HOME 学生長距離

2023.12.24

【Playback箱根駅伝】第71回/山梨学大が早大とのマッチレース制して連覇 渡辺康幸が2区でスーパー区間新
【Playback箱根駅伝】第71回/山梨学大が早大とのマッチレース制して連覇 渡辺康幸が2区でスーパー区間新

第71回箱根駅伝/9区で山梨学大の平田雅人(右)が先頭を走る早大の大関篤史を逆転。そのまま逃げ切った山梨学大が連覇を達成した

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第71回(1995年/平成7年)
2位の早大が2年ぶり往路V、3位の中大が8~10区の3連続区間賞で復路優勝

前回、前々回に続く「山梨学大vs早大」の構図となった第71回大会。記念大会で特別に20チームの参加だった前回から出場枠は通常の「15」に戻り、法大が7年ぶりに予選会敗退を喫した。

レースは山梨学大の1区・中村祐二(2年)が序盤に飛び出すと、ただ一人ついて行った日大の川内勝弘(4年)を早々と置き去りにし、区間新ペースで突き進む。終盤で失速して新記録とはならなかったが、区間歴代2位の好タイムでトップ中継。2位の日体大に1分24秒、9位スタートとなった早大に2分01秒差をつけた。

広告の下にコンテンツが続きます

2区では従来の区間記録(1時間7分34秒)を14秒上回った山梨学大のステファン・マヤカ(3年)の後ろで、早大の渡辺康幸(3年)が衝撃の走りを見せた。9位から7人を抜いて2位に浮上すると、1時間6分48秒のスーパー区間新を達成。前年の1区区間新に続く2年連続の快走だった。

2区終了時で早大に1分29秒差をつけた山梨学大だったが、3区で一気にその差がひっくり返った。

早大は2年時から3区、7区で連続区間賞を獲得している小林正幹(4年)が従来の区間記録を56秒も塗り替える快走で首位に浮上。早大は4区の小林雅幸(2年)も区間賞(区間新)、5区の小林修(4年)も区間5位と見事な継走で2年ぶりに往路優勝を果たした。

往路2位は1分47秒差で山梨学大。1939年に総合優勝の経験を持つ古豪・専大が39年ぶりの好成績となる往路3位に入った。

このままVロードを疾走したい早大だったが、山梨学大が6区・藤脇友介(3年)の区間賞で逆転に成功。7区でも國増尚吾(2年)が区間トップの快走で後続との差を2分51秒に広げた。

しかし、8区で早大が再逆転。後宮正幸(4年)が区間3位の好走で山梨学大に3秒差をつけ、勝負を大いに盛り上げた。

9区でも両校による激しいつばぜり合いが繰り広げられたが、この区間を制した山梨学大がそのまま逃げ切り、2年連続の総合優勝を手にした。

早大は前年に続く準優勝。往路5位だった中大は8区で区間新記録を樹立した榎木和貴(2年)から9区・菅陽一郎(4年)、10区・佐藤信之(4年)と3連続区間賞を手にして3位まで順位アップ。復路優勝に輝いた。

一方、9区終了時で4位につけていた順大は、10区の浜野健(2年)が故障の影響により残り9km地点で途中棄権。前回3位の名門がまさかのアクシデントに泣いた。

これにより、東農大が9位に繰り上がってギリギリのシード権獲得。東洋大はわずか25秒差で10年ぶりのシードを逃した。

参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第71回(1995年/平成7年) 2位の早大が2年ぶり往路V、3位の中大が8~10区の3連続区間賞で復路優勝

前回、前々回に続く「山梨学大vs早大」の構図となった第71回大会。記念大会で特別に20チームの参加だった前回から出場枠は通常の「15」に戻り、法大が7年ぶりに予選会敗退を喫した。 レースは山梨学大の1区・中村祐二(2年)が序盤に飛び出すと、ただ一人ついて行った日大の川内勝弘(4年)を早々と置き去りにし、区間新ペースで突き進む。終盤で失速して新記録とはならなかったが、区間歴代2位の好タイムでトップ中継。2位の日体大に1分24秒、9位スタートとなった早大に2分01秒差をつけた。 2区では従来の区間記録(1時間7分34秒)を14秒上回った山梨学大のステファン・マヤカ(3年)の後ろで、早大の渡辺康幸(3年)が衝撃の走りを見せた。9位から7人を抜いて2位に浮上すると、1時間6分48秒のスーパー区間新を達成。前年の1区区間新に続く2年連続の快走だった。 2区終了時で早大に1分29秒差をつけた山梨学大だったが、3区で一気にその差がひっくり返った。 早大は2年時から3区、7区で連続区間賞を獲得している小林正幹(4年)が従来の区間記録を56秒も塗り替える快走で首位に浮上。早大は4区の小林雅幸(2年)も区間賞(区間新)、5区の小林修(4年)も区間5位と見事な継走で2年ぶりに往路優勝を果たした。 往路2位は1分47秒差で山梨学大。1939年に総合優勝の経験を持つ古豪・専大が39年ぶりの好成績となる往路3位に入った。 このままVロードを疾走したい早大だったが、山梨学大が6区・藤脇友介(3年)の区間賞で逆転に成功。7区でも國増尚吾(2年)が区間トップの快走で後続との差を2分51秒に広げた。 しかし、8区で早大が再逆転。後宮正幸(4年)が区間3位の好走で山梨学大に3秒差をつけ、勝負を大いに盛り上げた。 9区でも両校による激しいつばぜり合いが繰り広げられたが、この区間を制した山梨学大がそのまま逃げ切り、2年連続の総合優勝を手にした。 早大は前年に続く準優勝。往路5位だった中大は8区で区間新記録を樹立した榎木和貴(2年)から9区・菅陽一郎(4年)、10区・佐藤信之(4年)と3連続区間賞を手にして3位まで順位アップ。復路優勝に輝いた。 一方、9区終了時で4位につけていた順大は、10区の浜野健(2年)が故障の影響により残り9km地点で途中棄権。前回3位の名門がまさかのアクシデントに泣いた。 これにより、東農大が9位に繰り上がってギリギリのシード権獲得。東洋大はわずか25秒差で10年ぶりのシードを逃した。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

