2021.08.19
中学生ナンバーワンを決める全日本中学校陸上競技選手権(全中)が8月18日、茨城県の笠松運動公園競技場で始まった。新型コロナウィルス感染症拡大の影響で、当初の予定が大幅に変更となり、初日にはフィールド種目の3種目の決勝が行われた。
本来なら18日に予選、19日に決勝が行われる予定だった男子棒高跳。予選がなくなり、32人による1発決勝とスケジュールが変更されるなか、4m78で優勝を飾ったのは岸本都夢(玉藻3香川)だった。この記録は中学歴代5位というだけでなく、中学記録保持者(5m06)の古澤一生(新町・群馬/現・筑波大)が4年前に樹立した4m77の大会記録も塗り替えるものだった。
昨年の全国中学陸上では2年生ながら3位。4月に4m72を跳び、100mでも今季中学3位の10秒83で走るなど、ダントツの優勝候補として迎えた今大会。しかし、4月以降は足のケガもあり、「最近、調子が良くなくてここに来るまでヒヤヒヤしていました」という。また、昨年の秋以来の全国大会で緊張もあり、4m30から跳び始めたものの、4m40で1回、4m50で2回の失敗があり、一時は絶体絶命の状況にまで追い込まれた。それでも、4m50を3回目にクリアして優勝を決めると、自己記録を6cm上回る4m78も2回目に成功させた。
「優勝が決まるまでは自分の跳躍ができなかったのですが、決まってからは思い切り跳びました」と振り返った岸本はその後さらに中学記録を上回る5m06にも挑戦。「さすがに高かったです」とさらなる記録更新はならなかったが、茨城の地で見せた跳躍に会場は大いに盛り上がった。
インタビューの最後には「これから高校生や大人になったとき、後輩たちや自分より下の世代が棒高跳に興味を持ってくれたり、棒高跳をする人が増えるような跳躍ができるようになりたいです」と大きな夢を語った岸本。陸上界に現れたニュースターは今後さらなる躍進を見せてくれるだろう。
■男子棒高跳中学歴代10傑
5.05i 古澤一生(新町3群馬) 2017年
4.92 笹瀬弘樹(新居3静岡) 2004年
4.90 浅野喜洋(広陵3+兵庫) 2001年
4.80 野呂仁人(玉城3三重) 2017年
4.78 岸本都夢(玉藻3香川) 2021年
4.76 小野真二(東陽3静岡) 1998年
4.75 岡田祐司(神戸長坂3兵庫) 1997年
4.75 松澤勝治(春富3長野) 2011年
4.73 鈴木将宏(浜松西部3静岡) 1995年
4.72 田邊広晃(浜松西部3+静岡) 1995年
◇1日目の優勝者
男子走高跳
関崎至流(長岡西3新潟) 1m93
清水情太郎(大石南3埼玉) 1m93
※両者優勝
男子棒高跳
岸本都夢(玉藻3香川) 4m78=大会新
女子走幅跳
成澤柚日(藪塚本町2群馬) 5m85(+2.9)

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