HOME ニュース、国内

2022.05.01

やり投・北口榛花が61m20!世界ファイナルへ脇腹痛から復調「国内で負けないように」/木南記念
やり投・北口榛花が61m20!世界ファイナルへ脇腹痛から復調「国内で負けないように」/木南記念


◇木南記念(4月30日・5月1日/大阪・ヤンマースタジアム長居)2日目

日本グランプリシリーズ大阪大会の木南記念の2日目、女子やり投に日本記録(66m00)保持者の北口榛花(JAL)が出場。ただ1人60m超えとなる61m20をマークして優勝した。

広告の下にコンテンツが続きます

雨が降る中での1投目。北口が放ったやりは60mラインを超えた。北口らしい笑顔が弾け、全身を使って喜びを表現。4日前に来日したチェコ人のディヴィッド・シェケラックコーチもスタンドで手を叩く。結果的に優勝記録になる61m20。北口は5投目にも60m47と『大台』に乗せた。

世界選手権の参加標準記録64m00を狙っていたというが、「60mを超えられて、負けなかったことがよかったです」と北口。2回の60mオーバーは「やりが被ってしまって曲がる軌道になってしまったのがもったいなかったです」と反省する。助走スピードが上がり、その上で2回目以降はシェケラックコーチから「もっと速く走ろう」と指示が飛んだ。「スピード、身体の土台は上がっていますが、まだそこに技術が対応できていない」と課題に挙げる。

それでも、そこはやはり日本記録保持者で、東京五輪ファイナリスト。「ずっと言われていることですが、国内では簡単に負けてはいけないと思っています」と、強い覚悟を持って臨んだ。

昨年の東京五輪では日本女子57年ぶりのファイナル進出を果たしたが、その予選で左脇腹を痛めて決勝12位。涙に暮れた。腹斜筋の肉離れで、一歩間違えれば競技生活に支障があったと診断を受けるほどの重症。その後は3ヵ月、ウォーキングとジョギングで過ごした。

広告の下にコンテンツが続きます

11月には痛みが取れて一度チェコへ。年末年始は帰国して1月下旬に投てき練習を再開し、2、3月と欧州に渡り、4月の日大競技会で復帰して59m63をマーク。2戦目でしっかり60mを超えてきた。

これでアジア大会代表の最有力候補となり、世界選手権の参加標準記録についても「そのうち投げられるだろうと思っています」と自信がついた。「去年の東京オリンピック前よりも状態はいい」と北口。再び世界のファイナルを目指すために「まずは63~64mを3回目までに安定して投げられるようにしたい」。そうすれば自分も、見ている人も安心すると思うので、と笑い飛ばす姿は強い北口榛花が戻ってきた証だった。

2位に入った長麻尋(国士舘クラブ)は日本歴代10位となる59m37をマーク。度重なるケガなどを乗り越えてインターハイ女王であり日本陸連ダイヤモンドアスリート修了生が復活してきた。また、3位にはロンドン世界選手権代表の斉藤真理菜(スズキ)がこちらも59m07とケガから復調気配が漂う。

