HOME 海外

2023.09.10

英国が誇る「サー」モハメド・ファラーがグレート・ノース・ランで現役引退 五輪2大会連続2冠の偉業 「走ることが私のすべてだった」
英国が誇る「サー」モハメド・ファラーがグレート・ノース・ランで現役引退 五輪2大会連続2冠の偉業 「走ることが私のすべてだった」

モハメド・ファラー(17年ロンドン世界陸上) 写真/Mochizuki Jiro(Agence SHOT)

英国伝統のロードレース「グレート・ノース・ラン」が9月10日に行われ、このレースを最後に同国をレジェンド、「サー」モハメド・ファラーが現役を引退した。

大歓声に包まれながら1時間3分28秒(速報値)の4位でフィニッシュし、その輝かしいキャリアを終えた。

ソマリア出身の40歳。欧州の舞台をステップに、世界トップランナーへと上り詰めた。

広告の下にコンテンツが続きます

2011年テグ世界選手権5000mで世界大会初の金メダル獲得。翌12年のロンドン五輪で5000m、10000mの2冠に輝くと、その後の13年モスクワ世界選手権、15年北京世界選手権、16年リオ五輪まで、両種目を連覇する偉業を成し遂げた。序盤は後方に待機してレースの流れを見極め、勝負どころでは必ず先頭に顔を出す。残り1周の類まれなスパートがあるからこその戦略で、常にライバルたちを圧倒した。

リオ五輪の功績を称え、ナイト(騎士)の爵位を授与。「サー」と呼ばれるようなる。

17年ロンドン世界選手権でも10000mで、エチオピア、ケニア勢の包囲網をものともせず、代名詞のスパートで金メダルに輝き、地元ファンを熱狂させている。5000mでは銀メダルにとどまり、連続2冠は途切れたものの、そのキャリアが色褪せることはない。

その後、マラソンに進出し、18年10月のシカゴを生涯ベストとなる2時間5分11秒で制した。ただ、度重なるケガの影響もあり、ロードではトラックのような華々しい結果を残すことはできなかった。

ファラーはレース後のインタビューで、これまでの競技を振り返り、「今日は走りながらいろんなことが頭の中を駆け巡った。この大会では6回優勝たしているので、ここでキャリアを終えたかった。走ることは私のすべてだった」と答えた。

英国伝統のロードレース「グレート・ノース・ラン」が9月10日に行われ、このレースを最後に同国をレジェンド、「サー」モハメド・ファラーが現役を引退した。 大歓声に包まれながら1時間3分28秒(速報値)の4位でフィニッシュし、その輝かしいキャリアを終えた。 ソマリア出身の40歳。欧州の舞台をステップに、世界トップランナーへと上り詰めた。 2011年テグ世界選手権5000mで世界大会初の金メダル獲得。翌12年のロンドン五輪で5000m、10000mの2冠に輝くと、その後の13年モスクワ世界選手権、15年北京世界選手権、16年リオ五輪まで、両種目を連覇する偉業を成し遂げた。序盤は後方に待機してレースの流れを見極め、勝負どころでは必ず先頭に顔を出す。残り1周の類まれなスパートがあるからこその戦略で、常にライバルたちを圧倒した。 リオ五輪の功績を称え、ナイト(騎士)の爵位を授与。「サー」と呼ばれるようなる。 17年ロンドン世界選手権でも10000mで、エチオピア、ケニア勢の包囲網をものともせず、代名詞のスパートで金メダルに輝き、地元ファンを熱狂させている。5000mでは銀メダルにとどまり、連続2冠は途切れたものの、そのキャリアが色褪せることはない。 その後、マラソンに進出し、18年10月のシカゴを生涯ベストとなる2時間5分11秒で制した。ただ、度重なるケガの影響もあり、ロードではトラックのような華々しい結果を残すことはできなかった。 ファラーはレース後のインタビューで、これまでの競技を振り返り、「今日は走りながらいろんなことが頭の中を駆け巡った。この大会では6回優勝たしているので、ここでキャリアを終えたかった。走ることは私のすべてだった」と答えた。

ファラーの自己ベスト&世界大会成績

1500m   3分28秒81 5000m   12分53秒11 10000m  26分46秒57 ハーフ  59分32秒 マラソン 2時間5分11秒 ●世界大会成績 07年大阪世界選手権   5000m6位 09年ベルリン世界選手権 5000m7位 11年テグ世界選手権   5000m金、10000m銀 12年ロンドン五輪    5000m金、10000m金 13年モスクワ世界選手権 5000m金、10000m金 15年北京世界選手権   5000m金、10000m金 16年リオ五輪      5000m金、10000m金 17年ロンドン世界選手権 5000m銀、10000m金

【動画】笑顔でラストランを終えたファラー

次ページ:

ページ: 1 2 3

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.09

中大が来春の新入生を発表!長距離は栗村凌、簡子傑ら U20東アジア選手権代表・後藤大輔も進学

中大男子陸上部は12月9日、来春入学となるスポーツ推薦試験の合格者20人を発表した。 長距離ブロックでは広島インターハイ5000m3位で、高校歴代歴代8位の13分34秒38を持つ栗村凌(学法石川高・福島)が合格。栗村は昨 […]

NEWS 富士山女子駅伝のエントリー発表! 2冠目指す城西大は兼子心晴、金子陽向らが登録 大東大は野田真理耶がメンバー外

2025.12.09

富士山女子駅伝のエントリー発表! 2冠目指す城西大は兼子心晴、金子陽向らが登録 大東大は野田真理耶がメンバー外

全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)の主催者は、12月30日に行われる大会のエントリー選手を発表した。 10月の全日本で25年ぶりの優勝を果たした城西大は、区間賞を獲得した兼子心晴(4年)、金子陽向(4年)、本間香( […]

NEWS 鹿児島銀行・宇都ひなたと坂口日菜子が退部 「応援のお陰で苦しいときも乗り越えられた」

2025.12.09

鹿児島銀行・宇都ひなたと坂口日菜子が退部 「応援のお陰で苦しいときも乗り越えられた」

鹿児島銀行は12月8日、宇都ひなたと坂口日菜子が10月末に退部したことを発表した。 宇都は鹿児島・伊敷中から鹿児島高に進学し、3年時には1500mでインターハイに出場。卒業後はワコールに進み、1年目からクイーンズ駅伝に出 […]

NEWS ユニクロ女子陸上競技部が選手公募「日本一、そして世界へ羽ばたくランナーを募集」

2025.12.09

ユニクロ女子陸上競技部が選手公募「日本一、そして世界へ羽ばたくランナーを募集」

ユニクロ女子陸上競技部が、選手の一般公募を12月5日に開始した。 同社女子陸上競技部は1997年に創部。全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)には2003年に初出場。14年には7位に入った。 その後は浮き沈みを繰り返 […]

NEWS パロマ瑞穂スタジアムが2026年4月22日供用開始 6月には日本選手権開催、秋は名古屋アジア大会の会場

2025.12.09

パロマ瑞穂スタジアムが2026年4月22日供用開始 6月には日本選手権開催、秋は名古屋アジア大会の会場

愛知県名古屋市の瑞穂公園を管理する株式会社瑞穂LOOP-PFIは12月9日、建て替えを進めていたパロマ瑞穂スタジアム(瑞穂公園陸上競技場)が2026年4月22日に一般供用を開始すると発表した。 発表によると、約30000 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top