2020.08.07
平成以降の箱根駅伝を振り返る「PlayBack箱根駅伝」。今回は神奈川大が初優勝を果たした第73回大会(1997年)を紹介する。大会の歴史を知ることで、正月の箱根路がより楽しみになるかも!?
前年途中棄権の神奈川大、山梨学大が意地のワン・ツー
出雲駅伝で上位を占めた早大と中大、全日本大学駅伝で1位、2位だった神奈川大と山梨学大が優勝候補に挙げられた第73回大会。前年まで47回連続出場中だった古豪・日大が予選落ちを喫した一方で、拓大が13年ぶりに予選会突破を果たした。
1区では山梨学大のソロモン・ワチーラ(2年)が序盤で抜け出して独走態勢を作ったが、16.7kmで集団に吸収。区間賞争いは6人に絞られ、早大の梅木蔵雄(3年)がトップで鶴見中継所に飛び込んだ。2位は大東大(萩原英之/2年)、3位は神奈川大(高津智一/3年)、4位は東洋大(永井謙二/4年)と続いた。
2区では前回大会でまさかの途中棄権に泣いた山梨学大の中村祐二(4年)がすばらしい走りを見せた。強烈な向かい風の中を突き進み、9位から8人をゴボウ抜き。区間2位に1分以上の差をつける区間賞の走りで首位へ浮上した。
山梨学大は3区でも松下康二(1年)が区間1位の走りで首位を疾走したが、4区では神奈川大の藤本大輔(4年)が区間2位の好走で山梨学大を逆転。小田原中継所では1分23秒差をつけた。後続は熾烈を極め、2位に上がった早大から3位の大東大、4位の山梨学大、5位の中大までが2秒差という大接戦。なお、この区間を制した中大の榎木和貴(4年)は史上14人目となる4年連続区間賞を達成した。
5区でも神奈川大が首位を独走。1年時からこの区間で区間2位、1位、2位とずば抜けた安定感を見せてきた近藤重勝(4年)が2度目の区間賞で初の往路優勝テープを切った。往路2位は2分08秒差で中大、3位が大東大、4位早大、5位山梨学大と続いた。
神奈川大は復路でもブレーキすることなくタスキをつなぎ、最後は10区の今泉勝彦(4年)が区間賞の走りで初の総合優勝を決めた。1区から10区まで区間3位以内が8人、残り2人も同4位、5位という圧勝劇だった。
2位争いは復路で激しく順位が入れ替わり、8区で古田哲弘(1年)の区間新記録があった山梨学大が総合2位を確保。大東大が連覇を果たした1991年以来となるトップ3を果たし、前回1位、2位だった中大と早大が4位、5位と続いた。
6位は6区以降の5人全員が区間2位という成績で初の復路優勝を飾った駒大。大八木弘明コーチ(現・監督)の就任2年目で大きな成果をあげた。7位の東洋大は12年ぶりのシード権獲得。前回3位の順大はぎりぎりシード権確保の9位と苦戦したが、9区の浜野健(4年)が区間新記録と見せ場を作った。そのほか、11位の専大は6区の小栗一秀(4年)が4度目の山下りで区間記録を14秒更新する新記録を樹立した。
<人物Close-up>
近藤重勝(神奈川大4)
神奈川大の5区を4年間務め、区間賞2回、区間2位2回と抜群の成績を誇った“山の職人”。箱根駅伝以外にも全日本大学駅伝で2度区間賞を獲得するなど、チームの黄金期を牽引した。大学卒業後はエスビー食品で競技を続け、30歳で引退。その翌年には松蔭大の監督に就任し、2012年には上武大のコーチへ。16年にはエスビー食品の先輩だった花田勝彦前監督(現・GMOアスリーツ)の後を継いで同大を指揮官として率いている。
<総合成績>
1位 神奈川大学 11.14.02(往路1位、復路2位)
2位 山梨学院大学 11.22.20(往路5位、復路3位)
3位 大東文化大学 11.23.49(往路3位、復路6位)
4位 中央大学 11.24.32(往路2位、復路11位)
5位 早稲田大学 11.25.25(往路4位、復路5位)
6位 駒澤大学 11.28.00(往路9位、復路1位)
7位 東洋大学 11.31.39(往路6位、復路10位)
8位 東海大学 11.34.25(往路7位、復路9位)
9位 順天堂大学 11.35.11(往路8位、復路7位)
========シード権ライン=========
10位 日本体育大学 11.38.38(往路10位、復路8位)
11位 専修大学 11.41.33(往路13位、復路4位)
12位 亜細亜大学 11.45.59(往路11位、復路13位)
13位 拓殖大学 11.49.02(往路14位、復路12位)
14位 法政大学 11.54.56(往路15位、復路14位)
15位 東京農業大学 11.57.55(往路12位、復路15位)
<区間賞>
1区(21.3km)梅木蔵雄(早 大3) 1.04.57
2区(23.0km)中村祐二(山梨学大4)1.11.00
3区(21.3km)松下康二(山梨学大1)1.08.16
4区(20.9km)榎木和貴(中 大4) 1.06.03
5区(20.7km)近藤重勝(神奈川大4)1.13.31
6区(20.7km)小栗一秀(専 大4) 59.07=区間新
7区(21.2km)小林雅幸(早 大4) 1.03.13
8区(21.3km)古田哲弘(山梨学大1)1.04.05=区間新
9区(23.0km)浜野 健(順 大4) 1.09.30=区間新
10区(21.3km)今泉勝彦(神奈川大4)1.06.25
PlayBack箱根駅伝1996/古豪・中大が最多14度目のV
【学生駅伝ストーリー】77歳の“新指揮官”青葉監督が目指す名門・日大「箱根シード権への道」
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【学生駅伝ストーリー】相澤晃を育てた「ガクセキ・メソッド」と東洋大での4年間
5区区間賞の活躍で初の往路優勝・総合優勝に貢献した近藤重勝
平成以降の箱根駅伝を振り返る「PlayBack箱根駅伝」。今回は神奈川大が初優勝を果たした第73回大会(1997年)を紹介する。大会の歴史を知ることで、正月の箱根路がより楽しみになるかも!?
