6月4日までブダペスト世界選手権の代表選考会として行われた第107回日本選手権を終え、5日に大阪市内でブダペスト世界選手権の日本代表選手記者会見が開かれた。
出席したのは男子110mハードルで日本記録13秒04を出して優勝した泉谷駿介(住友電工)、同2位の高山峻野(ゼンリン)、すでに代表を決めていた男子20km競歩の池田向希(旭化成)、女子マラソンの加世田梨花(ダイハツ)の4人。
「代表が決まってホッとしています」と泉谷。前日の日本新レースを振り返り「思ったよりハードルぶつけていなきくて、きれいでスムーズでしたが、前半がもう少しいっても良かった。世界選手権までの間で改善していきたい」と言う。12秒台については「このまま練習を積んでいって、意識し過ぎないようにして出たら良いな、くらいに考えています」と言う。
6月末には欧州で転戦を予定。「海外でしっかり自分の力を出し切れるかどうか試したい」言う。世界選手権に向けて「体調管理と自分の戦い方ができるかどうかが大事」。日本初のファイナルに向けて「これまで悔しい思いをしているので、自分の力を出し切れるようにしたい」と意気込みを語った。
高山は「世界選手権まで1、2試合を挟んでいく。これまで通りの練習をしていきたい」と話す。19年ドーハ大会ではあとわずかでファイナルを逃した。それだけに「前回は気合が入り過ぎたので、気持ちを楽にして自分らしく走りたいです」と見据えている。
すでに代表を決めている前回銀メダルの池田は「今は土台を作っているところ。6、7月とスピードとスピード持久力を8月に向けて上げていきたい」と現状について明かす。ここまで東京五輪、オレゴン世界選手権と銀メダルを獲得しているが、「金メダルを目標に掲げています。どれだけプレッシャーや緊張感との戦いに打ち勝てるのか」と突き進んでいく。
マラソン代表の加世田は今大会の5000mでも田中希実(New Balance)に食らいつき2位に入るなど、「トラックの自己ベストは更新できていないですが、勝負の中で結果を出せている」と手応えをつかんでいる。初の世界大会に向けて「不安な部分も大きいですが、試走などで美しい街を楽しみたいです」と笑った。
最後は世界選手権で着用するユニフォームに着替えて撮影。日の丸を胸に、いよいよ本番に向かっていく。
なお、今大会で内定した3000m障害の三浦龍司(順大)、すでに代表内定のやり投・北口榛花(JAL)は海外遠征のため出席しなかった。
ブダペスト世界選手権は8月19日から27日までの9日間の日程で行われる。
ブダペスト世界選手権代表(6月5日発表分)
●男子 110mH 泉谷駿介(住友電工) 13秒04/3大会連続3度目(19※、22年)※欠場 高山峻野(ゼンリン) 13秒10/2大会ぶり3度目(17、19年) 3000m障害 三浦龍司(順大) 8分09秒92/2大会連続2度目(22年) マラソン 其田健也(JR東日本) 2時間5分59秒/初出場 山下一貴(三菱重工) 2時間5分51秒/初出場 西山和弥(トヨタ自動車) 2時間6分45秒/初出場 20km競歩 山西利和(愛知製鋼) 1時間17分15秒/3大会連続3度目(19、22年) 池田向希(旭化成) 1時間17分25秒/3大会連続3度目(19、22年) 髙橋英輝(富士通) 1時間17分26秒/5大会連続5回目(15、17、19、22年) 古賀友太(大塚製薬) 1時間18分42秒/初出場 35km競歩 川野将虎(旭化成) 2時間23分15秒/2大会連続2回目(22年) 野田明宏(自衛隊体育学校) 2時間23分13秒/3大会連続3回目(19、22年)※19年は50km競歩 丸尾知司(愛知製鋼) 2時間25分49秒/3大会ぶり2度目(17年)※50km競歩 ●女子 やり投 北口榛花(JAL) 66m00/3大会連続3度目(19、22年) 20km競歩 藤井菜々子(エディオン) 1時間28分58秒/3大会連続3回目(19、22年) 35km競歩 岡田久美子(富士通) 2時間44分11秒/5大会連続5回目(15、17、19、22年)※4回は20km 園田世玲奈(NTN) 2時間44分25秒/2大会連続2回目(22年)
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