抜、東洋大と続いた。駒大は先頭から約3分遅れの18位と厳しい出足となった。

2区では明大が首位を疾走する後方で、各校のエースたちが快走を見せた。区間賞は前回驚異の20人抜きを見せた日大のギタウ・ダニエル(4年)。この年も13位からの11人抜きを見せた。日本人トップの区間2位は東海大のルーキー・村澤明伸で、こちらも14位から4位までジャンプアップした。

明大は2区の石川卓哉(4年)が区間6位、3区の鎧坂哲也(2年)が区間3位、4区の安田昌倫が区間賞と安定したタスキリレーで首位を独走し、4区終了時で2位の日体大に2分39秒もの大差をつけた。

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5区では前年に引き続き、東洋大の柏原竜二(2年)が圧巻の走りを披露。自身の持つ区間記録を10秒更新し、7位から6人を抜いて2年連続で往路優勝のフィニッシュテープを切った。3分36秒差で2位に山梨学大、さらに37秒差で日体大が続き、明大は6位、駒大は8位、日大は13位と出遅れた。

復路は東洋大の独壇場だった。6区こそ2位の山梨学大に46秒詰められたものの、7区の田中貴章(2年)が区間賞、8区の千葉優(3年)が区間2位と好走し、この時点で後続との差は5分以上。9区と10区も危なげなく進め、2年連続2回目の総合優勝を飾った。

総合2位は、往路8位から猛烈な追い上げを見せ、復路優勝を手にした駒大。3位に山梨学大、4位に中大と続き、東農大が14年ぶりシードとなる5位に食い込んだ。

また、6位の城西大は前回途中棄権の悪夢を乗り越え、初のシード権獲得。8位の青学大も41年ぶりにシード圏内でフィニッシュした。

上武大は過去最高の14位となり、10区の福島弘将(4年)はチーム初となる区間賞を獲得。金栗四三杯は2年連続で5区区間賞の柏原が受賞した。

参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第86回(2010年/平成22年) 東洋大が連覇!青学大41年ぶりシード

関東学連選抜チームが前回9位に入ったことと、同3位の日体大に部内の不祥事があったことにより、シード校は8校へ削減。予選会からは史上最速タイムをマークした駒大を含む11チームが本戦出場を果たした。 前回初優勝を果たした東洋大、同2位だった早大、出雲&全日本の両駅伝を制した日大、予選会最速通過の駒大らが優勝候補に挙げられていた。 1区は序盤からやや速い展開となり、12km過ぎには7チームまで絞られた。18km過ぎの六郷橋の上りでスパートをかけた北條尚(4年)が、明大勢49年ぶりとなる鶴見中継所トップ通過を果たした。13秒遅れで早大が2位でタスキを渡し、以下は専大、関東学連選抜、東洋大と続いた。駒大は先頭から約3分遅れの18位と厳しい出足となった。 2区では明大が首位を疾走する後方で、各校のエースたちが快走を見せた。区間賞は前回驚異の20人抜きを見せた日大のギタウ・ダニエル(4年)。この年も13位からの11人抜きを見せた。日本人トップの区間2位は東海大のルーキー・村澤明伸で、こちらも14位から4位までジャンプアップした。 明大は2区の石川卓哉(4年)が区間6位、3区の鎧坂哲也(2年)が区間3位、4区の安田昌倫が区間賞と安定したタスキリレーで首位を独走し、4区終了時で2位の日体大に2分39秒もの大差をつけた。 5区では前年に引き続き、東洋大の柏原竜二(2年)が圧巻の走りを披露。自身の持つ区間記録を10秒更新し、7位から6人を抜いて2年連続で往路優勝のフィニッシュテープを切った。3分36秒差で2位に山梨学大、さらに37秒差で日体大が続き、明大は6位、駒大は8位、日大は13位と出遅れた。 復路は東洋大の独壇場だった。6区こそ2位の山梨学大に46秒詰められたものの、7区の田中貴章(2年)が区間賞、8区の千葉優(3年)が区間2位と好走し、この時点で後続との差は5分以上。9区と10区も危なげなく進め、2年連続2回目の総合優勝を飾った。 総合2位は、往路8位から猛烈な追い上げを見せ、復路優勝を手にした駒大。3位に山梨学大、4位に中大と続き、東農大が14年ぶりシードとなる5位に食い込んだ。 また、6位の城西大は前回途中棄権の悪夢を乗り越え、初のシード権獲得。8位の青学大も41年ぶりにシード圏内でフィニッシュした。 上武大は過去最高の14位となり、10区の福島弘将(4年)はチーム初となる区間賞を獲得。金栗四三杯は2年連続で5区区間賞の柏原が受賞した。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

第86回箱根駅伝総合成績をチェック

●総合成績 1位 東洋大 11時間10分13秒 2位 駒大 11時間13分59秒 3位 山梨学大 11時間15分46秒 4位 中大 11時間16分00秒 5位 東農大 11時間16分42秒 6位 城西大 11時間17分53秒 7位 早大 11時間20分04秒 8位 青学大 11時間21分25秒 9位 日体大 11時間21分45秒 10位 明大 11時間21分57秒 11位 帝京大 11時間24分52秒 12位 東海大 11時間25分46秒 13位 中央学大 11時間26分41秒 14位 上武大 11時間28分14秒 15位 日大 11時間28分48秒 16位 関東学連選抜 11時間29分37秒 17位 専大 11時間29分51秒 18位 大東大 11時間32分53秒 19位 法大 11時間33分22秒 20位 亜細亜大 11時間41分07秒 ●区間賞 1区 北條尚(明大) 1時間02分27秒 2区 G.ダニエル(日大) 1時間07分37秒 3区 野口拓也(日体大) 1時間02分46秒 4区 安田昌倫(明大) 55分57秒 5区 柏原竜二(東洋大) 1時間17分08秒 6区 千葉健太(駒大) 59分44秒 7区 田中貴章(東洋大) 1時間04分56秒 8区 木之下翔太(中央学大) 1時間06分55秒 9区 髙林祐介(駒大) 1時間10分19秒 10区 福島弘将(上武大) 1時間10分54秒

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