【写真で振り返る】第73回箱根駅伝(1997年)
前年途中棄権の神奈川大、山梨学大が意地のワン・ツー
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1区では山梨学大のソロモン・ワチーラ(2年)が序盤で抜け出して独走態勢を作ったが、16.7kmで集団に吸収。区間賞争いは6人に絞られ、早大の梅木蔵雄(3年)がトップで鶴見中継所に飛び込んだ。2位は大東大(萩原英之/2年)、3位は神奈川大(高津智一/3年)、4位は東洋大(永井謙二/4年)と続いた。
2区では前回大会でまさかの途中棄権に泣いた山梨学大の中村祐二(4年)がすばらしい走りを見せた。強烈な向かい風の中を突き進み、9位から8人をゴボウ抜き。区間2位に1分以上の差をつける区間賞の走りで首位へ浮上した。
山梨学大は3区でも松下康二(1年)が区間1位の走りで首位を疾走したが、4区では神奈川大の藤本大輔(4年)が区間2位の好走で山梨学大を逆転。小田原中継所では1分23秒差をつけた。後続は熾烈を極め、2位に上がった早大から3位の大東大、4位の山梨学大、5位の中大までが2秒差という大接戦。なお、この区間を制した中大の榎木和貴(4年)は史上14人目となる4年連続区間賞を達成した。
5区でも神奈川大が首位を独走。1年時からこの区間で区間2位、1位、2位とずば抜けた安定感を見せてきた近藤重勝(4年)が2度目の区間賞で初の往路優勝テープを切った。往路2位は2分08秒差で中大、3位が大東大、4位早大、5位山梨学大と続いた。
神奈川大は復路でもブレーキすることなくタスキをつなぎ、最後は10区の今泉勝彦(4年)が区間賞の走りで初の総合優勝を決めた。1区から10区まで区間3位以内が8人、残り2人も同4位、5位という圧勝劇だった。
2位争いは復路で激しく順位が入れ替わり、8区で古田哲弘(1年)の区間新記録があった山梨学大が総合2位を確保。大東大が連覇を果たした1991年以来となるトップ3を果たし、前回1位、2位だった中大と早大が4位、5位と続いた。
6位は6区以降の5人全員が区間2位という成績で初の復路優勝を飾った駒大。大八木弘明コーチ(現・監督)の就任2年目で大きな成果をあげた。7位の東洋大は12年ぶりのシード権獲得。前回3位の順大はぎりぎりシード権確保の9位と苦戦したが、9区の浜野健(4年)が区間新記録と見せ場を作った。そのほか、11位の専大は6区の小栗一秀(4年)が4度目の山下りで区間記録を14秒更新する新記録を樹立した。
<人物Close-up>
近藤重勝(神奈川大4)
神奈川大の5区を4年間務め、区間賞2回、区間2位2回と抜群の成績を誇った“山の職人”。箱根駅伝以外にも全日本大学駅伝で2度区間賞を獲得するなど、チームの黄金期を牽引した。大学卒業後はエスビー食品で競技を続け、30歳で引退。その翌年には松蔭大の監督に就任し、2012年には上武大のコーチへ。16年にはエスビー食品の先輩だった花田勝彦前監督(現・GMOアスリーツ)の後を継いで同大を指揮官として率いている。
<総合成績>
1位 神奈川大学 11.14.02(往路1位、復路2位)
2位 山梨学院大学 11.22.20(往路5位、復路3位)
3位 大東文化大学 11.23.49(往路3位、復路6位)
4位 中央大学 11.24.32(往路2位、復路11位)
5位 早稲田大学 11.25.25(往路4位、復路5位)
6位 駒澤大学 11.28.00(往路9位、復路1位)
7位 東洋大学 11.31.39(往路6位、復路10位)
8位 東海大学 11.34.25(往路7位、復路9位)
9位 順天堂大学 11.35.11(往路8位、復路7位)
========シード権ライン=========
10位 日本体育大学 11.38.38(往路10位、復路8位)
11位 専修大学 11.41.33(往路13位、復路4位)
12位 亜細亜大学 11.45.59(往路11位、復路13位)
13位 拓殖大学 11.49.02(往路14位、復路12位)
14位 法政大学 11.54.56(往路15位、復路14位)
15位 東京農業大学 11.57.55(往路12位、復路15位)
<区間賞>
1区(21.3km)梅木蔵雄(早 大3) 1.04.57
2区(23.0km)中村祐二(山梨学大4)1.11.00
3区(21.3km)松下康二(山梨学大1)1.08.16
4区(20.9km)榎木和貴(中 大4) 1.06.03
5区(20.7km)近藤重勝(神奈川大4)1.13.31
6区(20.7km)小栗一秀(専 大4) 59.07=区間新
7区(21.2km)小林雅幸(早 大4) 1.03.13
8区(21.3km)古田哲弘(山梨学大1)1.04.05=区間新
9区(23.0km)浜野 健(順 大4) 1.09.30=区間新
10区(21.3km)今泉勝彦(神奈川大4)1.06.25
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