2026.04.26
第46回ロンドンマラソンが4月26日に英国で行われ、セバスチャン・サウェ(ケニア)が1時間59分30秒で優勝した。23年にケルヴィン・キプトゥム(ケニア)が打ち立てた世界記録(2時間0分35秒)を1分以上も更新するとともに、史上初となる公認レースでのマラソン2時間切りを達成した。
サウェは31歳。ケニアではジュニア期から活躍する選手が多いなか、国際舞台で頭角を現したのは27歳と遅咲きだった。22年ダイヤモンドリーグの1時間走で21,250mのケニア記録を樹立し、一躍注目されるようになった。
22年から23年にかけては各地のハーフマラソンで優勝を重ね、23年の世界ロードランニング選手権で金メダルを獲得。マラソンでは24年のバルセロナで2時間2分05秒をマークし鮮烈なデビューを飾ると、前回のロンドンでは2時間2分27秒、25年9月のベルリンでは2時間2分16秒と、3戦連続で2時間2分台を記録。「マラソン2時間切り」に最も近いランナーと目されていた。
今大会にはサウェのほか、ハーフマラソン世界記録保持者のジャコブ・キプリモ、5000m・10000m世界記録保持者で五輪・世界選手権累計7個のメダルを持つジョシュア・チェプテゲイのウガンダ勢、東京五輪10000m銀メダルのヨミフ・ケジェルチャ(エチオピア)が初マラソンに挑むなど、頂上決戦の様相を呈した。
レースはペースメーカーが10kmを28分35秒、20kmを57分21秒で通過する安定したハイペースで進行。有力選手は中間点を1時間0分29秒で通過し、この時点で世界記録をわずかに上回るペースとなった。25km付近ではサウェ、キプリモ、ケジェルチャら6人が先頭集団を形成。30kmでも大きな動きはなく、互いに仕掛けどころを探る展開が続いた。
レースが動いたのは30km。ペースメーカーが外れるとサウェとケジェルチャが一気にペースを引き上げ、チェプテゲイは食らいついたものの徐々に後退。30kmから35kmは13分54秒、さらに35kmから40kmは13分42秒とペースアップ。この時点で世界記録だけでなく、一気に1時間台が現実味を帯び、沿道のファンからの声援も一段と大きくなる。
サウェは40km以降もスパートを継続し、41km手前でケジェルチャを突き放すと、そのままフィニッシュテープを切った。前半のハーフは1時間0分29秒、後半は59分01秒と、圧倒的なネガティブスプリットで歴史的快挙を成し遂げた。
マラソンの2時間切りは古くから“人類の夢”とされ、長らく到達不可能な領域と考えられてきた。しかし近年はトレーニング環境の向上や科学的アプローチ、さらにはシューズの進化などにより、「サブ2」への期待は高まり続けていた。
かつての世界記録保持者であるエリウド・キプチョゲは、19年に特別レースで1時間59分40秒を記録。このときは多くのランナーが風よけや給水のサポートを行っていたため参考記録として扱われていたが、2時間切りを予感させるものだった。
それでも、キプチョゲをもってしても公認レースでは2時間の壁を破ることはできず、また、23年に世界記録を樹立したキプトゥムが不慮の事故で他界したこともあり、その壁が破られるのはまだ先という声もあった。
今回、サウェが圧倒的なスピードとスタミナで夢を実現させたが、2位のケジェルチャも初マラソンながら1時間59分41秒をマーク。3位に入ったキプリモも従来の世界記録を上回る2時間0分28秒でフィニッシュし、世界歴代の1位から3位が更新される歴史的な大会に。
さらに女子でもテイギスト・アセファ(エチオピア)が2時間15分41秒と女子単独レースの世界記録を更新して優勝を果たし、2位のヘレン・オビリ(ケニア)、3位のジョイシリン・ジェプコスゲイ(ケニア)も2時間15分台でフィニッシュ。
まさに、マラソン新時代の幕開けを告げるレースとなった。
世界記録を樹立したサウェのペース
カッコ内は5kmごとのスプリット 5km 14:14 10km 28:35(14:21) 15km 43:10(14:35) 20km 57:21(14:11) Half 1:00:29 25km 1:11:41(14:20) 30km 1:26:03(14:22) 35km 1:39:57(13:54) 40km 1:53:39(13:42) Finish 1:59:30(5:51)男子マラソン世界歴代10傑 1.59.30 S.サウェ(ケニア) 2026. 4.26 1.59.41 Y.ケジェルチャ(エチオピア) 2026. 4.26 2.00.28 J.キプリモ(ウガンダ) 2026. 4.26 2.00.35 K.キプトゥム(ケニア) 2023.10. 8 2.01.09 E.キプチョゲ(ケニア) 2022. 9.25 2.01.39 A.キプルト(ケニア) 2026. 4.26 2.01.41 K.ベケレ(エチオピア) 2019. 9.29 2.01.48 S.レンマ(エチオピア) 2023.12. 3 2.02.16 B.キプルト(ケニア) 2024. 3. 3 2.02.24 J.コリル(ケニア) 2025.12. 7RECOMMENDED おすすめの記事
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