2023.12.12
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)
第28回(1952年/昭和27年)
5区で中大の西田勝雄が区間賞 成蹊大が初出場
早大が3連覇を狙った中大とのデッドヒートを制して18年ぶり8回目の総合優勝を果たした。また、成蹊大が初出場。現在に至るまでこれが唯一の本戦出場である。
往路は明け方から雪に変わり、加えて強い北東の風が吹く悪コンディション。その中で主導権を握ったのは、2年連続完封優勝の中大が強さを見せつけた。1区こそ早大に35秒先行されるが、2区の南木信吾が区間賞の走りで首位に立つ。
5区では同年のヘルシンキ五輪にマラソンで出場することになる西田勝雄が区間賞の快走。往路3連覇を飾り、2位の早大に2分42秒差をつけた。
復路は一転し、晴れ間が出て絶好のコンディションとなる。リードしたのは中大。6区では田邉定明が3年連続となる区間賞で4分差とすると、7区の斎藤安雄が区間2位ながら、早大との差を3分以上広げた。
7区終了時点で早大と7分02秒差。3年連続の総合優勝は確実と見られていたが、8区の奥平憲司が中継所手前になって失速するアクシデント。早大の園部光昭が奥平を抜き、逆に1分10秒差をつけて戸塚中継所に飛び込んだ。
9区では早大の衣笠治重が一時はトップを奪われながら抜き返し、1分06秒差で鶴見中継所に先着。10区でも早大の水野勝が一時は中大の浅倉茂に抜かれたが、増上寺付近で抜き返してトップでゴールテープを切った。
早大を率いたのは、戦後、母校の監督に就任していた当時38歳の中村清氏。1936年のベルリン五輪1500m代表で箱根駅伝に3回出場している。五輪前年の第16回大会(1935年)では1区で区間賞を獲得した。
この優勝の後に辞任するが、東急監督などを経て1976年に監督に復帰。マラソンの瀬古利彦をはじめ、多くの名ランナーを育てた。
参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
第28回(1952年/昭和27年) 5区で中大の西田勝雄が区間賞 成蹊大が初出場
早大が3連覇を狙った中大とのデッドヒートを制して18年ぶり8回目の総合優勝を果たした。また、成蹊大が初出場。現在に至るまでこれが唯一の本戦出場である。 往路は明け方から雪に変わり、加えて強い北東の風が吹く悪コンディション。その中で主導権を握ったのは、2年連続完封優勝の中大が強さを見せつけた。1区こそ早大に35秒先行されるが、2区の南木信吾が区間賞の走りで首位に立つ。 5区では同年のヘルシンキ五輪にマラソンで出場することになる西田勝雄が区間賞の快走。往路3連覇を飾り、2位の早大に2分42秒差をつけた。 復路は一転し、晴れ間が出て絶好のコンディションとなる。リードしたのは中大。6区では田邉定明が3年連続となる区間賞で4分差とすると、7区の斎藤安雄が区間2位ながら、早大との差を3分以上広げた。 7区終了時点で早大と7分02秒差。3年連続の総合優勝は確実と見られていたが、8区の奥平憲司が中継所手前になって失速するアクシデント。早大の園部光昭が奥平を抜き、逆に1分10秒差をつけて戸塚中継所に飛び込んだ。 9区では早大の衣笠治重が一時はトップを奪われながら抜き返し、1分06秒差で鶴見中継所に先着。10区でも早大の水野勝が一時は中大の浅倉茂に抜かれたが、増上寺付近で抜き返してトップでゴールテープを切った。 早大を率いたのは、戦後、母校の監督に就任していた当時38歳の中村清氏。1936年のベルリン五輪1500m代表で箱根駅伝に3回出場している。五輪前年の第16回大会(1935年)では1区で区間賞を獲得した。 この優勝の後に辞任するが、東急監督などを経て1976年に監督に復帰。マラソンの瀬古利彦をはじめ、多くの名ランナーを育てた。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)第28回箱根駅伝総合成績をチェック
●総合成績 1位 早大 12時間35分07秒 2位 中大 12時間36分12秒 3位 日大 12時間50分54秒 4位 明大 12時間52分26秒 5位 専大 13時間10分52秒 6位 立教大 13時間16分10秒 7位 東農大 13時間36分18秒 8位 法大 13時間52分33秒 9位 日体大 13時間56分51秒 10位 神奈川大 14時間02分20秒 11位 横浜国大 14時間26分59秒 12位 東洋大 15時間35分57秒 13位 紅陵大 15時間35分58秒 14位 成蹊大 17時間35分35秒 ●区間賞 1区 沼野正(早大) 1時間12分20秒 2区 南木信吾(中大) 1時間07分02秒 3区 中村保徳(早大) 1時間14分47秒 4区 井上治(中大) 1時間09分35秒 5区 西田勝雄(中大) 1時間33分45秒 6区 田邉定明(中大) 1時間17分23秒 7区 石川通雄(日大) 1時間10分16秒 8区 種村幸夫(日大) 1時間13分42秒 9区 平茂(明大) 1時間10分41秒 10区 山岸三郎(立教大) 1時間13分00秒
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.07.04
400mHボルが結婚!世界歴代2位、23年世界陸上金メダリストの25歳
2025.07.04
日本選手権、2日目も猛暑のため競技時間変更 一部種目を夜に
2025.07.04
東京世界陸上懸けた熱戦!20年ぶり国立開催の日本選手権、今日開幕
-
2025.07.03
-
2025.07.03
-
2025.07.03
2025.07.02
HOKAの新作レーシングシューズ「ROCKET X 3」が7月2日に新登場!
-
2025.07.01
-
2025.06.27
-
2025.06.17
-
2025.06.04
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.07.04
400mHボルが結婚!世界歴代2位、23年世界陸上金メダリストの25歳
女子400mハードルのフェムケ・ボル(オランダ)が自身のSNSを更新し、結婚したことを報告した。 25歳のボル。自己記録の50秒95は世界歴代2位。23年ブダペスト世界選手権では金メダルに輝いた。昨年のパリ五輪では男女混 […]
2025.07.04
日本選手権、2日目も猛暑のため競技時間変更 一部種目を夜に
◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権の2日目の競技開始時間の変更が決まった。 広告の下にコンテンツが続きます 主催する日本陸連は、大会前から暑熱に関する […]
2025.07.04
東京世界陸上懸けた熱戦!20年ぶり国立開催の日本選手権、今日開幕
◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権が今日(7月4日)に開幕する。 広告の下にコンテンツが続きます 初日のトラック種目の決勝は男子3000m障害と女子5 […]
2025.07.03
日本選手権初日の競技日程が変更 暑熱対策の一環としてフィールド種目が14時以降開始へ
◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権の初日のタイムテーブル変更が発表された。 広告の下にコンテンツが続きます 大会のオープニング種目として女子棒高跳、同 […]
2025.07.03
1500m、5000m出場の田中希実 代表内定とともに「世界陸上で戦うことを意識したレース」を目指す 廣中との対戦「楽しみ」/日本選手権
◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権の開幕を控え、前日会見が国立競技場で行われ、女子1500m、5000mに出場する田中希実(New Balance)が […]
Latest Issue
最新号

2025年7月号 (6月13日発売)
詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会