HOME 国内、大学

2021.05.23

男子5000mは熾烈な争い! 1部は順大・三浦龍司が圧巻のスパート、2部は駒大・唐澤拓海が10000mに続く日本人トップ/関東IC
男子5000mは熾烈な争い! 1部は順大・三浦龍司が圧巻のスパート、2部は駒大・唐澤拓海が10000mに続く日本人トップ/関東IC


◇関東インカレ(5月20~23日/神奈川・相模原)

学生長距離の各チームの主力選手が顔をそろえた男子5000mは1部、2部いずれも熾烈な争いとなった。

1部はサムソン・ディランゴ(流経大)とジェームズ・ブヌカ(駿河台大)が引っ張るかたちで1000mを2分51秒、2000mは5分35秒で通過。ここから徐々に日本人は引き離されていく。注目の三浦龍司(順大)も日本人集団での勝負を選んだ。

広告の下にコンテンツが続きます

ケニア人留学生を追いかける集団を引いたのが5月4日の法大記録会で13分31秒52をマークした千明龍之佑(早大)。積極的な走りで、集団の人数を絞っていく。そして残り1周。バックストレートで千明が仕掛けて、一度は三浦を突き放した。

しかし、3000m障害日本記録保持者の19歳は動じない。「急激なペースアップではなかったので、間に合うかなという感覚でした」と三浦。残り200mからギアを入れ替えると、最後の直線で千明をかわしただけでなく、ブヌカも抜き去った。ディランゴが13分39秒92で10000mとの2冠を達成。圧倒的なキックを披露した三浦が自己ベストの13分48秒90で2位、千明が13分49秒32で3位に入った。

「今回の優先事項は日本人の中で勝ち切ることでしたが、最後に留学生もひとり抜くことができました。2種目にエントリーされた理由は総合優勝を狙うためにあったと思うので、しっかりと結果を残すことができて良かったです」

広告の下にコンテンツが続きます

1500mの優勝に続いて、5000mは日本人トップ。三浦の活躍もあり、順大は16年ぶりの総合優勝を果たした。

2部はイェゴン・ヴィンセント(東京国際大)が強風の中を独走。13分42秒54秒で制して、10000mとの2冠に輝いた。2位はノア・キプリモ(日本薬科大)で13分50秒42だった。

日本人トップ争いは残り1周で10000m3位の唐澤拓海(駒大)、鈴木聖人(明大)、鈴木芽吹(駒大)、吉田礼志(中央学大)の4人。残り300mで唐澤がスパートを放つと、最後の直線で鈴木が追い上げる。だが、唐澤はそのまま前を譲らず、駒大対決を制して13分53秒11で3位に入り、2種目で日本人トップを奪った。

3日前に行われた10000mの疲労があったという唐澤は、「集団のペースに合わせて走り、ラスト400mで出ようと思っていたんですけど、きつかったので残り300mから仕掛けました。狙い通りの展開で日本人トップになれて良かったです」と笑顔で汗を拭った。

今回は普段1段階上の練習をしているという同学年の鈴木にも先着。「自分も芽吹のように戦えるんじゃないかなという自信になりました。学生駅伝では主要区間で区間賞争いできるような選手になりたいです」と声を弾ませた。

一方の鈴木は学生ハーフ(2位)、日本選手権10000m(3位)と主要レースで結果を残してきたが、今大会は集中力を欠いた部分があったという。「これくらいは走れて当然。唐澤に勝たなきゃいけない」と悔しがった。関東インカレはエース田澤廉を温存したかたちになった駒大だが、2年生コンビが王者の貫禄を見せつけた。

