HOME 国内、高校

2025.07.28

久保凛、輝いた17歳の夏 高校最後の大舞台「すごく寂しい」800m史上初の3連覇達成/広島IH
久保凛、輝いた17歳の夏 高校最後の大舞台「すごく寂しい」800m史上初の3連覇達成/広島IH

インターハイ女子800mで史上初の3連覇を成し遂げた久保凛

◇全国高校総体(インターハイ、7月25日~29日/広島・ホットスタッフフィールド広島)4日目

広島インターハイの4日目が行われ、女子800mは久保凛(東大阪大敬愛3)が2分02秒34でこの種目初の3連覇を達成した。

広告の下にコンテンツが続きます

世界を目指す日本記録保持者が、高校最後の夏を仲間とともに目いっぱい駆け抜けた。暑熱対策のため、予選と3組によるタイムレース決勝となり、久保は3組に入った。「タイムは考えていなかった」と久保は、スタートから一気に先頭に立つと、予選と同じく400mを59秒で通過。その後は影を踏ませぬ貫禄勝ちだった。

「あまりプレッシャーはなくて、絶対に3連覇したいと思っていました。率直にうれしいです」。以前から違和感のある左膝も万全ではないなか、1500mでも3位(日本人最上位)と奮闘。仲間とともに戦う最後の夏を走り抜けた。

全中覇者として高校陸上界に乗り込んできた1年目は2分06秒41で優勝。“日本選手権者”となった直後の記録会で、日本女子初の2分切りとなる1分59秒93の日本記録保持者になった。そうして迎えた昨年は、2分00秒81の大会新で連覇を果たしている。

世界選手権を目指してスタートした今年。シーズン序盤は参加標準記録や世界を意識するあまり、伸び伸びした走りができず苦しんだ。「原点に戻ろう」。野口雅嗣先生の言葉に肩の荷が下りた。アジア選手権で“挑戦者”に戻り、インターハイ近畿大会で“高校生”に戻った。

7月の日本選手権では自身の日本記録(1分59秒93)を塗り替える1分59秒52で2連覇。目指す場所は違っても、仲間とともに戦う久保にとって「インターハイは一番大きな大会」だという。「こんなに応援してくれる中で走れることはありません。インターハイが終わっちゃうのはすごく寂しいです」。

目標の一つだった学校対抗の総合には厳しい戦いとなったが、3年間を通して「タイムも伸びて自分でも成長できたと感じています」と充実の表情を浮かべる。

中学時代から逸材として陸上界では知られていたが、一般的にはどれだけ活躍しても“久保建英のいとこ”という肩書きが先にきた。いつしかそれはなくなり、日本陸上界のスター“久保凛”として周知された。自らの努力、走り、結果で。レース後、一人ひとり、特に小学生や中学生に対して丁寧にサインをしていた。画数の多い名前、「そろそろサインを考えないとですよね」と笑っていたが、そうした言動も人間性を表している。

次は、また“世界”への挑戦だ。まだ参加標準記録は届いていないが、ワールドランキングでもターゲットナンバー(出場枠)に入っており、このままいけば自国開催の世界選手権に初出場となる。「出場したら世界と勝負して1本でも多く走りたい」。17歳の“熱い夏”はもうしばらく続きそうだ。