第71回箱根駅伝総合成績をチェック

●総合成績 1位 山梨学大 11時間03分46秒 2位 早大   11時間05分48秒 3位 中大   11時間06分36秒 4位 日大   11時間13分09秒 5位 日体大  11時間14分00秒 6位 神奈川大 11時間14分42秒 7位 専大   11時間17分08秒 8位 東海大  11時間20分44秒 9位 東農大  11時間26分51秒 10位 東洋大  11時間27分16秒 11位 亜細亜大 11時間32分58秒 12位 中央学大 11時間34分10秒 13位 駒大   11時間34分43秒 14位 大東大  11時間38分09秒    順大   途中棄権 ●区間賞 1区 中村祐二(山梨学大)1時間01分32秒 2区 渡辺康幸(早大)  1時間06分48秒 3区 小林正幹(早大)  1時間02分49秒 4区 小林雅幸(早大)  1時間01分35秒 5区 近藤重勝(神奈川大)1時間13分21秒 6区 藤脇友介(山梨学大)   59分40秒 7区 國増尚吾(山梨学大)1時間04分38秒 8区 榎木和貴(中大)  1時間06分03秒 9区 菅陽一郎(中大)  1時間10分35秒 10区 佐藤信之(中大)  1時間05分33秒

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.06

第一工科大が最終区での逆転で3年ぶり栄冠! 初V目指した鹿児島大は13秒差で涙/島原学生駅伝

12月6日、第43回九州学生駅伝が長崎県島原市の市営競技場をスタートし、島原文化会館にフィニッシュする7区間57.75kmのコースで行われ、第一工科大が3時間3分10秒で3年ぶり21回目の優勝を飾った。 第一工科大は1区 […]

NEWS 全日本入賞の福岡大が全区間トップで圧勝 九大5年連続2位 佐賀大は過去最高3位/九州学生女子駅伝

2025.12.06

全日本入賞の福岡大が全区間トップで圧勝 九大5年連続2位 佐賀大は過去最高3位/九州学生女子駅伝

12月6日、第25回九州学生女子駅伝(5区間22.8km)が長崎県島原市で行われ、福岡大が1時間17分31秒で14回目の優勝を果たした。 10月の全日本大学女子駅伝で8位に入賞している福岡大は1区から他校を圧倒。前回に続 […]

NEWS やり投・﨑山雄太がヤマダHDへ!「新たな船出」今年日本歴代2位、世界陸上代表

2025.12.06

やり投・﨑山雄太がヤマダHDへ!「新たな船出」今年日本歴代2位、世界陸上代表

男子やり投の﨑山雄太が自身のSNSを更新し、12月1日からヤマダホールディングスに移籍加入したことを発表した。 﨑山は奈良県出身の29歳。大阪・関西創価高でやり投を始めるとケガのため主要大会の実績こそないが、日大入学早々 […]

NEWS 西山和弥、竹内竜真、デレセらが防府読売マラソンでV目指す 五輪MGC出場権懸けた一戦

2025.12.05

西山和弥、竹内竜真、デレセらが防府読売マラソンでV目指す 五輪MGC出場権懸けた一戦

◇第56回防府読売マラソン(12月7日/山口県防府市) MGCシリーズ2025-26の第56回防府読売マラソンが12月7日(日)に行われる。大会は男子がMGCシリーズのG1(グレード1)、女子がG3に位置づけられており、 […]

NEWS 細谷恭平が悲願の初Vなるか!?伝統の福岡国際マラソン 2時間9分でロス五輪MGCへ

2025.12.05

細谷恭平が悲願の初Vなるか!?伝統の福岡国際マラソン 2時間9分でロス五輪MGCへ

◇福岡国際マラソン2025(12月7日/福岡市・平和台陸上競技場発着) MGCシリーズ2025-26男子G1の福岡国際マラソン2025が12月7日に行われる。来年の名古屋アジア大会代表選考会を兼ねているだけでなく、28年 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top