文/酒井政人

◇関東インカレ(5月20~23日/神奈川・相模原) 学生長距離の各チームの主力選手が顔をそろえた男子5000mは1部、2部いずれも熾烈な争いとなった。 1部はサムソン・ディランゴ(流経大)とジェームズ・ブヌカ(駿河台大)が引っ張るかたちで1000mを2分51秒、2000mは5分35秒で通過。ここから徐々に日本人は引き離されていく。注目の三浦龍司(順大)も日本人集団での勝負を選んだ。 ケニア人留学生を追いかける集団を引いたのが5月4日の法大記録会で13分31秒52をマークした千明龍之佑(早大)。積極的な走りで、集団の人数を絞っていく。そして残り1周。バックストレートで千明が仕掛けて、一度は三浦を突き放した。 しかし、3000m障害日本記録保持者の19歳は動じない。「急激なペースアップではなかったので、間に合うかなという感覚でした」と三浦。残り200mからギアを入れ替えると、最後の直線で千明をかわしただけでなく、ブヌカも抜き去った。ディランゴが13分39秒92で10000mとの2冠を達成。圧倒的なキックを披露した三浦が自己ベストの13分48秒90で2位、千明が13分49秒32で3位に入った。 「今回の優先事項は日本人の中で勝ち切ることでしたが、最後に留学生もひとり抜くことができました。2種目にエントリーされた理由は総合優勝を狙うためにあったと思うので、しっかりと結果を残すことができて良かったです」 1500mの優勝に続いて、5000mは日本人トップ。三浦の活躍もあり、順大は16年ぶりの総合優勝を果たした。 2部はイェゴン・ヴィンセント(東京国際大)が強風の中を独走。13分42秒54秒で制して、10000mとの2冠に輝いた。2位はノア・キプリモ(日本薬科大)で13分50秒42だった。 日本人トップ争いは残り1周で10000m3位の唐澤拓海(駒大)、鈴木聖人(明大)、鈴木芽吹(駒大)、吉田礼志(中央学大)の4人。残り300mで唐澤がスパートを放つと、最後の直線で鈴木が追い上げる。だが、唐澤はそのまま前を譲らず、駒大対決を制して13分53秒11で3位に入り、2種目で日本人トップを奪った。 3日前に行われた10000mの疲労があったという唐澤は、「集団のペースに合わせて走り、ラスト400mで出ようと思っていたんですけど、きつかったので残り300mから仕掛けました。狙い通りの展開で日本人トップになれて良かったです」と笑顔で汗を拭った。 今回は普段1段階上の練習をしているという同学年の鈴木にも先着。「自分も芽吹のように戦えるんじゃないかなという自信になりました。学生駅伝では主要区間で区間賞争いできるような選手になりたいです」と声を弾ませた。 一方の鈴木は学生ハーフ(2位)、日本選手権10000m(3位)と主要レースで結果を残してきたが、今大会は集中力を欠いた部分があったという。「これくらいは走れて当然。唐澤に勝たなきゃいけない」と悔しがった。関東インカレはエース田澤廉を温存したかたちになった駒大だが、2年生コンビが王者の貫禄を見せつけた。 文/酒井政人

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.10.27

各地で都道府県高校駅伝続々開催 週末の3連休は30都府県 11月4日に都道府県代表決定

年末の全国高校駅伝の出場権を懸けた高校駅伝都道府県大会が各地で行われている。 今週は、明日10月28日の長崎をはじめ、平日にも順次実施され、週末の3連休(11月1日~3日)には一気に30都府県で開催。11月4日の埼玉をも […]

NEWS 男子は鳥栖工が16連覇 節目の50回目の都大路へ! 女子は佐賀清和が2年ぶりV/佐賀県高校駅伝

2025.10.27

男子は鳥栖工が16連覇 節目の50回目の都大路へ! 女子は佐賀清和が2年ぶりV/佐賀県高校駅伝

全国高校駅伝の出場権を懸けた佐賀県高校駅伝が10月26日、佐賀市立スポーツパーク川副多目的広場北道路を発着点とするコースで行われ、男子(7区間42.195km)は鳥栖工が2時間6分6秒で16年連続50回目の優勝を果たした […]

NEWS 関東学生連合チーム 個人枠選手が発表! 東大・秋吉拓真が2年連続選出 東大院・本多健亮もメンバー入り/箱根駅伝

2025.10.27

関東学生連合チーム 個人枠選手が発表! 東大・秋吉拓真が2年連続選出 東大院・本多健亮もメンバー入り/箱根駅伝

10月27日、関東学生陸上競技連盟は、第102回箱根駅伝にオープン参加で出場する関東学生連合チームの出場選手の一部を発表した。 関東学生連合チームは前回まで予選会の落選校の所属選手のうち、各校1名で、予選会個人順位の上位 […]

NEWS 世界陸上マラソン金のシンブ、ジェプチルチルらがノミネート 世界陸連年間最優秀選手スタジアム外部門の候補発表!

2025.10.27

世界陸上マラソン金のシンブ、ジェプチルチルらがノミネート 世界陸連年間最優秀選手スタジアム外部門の候補発表!

10月27日、世界陸連(WA)はワールド・アスレティクス・アワード2025「ワールド・アスリート・オブ・ザ・イヤー」のスタジアム外種目候補選手を発表した。 男子では9月の東京世界選手権マラソン金メダルのA.シンブ(タンザ […]

NEWS 11月22日、23日に奥能登で陸上教室を開催 朝原宣治さん、塚原直貴さん、君嶋愛梨沙らが被災地の子どもたちを指導

2025.10.27

11月22日、23日に奥能登で陸上教室を開催 朝原宣治さん、塚原直貴さん、君嶋愛梨沙らが被災地の子どもたちを指導

日本財団は10月27日、2024年の能登半島地震および水害で大きな被害を受けた石川県能登半島地域で、復興支援の一環として「奥能登陸上教室」を開催することを発表した。 日本財団では、アスリートとともに社会課題の解決に取り組 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年11月号 (10月14日発売)

2025年11月号 (10月14日発売)

東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望

page top