◇全国高校総体(インターハイ、7月25日~29日/広島・ホットスタッフフィールド広島)4日目 広島インターハイの4日目が行われ、女子800mは久保凛(東大阪大敬愛3)が2分02秒34でこの種目初の3連覇を達成した。 世界を目指す日本記録保持者が、高校最後の夏を仲間とともに目いっぱい駆け抜けた。暑熱対策のため、予選と3組によるタイムレース決勝となり、久保は3組に入った。「タイムは考えていなかった」と久保は、スタートから一気に先頭に立つと、予選と同じく400mを59秒で通過。その後は影を踏ませぬ貫禄勝ちだった。 「あまりプレッシャーはなくて、絶対に3連覇したいと思っていました。率直にうれしいです」。以前から違和感のある左膝も万全ではないなか、1500mでも3位(日本人最上位)と奮闘。仲間とともに戦う最後の夏を走り抜けた。 全中覇者として高校陸上界に乗り込んできた1年目は2分06秒41で優勝。“日本選手権者”となった直後の記録会で、日本女子初の2分切りとなる1分59秒93の日本記録保持者になった。そうして迎えた昨年は、2分00秒81の大会新で連覇を果たしている。 世界選手権を目指してスタートした今年。シーズン序盤は参加標準記録や世界を意識するあまり、伸び伸びした走りができず苦しんだ。「原点に戻ろう」。野口雅嗣先生の言葉に肩の荷が下りた。アジア選手権で“挑戦者”に戻り、インターハイ近畿大会で“高校生”に戻った。 7月の日本選手権では自身の日本記録(1分59秒93)を塗り替える1分59秒52で2連覇。目指す場所は違っても、仲間とともに戦う久保にとって「インターハイは一番大きな大会」だという。「こんなに応援してくれる中で走れることはありません。インターハイが終わっちゃうのはすごく寂しいです」。 目標の一つだった学校対抗の総合には厳しい戦いとなったが、3年間を通して「タイムも伸びて自分でも成長できたと感じています」と充実の表情を浮かべる。 中学時代から逸材として陸上界では知られていたが、一般的にはどれだけ活躍しても“久保建英のいとこ”という肩書きが先にきた。いつしかそれはなくなり、日本陸上界のスター“久保凛”として周知された。自らの努力、走り、結果で。レース後、一人ひとり、特に小学生や中学生に対して丁寧にサインをしていた。画数の多い名前、「そろそろサインを考えないとですよね」と笑っていたが、そうした言動も人間性を表している。 次は、また“世界”への挑戦だ。まだ参加標準記録は届いていないが、ワールドランキングでもターゲットナンバー(出場枠)に入っており、このままいけば自国開催の世界選手権に初出場となる。「出場したら世界と勝負して1本でも多く走りたい」。17歳の“熱い夏”はもうしばらく続きそうだ。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

         

Latest articles 最新の記事

2026.02.02

SUBARU・口町亮が今年度限りで引退 15年全日本大学駅伝MVP 15日の青梅マラソンがラストレース

2月2日、SUBARUは所属する口町亮が今年度限りで現役を退くことを発表した。 口町は埼玉県出身の31歳。市立川口高(現・川口市立高)から本格的に陸上を始め、高校3年時には5000mと3000m障害の2種目でインターハイ […]

NEWS 最後の箱根路/早大・間瀬田純平 最後は“持ち場”離れるも「4年間箱根を走れて幸せだった」

2026.02.02

最後の箱根路/早大・間瀬田純平 最後は“持ち場”離れるも「4年間箱根を走れて幸せだった」

第102回箱根駅伝で力走した選手たちがいる。優勝を手にしたり、区間賞に輝いたりした選手以外にもそれぞれの思いを胸に、タスキをつないだ。最終学年として迎えた選手たちの“最後”の奮闘を紹介する。 慣れ親しんだ“持ち場” 早大 […]

NEWS 大阪マラソン 平林清澄、細谷恭平らが招待  エリート枠に相澤晃、吉田響、横田俊吾ら 海外勢は前回Vアダンが登録

2026.02.02

大阪マラソン 平林清澄、細谷恭平らが招待 エリート枠に相澤晃、吉田響、横田俊吾ら 海外勢は前回Vアダンが登録

2月2日、大阪マラソン組織委員会が大阪マラソン2026(第14回大会/2月23日・大阪)のエントリー選手を発表した。 同大会の男子はMGCシリーズのG1大会、女子G2大会に指定されているほか、9月のアジア大会の代表選考会 […]

NEWS 山本有真とコラントッテがアドバイザリー契約を締結「これからも応援いただけるランナーを目指して」

2026.02.02

山本有真とコラントッテがアドバイザリー契約を締結「これからも応援いただけるランナーを目指して」

磁気健康ギア「Colantotte(コラントッテ)」の製造・販売を手掛ける株式会社コラントッテ(大阪市中央区)は、女子長距離の山本有真(積水化学)とアドバイザリー契約を締結したことを発表した。 山本は愛知県出身の25歳。 […]

NEWS 大東大・守祐陽が今春から渡辺パイプに内定 100m10秒00、東京世界陸上代表

2026.02.02

大東大・守祐陽が今春から渡辺パイプに内定 100m10秒00、東京世界陸上代表

昨年の東京世界選手権男子100m代表で、10秒00のベストを持つ守祐陽(大東大)が、今春から渡辺パイプに入社することが関係者への取材でわかった。 守は千葉県出身。市船橋高ではインターハイで100m8位に入ったほか、4×1 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年2月号 (1月14日発売)

2026年2月号 (1月14日発売)

EKIDEN Review
第102回箱根駅伝
ニューイヤー駅伝
全国高校駅伝
全国中学校駅伝
富士山女子駅伝

page top