◇全国高校総体(インターハイ、7月25日~29日/広島・ホットスタッフフィールド広島)4日目
広島インターハイの4日目が行われ、女子800mは久保凛(東大阪大敬愛3)が2分02秒34でこの種目初の3連覇を達成した。
世界を目指す日本記録保持者が、高校最後の夏を仲間とともに目いっぱい駆け抜けた。暑熱対策のため、予選と3組によるタイムレース決勝となり、久保は3組に入った。「タイムは考えていなかった」と久保は、スタートから一気に先頭に立つと、予選と同じく400mを59秒で通過。その後は影を踏ませぬ貫禄勝ちだった。
「あまりプレッシャーはなくて、絶対に3連覇したいと思っていました。率直にうれしいです」。以前から違和感のある左膝も万全ではないなか、1500mでも3位(日本人最上位)と奮闘。仲間とともに戦う最後の夏を走り抜けた。
全中覇者として高校陸上界に乗り込んできた1年目は2分06秒41で優勝。“日本選手権者”となった直後の記録会で、日本女子初の2分切りとなる1分59秒93の日本記録保持者になった。そうして迎えた昨年は、2分00秒81の大会新で連覇を果たしている。
世界選手権を目指してスタートした今年。シーズン序盤は参加標準記録や世界を意識するあまり、伸び伸びした走りができず苦しんだ。「原点に戻ろう」。野口雅嗣先生の言葉に肩の荷が下りた。アジア選手権で“挑戦者”に戻り、インターハイ近畿大会で“高校生”に戻った。
7月の日本選手権では自身の日本記録(1分59秒93)を塗り替える1分59秒52で2連覇。目指す場所は違っても、仲間とともに戦う久保にとって「インターハイは一番大きな大会」だという。「こんなに応援してくれる中で走れることはありません。インターハイが終わっちゃうのはすごく寂しいです」。
目標の一つだった学校対抗の総合には厳しい戦いとなったが、3年間を通して「タイムも伸びて自分でも成長できたと感じています」と充実の表情を浮かべる。
中学時代から逸材として陸上界では知られていたが、一般的にはどれだけ活躍しても“久保建英のいとこ”という肩書きが先にきた。いつしかそれはなくなり、日本陸上界のスター“久保凛”として周知された。自らの努力、走り、結果で。レース後、一人ひとり、特に小学生や中学生に対して丁寧にサインをしていた。画数の多い名前、「そろそろサインを考えないとですよね」と笑っていたが、そうした言動も人間性を表している。
次は、また“世界”への挑戦だ。まだ参加標準記録は届いていないが、ワールドランキングでもターゲットナンバー(出場枠)に入っており、このままいけば自国開催の世界選手権に初出場となる。「出場したら世界と勝負して1本でも多く走りたい」。17歳の“熱い夏”はもうしばらく続きそうだ。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2026.11.06
編集部コラム「感動」
2026.11.06
【男子三段跳】長尾一輝(洛南高3)15m81=高校歴代8位タイ
2026.11.06
〝虎視眈々〟と初マラソンへ、HOKAアスリート・近藤幸太郎の新たな挑戦
2026.11.06
2026.11.06
2026.11.06
2026.10.31
【大会結果】第58回全日本大学駅伝(2026年11月1日)
2026.11.01
2026.10.31
2026.10.31
2026.11.01
2026.10.17
2026.10.08
2026.10.17
Latest articles 最新の記事
2026.11.06
編集部コラム「感動」
毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]
2026.11.06
【男子三段跳】長尾一輝(洛南高3)15m81=高校歴代8位タイ
京都私学総体が11月6日、京都市のたけびしスタジアム京都で行われ、男子三段跳で長尾一輝(洛南高3京都)が高校歴代8位タイとなる15m81(+1.7)をマークした。 長尾は昨年、広島インターハイで自己新(15m30)を出し […]
2026.11.06
〝虎視眈々〟と初マラソンへ、HOKAアスリート・近藤幸太郎の新たな挑戦
大学・実業団ではチームのエースとして駅伝で活躍 近藤幸太郎というランナーを語る上で欠かせないのが、学生駅伝だ。愛知・豊川工業高校を卒業後、駅伝の名門・青山学院大学へ進学。 大学入学当初は世界やマラソン挑戦などは見据えず、 […]
2026.11.06
後藤大樹 シーズン最後は走幅跳で7m10!「楽しくやれました」と笑顔の自己新締め
男子400mの高校記録更新から中2日、後藤大樹(洛南高2年京都)が京都府私学総体(11月6日/たけびしスタジアム京都)で男子走幅跳に出場した。4回目に自己新となる7m10(+0.9)をマークして優勝。400mハードルで日 […]
2026.11.06
競歩指導者の鈴木茂雄氏が78歳で他界 競歩界の発展に尽力、日本陸連競歩部長など歴任
競歩指導者の鈴木茂雄氏が11月3日に病気のため亡くなった。78歳だった。 鈴木氏は東京都荒川区出身。区役所に勤務しながら競歩の指導に携わり、小坂忠広、園原健弘、今村文男といったオリンピアン、指導者として活躍する三浦康二氏 […]
Latest Issue
最新号

2026年11月号 (10月14日発売)
アジア大会総特集
駅伝プレビュー

