2021.06.21
◇インターハイ近畿大会(6月17日~20日/兵庫県神戸市)
夏のインターハイを懸けた地区予選となる近畿大会は6月17日から20日の4日間、兵庫県神戸市の神戸総合運動公園 ユニバー記念競技場で行われた。
圧巻の活躍を見せたのが河内瀬桜(東大阪大敬愛3大阪)。大阪府大会に続く女子400m、800m、400mハードル、4×400mリレー(4走)の4冠を達成した。個人種目での自己ベスト更新はならなかったものの、先頭から約15m差の4番手でバトンを受けたお家芸のマイルリレーでは、前をまとめてごぼう抜きする活躍でフィナーレを飾り、強豪がひしめく近畿で2006年から続く同種目の同校による15連勝を達成。さらに学校対抗でも初優勝を目指した大塚(大阪)を2点差で振り切り13連覇に貢献した。
「本当に疲れましたが、先輩から受け継いだ伝統を後輩たちにつなげてよかった」と笑顔を見せる河内。ハードスケジュールとなる近畿大会での女子400m・800m・400mハードルの個人3冠は、同校の先輩・石塚晴子(2015年、現・LAWSON)に続く2人目の快挙だった。
大会初日の400mでは、先輩の川田朱夏(現・東大阪大4)が2017年にマークした53秒93の大会記録更新を目指したものの、ホームストレートの強い向かい風に阻まれ54秒67にとどまり悔しさをにじませた河内。続く2、3日目に行われた400mハードルでは「前半からまったく脚が合わず冷や冷やしました」との言葉通り、10台目の手前まで59秒28で2位に入った内藤香乃(北摂三田2兵庫)に先行を許す苦しい展開。だが、最後は意地で抜き去り2冠目をゲットした。
3、4日目に行われた個人最後の800mは、「ライバルも多く、一番不安の大きな種目で決勝の前は緊張した」と話すも、積極的なレースで最後まで先頭を譲らず2分08秒13で逃げ切りV。最後はマイルで締め、4種目いずれも予選から決勝まで計12本、6000mを全力で駆け抜け実力を示した。
滴る汗をタオルでぬぐいつつ、「府大会の時より疲れました」とポツリ。それでも、「ハードルの技術面など課題もたくさん見つかったので、夏のインターハイまでにしっかり修正して臨みたい。インターハイは今回よりさらにきつくなると思います。4冠が目標ですが、なかでも400mとマイルは絶対に負けたくない」ときっぱり。宮崎から単身、マイルリレー日本一を夢見て敬愛の門を叩いた。「苦手」と話す暑さを克服し、夏の福井でどんな走りを見せるか。9度の4×400mリレー優勝を誇る『敬愛のエース』から目が離せない。
◇佐藤圭汰が1500mと5000m2冠……
男子1500mと5000mに出場した注目の佐藤圭汰(洛南3京都)は、1500mを3分43秒54の大会新で制し、5000mは独走の中で13分57秒64をマークして圧巻の2冠を獲得。男子の最優秀選手にも選出された。100mでは灘高(兵庫)の藤江琉雅が10秒56(+0.3)で優勝した。200mを制した大阪の山田雄大は、4×100mリレー、4×400mリレーの3冠。110mハードルでは追い風参考ながら13秒台(13秒96/+2.3)をマークした小池綾(大塚3大阪)が、14秒00の松本望(洛南3京都)を抑えた。小池は走高跳との2冠を達成している。
女子100mは南こはる(奈良学園美ヶ丘・奈良)、200mは坂本実南(和歌山北・和歌山)という1年生がそれぞれ優勝。女子最優秀選手には、三段跳を12m68(+0.9)の大会新で制した宮繁愛葉(大体大浪商3大阪)が選ばれた。
地区大会は全11地区で開催。各種目上位6名(競歩、女子棒高跳、三段跳、ハンマー投は上位4位、混成は3位+各地区4~6位の記録上位5名)が全国大会に出場。インターハイは7月28日から8月1日まで福井県で開催される。
文/花木 雫

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.06.19
競歩2種目代表の丸尾知司「感謝の気持ちを込めて55kmを」33歳ベテランが悲願のメダルへ
-
2025.06.19
-
2025.06.19
-
2025.06.17
2025.05.28
女子10000mがレース途中で異例の中断!! 大雨と雷の影響も選手困惑/アジア選手権
-
2025.06.04
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.06.19
フェイス・キピエゴン、女性初の1マイル4分切りを目指す“Breaking4” 歴史的瞬間を目撃するための観戦方法を発表!
ナイキは6月19日、契約アスリートであるフェイス・キピエゴン(ケニア)が女性初となる1マイル4分切りを目指すプロジェクト「Breaking4」に向けて、歴史的瞬間を目撃するための2つの観戦方法を発表した。 このプロジェク […]
2025.06.19
ナイキがフェイス・キピエゴンの新しいランニング コレクションを発表!
ナイキは6月19日、フェイス・キピエゴン(ケニア)とのパートナーシップにおいて、記録を塗りかえる比類なきスピード、ケニア人としてのプライド、アスリートであり母親として卓越性を追求する揺るぎない姿勢を反映したランニングシュ […]
2025.06.19
箱根駅伝出場校にオリジナル出場記念グッズの企画・販売を許可! 11月1日販売開始予定
関東学生陸上競技連盟は6月19日、来年1月の第102回箱根駅伝から本選出場校に「箱根駅伝」の名称やロゴを使用したオリジナル出場記念グッズの企画・販売を認めると発表した。6月10日の理事会で決定した。 一定のルールに従って […]
Latest Issue
最新号

2025年7月号 (6月13日発売)
詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会