◇パリ五輪・陸上競技(8月1日~11日/フランス・パリ)8日目
パリ五輪・陸上競技8日目は5種目で決勝が行われた。
中でも注目を集めたのが、女子400mハードルの世界記録(50秒65)を保持するシドニー・マクローリン・レヴロン(米国)とブダペスト世界選手権覇者で50秒95の記録(世界歴代2位)を持つフェムケ・ボル(オランダ)。50秒台ハードラーによる〝世紀の対決〟にスタジアムが沸いた。
前半はこの2人が競り合い、超高速レースに。しかし、後半はボルのリズムが崩れて、徐々に差が開いていく。終盤はマクローリン・レヴロンの独壇場となり、フィニッシュタイムにスタジアムが騒然とした。
優勝タイムは自身が持つ五輪記録(51秒46)と世界記録(50秒65)を大幅に塗り替える50秒37。頂上決戦はマクローリン・レヴロンの衝撃的な完勝となった。2位はブダペスト世界選手権5位のアナ・コックレル(米国)が世界歴代4位の51秒87をマーク。ボルは52秒15の3位だった。
トラックは他に2種目で決勝。男子200mは100mで金メダルを獲得したノア・ライルズ(米国)に注目が集まったレース。前半は準決勝を唯一19秒台で駆け抜けたレツィレ・テボゴ(ボツワナ)とケネス・ベドナレク(米国)がトップ争いを繰り広げる。
中盤からライルズが浮上してきたが、終盤はデボゴが強かった。米国勢を引き離して、世界歴代5位となる19秒46(+0.4)のアフリカ記録で優勝。母国に五輪史上初めての金メダルをもらした。
2位は19秒62のベドナレクで、東京五輪に続いての銀メダル。ライルズは、19秒70の3位に終わり、レース後に新型コロナウイルスの陽性反応が出ていたことを明らかにした。
男子110mハードルは世界選手権を3連覇中のグラント・ホロウェイ(米国)が序盤で抜け出すと、悲願の金メダルに突き進む。後半は誰も寄せつけず、12秒99(-0.1)で圧勝。2位以降は大混戦になり、ダニエル・ロバーツ(米国)とラシード・ブロードベル(ジャマイカ)が13秒09で同タイムだったが、着差ありでロバーツが銀メダル、ブロードベルが銅メダルとなった。
日本勢でこの種目初めて五輪決勝に進んだ村竹ラシッド(JAL)は13秒21で5位に食い込んだ。
女子走幅跳はブダペスト世界選手権2位のタラ・デイヴィス・ウッドホール(米国)が先制攻撃。2回目に大台突破となる7m05(+1.1)をマークすると、4回目に7m10(+0.8)をジャンプした。
一方、オレゴン世界選手権覇者のマライカ・ミハンボ(ドイツ)が3回目に6m95(+0.4)、5回目に6m98(+0.5)と徐々に記録を伸ばすも、7mには届かない。デイヴィス・ウッドホールの金メダルが決まった。
ミハンボは史上初の五輪連覇はならなかったが、銀メダルを獲得。3位には1回目に6m96(+0.2)をマークしたジャスミン・ムーア(米国)が入り、三段跳に続いての銅メダルを獲得した。
男子やり投はブダペスト世界選手権2位のアルシャド・ナディーム(パキスタン)が驚異の快投を披露。2投目に92m97(世界歴代6位)の五輪新を投げ込んだ。
ブダペスト世界選手権王者のニーラジ・チョプラ(インド)は2投目にシーズンベストの89m45をマークするも、残り5本はファウルに終わった。五輪連覇を目指したチョプラが2位、3位はアンダーソン・ビータース(グレナダ)で88m54だった。優勝を決めたナディームは最終6投目も91m79をマーク。27歳の新王者が圧倒的な強さを見せつけた。
このほか、モーニングセッションで行われた男子4×100mリレー予選では、日本が38秒06で組4着。着順(3着まで)での通過はならなかったが、プラスで決勝進出を決めた。女子100mハードル敗者復活戦では田中佑美(富士通)が12秒89(-0.2)で組2着に入り、準決勝進出を果たした。
イブニングセッションで行われた女子1500m準決勝では田中希実(New Balance)が組11着で2大会連続の決勝進出こそならなかったが、セカンドベストの3分59秒70をマーク。3年前の東京大会以来となる4分切りを果たした。
【動画】女子400mH 驚異的な世界新レースをチェック!
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