◇パリ五輪・陸上競技(8月1日~11日/フランス・パリ)8日目
パリ五輪・陸上競技8日目のモーニングセッションで男子4×100mリレーが行われ、日本は38秒06の4着ながら、プラスの2番目で拾われて7大会連続の決勝を決めた。日本の入った組がタイム上位で、全体でも米国、南アフリカ、英国に次ぐ4番目のタイムだった。
世界リレーの予選と同様にエースのサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)を1走を配する“先行型”のオーダーで勝負に出た。100mで準決勝に進んで9秒96の自己新を出したサニブラウン。「身体をほぐして今日動けるように」と調整した。米国のクリスチャン・コールマンよりも速いスプリットタイム10秒32。「まずまずだと思います」と振り返る。
「緊張しまくって全然話さなかったですよ」とサニブラウンから“チクリ”が入ったのが2走で最年少の栁田大輝(東洋大)。2人のバトンパスはやや近くなり、サニブラウンの手をつかみそうになるなど一瞬ヒヤリ。「ちょっともたついた感じはありました」と言うと、後ろにいたサニブラウン、桐生祥秀(日本生命)、上山紘輝(住友電工)という“お兄さん”たちの視線に気づき、「僕がちゃんともらえなかった」と苦笑いすると、先輩3人も笑った。
国内合宿からダイヤモンドリーグ・ロンドンと、ほぼ固定で調整されてきた栁田と桐生。風向きもあり「ちょっと足長を縮めた」(栁田)と、まずは安全バトンで渡し合った。
「しっかり加速できました」と桐生。3大会連続の五輪で、メダルの歓喜も途中棄権の悔しさも知る男は「記者の方の数もこれだけ多い。やっぱり4年に一度のオリンピックは素晴らしい舞台」と噛み締めつつ、「僕と栁田はこれ(リレー)をしに来た。明日はもっと良い走りをしないと意味がない」と気を日k締める。
200mを予選、敗者復活戦と2本走った上山は「着順で通れなかったのは悔しいですが、残れて良かった」。フランスの猛追をしっかりしのぎ切った。昨年はブダペスト世界選手権の出場権獲得に貢献したが本番は立てなかっただけに「本当に走れて良かった」と喜びを語る。
土江寛裕T&Fディレクターは「予選から“死の組”と言えるところに入り、実際に結果的にも偏っていました。その中で1走でリードしたかった」ことと、「100mのあと中3日で入ること」を考え、世界リレー(バハマ)と同じサニブラウン1走起用の理由を明かす。
予選を終え、「できれば着順で通って良いレーンがほしかったので、もう少し前で展開したかった」というが、「メダル圏内。バトンも改善できる」と収穫もあった。決勝については「(走順は)何通りの準備もしてきたので、予選のメンバーにこだわず、決勝は決勝でベストのオーダーで臨める。レーンを加味して適切なオーダーを考えたい」と話す。
「メダルを獲得しにきている。何も考えず練習通りすればいい」と桐生。「ちゃんとメダルを取って帰りたい。決勝はこれ以上の走りをしたい。チームみんなで上げていきたい」とサニブラウン。
バントを通して脈々と受け継がれてきた日本のリレーの強さ。ここ3年の世界大会メダルなしの悔しさを晴らす時が来た。
男子4×100mリレー決勝は日本時間9日深夜2時47分に行われる。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.06.16
競歩・山西利和が愛知県スポーツ功労賞を受賞!20km競歩世界記録樹立が評価
-
2025.06.11
2025.05.28
女子10000mがレース途中で異例の中断!! 大雨と雷の影響も選手困惑/アジア選手権
-
2025.06.04
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.06.16
競歩・山西利和が愛知県スポーツ功労賞を受賞!20km競歩世界記録樹立が評価
愛知県スポーツ顕彰授与式が6月16日に行われ、男子競歩の山西利和(愛知製鋼)がスポーツ功労賞を受賞した。 同賞は愛知県出身、もしくは県内を拠点としている選手に贈られるもので、2月の日本選手権20km競歩で1時間16分10 […]
2025.06.16
砲丸投・大垣尊良ビッグショットなるか 女子短距離は山崎心愛に注目 男子中長距離は吉田星が軸/IH北海道
広島インターハイ(7月25日~29日)を懸けた地区大会が6月に各地で開催される。 インターハイ北海道地区大会は6月17日から20日まで、旭川花咲スポーツ公園陸上競技場で行われる。 広告の下にコンテンツが続きます 昨年、男 […]
2025.06.16
100mH・石原南菜が13秒33!地元で高校歴代2位・U18日本新・高2歴代最高の激走/IH北関東
◇インターハイ北関東地区大会(6月13~16日/カンセキスタジアムとちぎ、栃木県総合運動公園多目的広場投てき場)最終日 広島インターハイ出場を懸けた北関東地区大会の最終日の4日目が行われ、女子100mハードルで石原南菜( […]
Latest Issue
最新号

2025年7月号 (6月13日発売)
詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会