◇木南記念(4月30日・5月1日/大阪・ヤンマースタジアム長居)2日目 日本グランプリシリーズ大阪大会の木南記念の2日目、女子やり投に日本記録(66m00)保持者の北口榛花(JAL)が出場。ただ1人60m超えとなる61m20をマークして優勝した。 雨が降る中での1投目。北口が放ったやりは60mラインを超えた。北口らしい笑顔が弾け、全身を使って喜びを表現。4日前に来日したチェコ人のディヴィッド・シェケラックコーチもスタンドで手を叩く。結果的に優勝記録になる61m20。北口は5投目にも60m47と『大台』に乗せた。 世界選手権の参加標準記録64m00を狙っていたというが、「60mを超えられて、負けなかったことがよかったです」と北口。2回の60mオーバーは「やりが被ってしまって曲がる軌道になってしまったのがもったいなかったです」と反省する。助走スピードが上がり、その上で2回目以降はシェケラックコーチから「もっと速く走ろう」と指示が飛んだ。「スピード、身体の土台は上がっていますが、まだそこに技術が対応できていない」と課題に挙げる。 それでも、そこはやはり日本記録保持者で、東京五輪ファイナリスト。「ずっと言われていることですが、国内では簡単に負けてはいけないと思っています」と、強い覚悟を持って臨んだ。 昨年の東京五輪では日本女子57年ぶりのファイナル進出を果たしたが、その予選で左脇腹を痛めて決勝12位。涙に暮れた。腹斜筋の肉離れで、一歩間違えれば競技生活に支障があったと診断を受けるほどの重症。その後は3ヵ月、ウォーキングとジョギングで過ごした。 11月には痛みが取れて一度チェコへ。年末年始は帰国して1月下旬に投てき練習を再開し、2、3月と欧州に渡り、4月の日大競技会で復帰して59m63をマーク。2戦目でしっかり60mを超えてきた。 これでアジア大会代表の最有力候補となり、世界選手権の参加標準記録についても「そのうち投げられるだろうと思っています」と自信がついた。「去年の東京オリンピック前よりも状態はいい」と北口。再び世界のファイナルを目指すために「まずは63~64mを3回目までに安定して投げられるようにしたい」。そうすれば自分も、見ている人も安心すると思うので、と笑い飛ばす姿は強い北口榛花が戻ってきた証だった。 2位に入った長麻尋(国士舘クラブ)は日本歴代10位となる59m37をマーク。度重なるケガなどを乗り越えてインターハイ女王であり日本陸連ダイヤモンドアスリート修了生が復活してきた。また、3位にはロンドン世界選手権代表の斉藤真理菜(スズキ)がこちらも59m07とケガから復調気配が漂う。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.06.13

久保凛が1500mで高校歴代2位の4分11秒07!! 「出し切って勝ち切れた」 芦田和佳は歴代3位/IH近畿

◇インターハイ近畿地区大会(6月12~15日/京都市・たけびしスタジアム京都) 2日目 広島インターハイを懸けた近畿地区大会の2日目が行われ、女子1500mは久保凛(東大阪大敬愛3大阪)が4分11秒07の高校歴代2位、U […]

NEWS 高校陸上年鑑 2024年度版(No.72)

2025.06.13

高校陸上年鑑 2024年度版(No.72)

高校陸上年鑑 【No.72】の内容 全国高体連発行,陸上競技社製作による「高校陸上年鑑」(2024年度版)。2024年度の高校陸上界の動きをまとめたもので、インターハイや全国高校駅伝などの主要イベントを中心に、ハイライト […]

NEWS 久保凛が1500m4分11秒07!高校歴代2位、U18日本新の激走で2連覇!2位の芦田和佳も高校歴代3位4分12秒48/IH近畿

2025.06.13

久保凛が1500m4分11秒07!高校歴代2位、U18日本新の激走で2連覇!2位の芦田和佳も高校歴代3位4分12秒48/IH近畿

◇インターハイ近畿地区大会(6月12~15日/京都市・たけびしスタジアム京都) 2日目 広島インターハイを懸けた近畿地区大会の初日が行われ、女子1500mで久保凛(東大阪大敬愛3)が高校歴代2位、U18日本新の4分11秒 […]

NEWS 東京世界陸上 米国女子マラソン代表のサイナが出産予定により代表辞退  ボストン7位のマクレーンが代表に

2025.06.13

東京世界陸上 米国女子マラソン代表のサイナが出産予定により代表辞退 ボストン7位のマクレーンが代表に

米国陸連は6月12日、9月に東京で開催される世界選手権の女子マラソン代表に選ばれていたB.サイナが出場を辞退し、代わってJ.マクレーンが代表に選出されたと発表した。サイナは今秋に出産を控えていることを理由に辞退を表明して […]

NEWS グランドスラム・トラックが第4戦ロサンゼルス大会の中止、26年への延期を発表!25年シーズンは3大会で終了、理由は公表せず

2025.06.13

グランドスラム・トラックが第4戦ロサンゼルス大会の中止、26年への延期を発表!25年シーズンは3大会で終了、理由は公表せず

6月12日、グランドスラム・トラックの主催者は6月28、29日に予定されていたグランドスラム・トラック第4戦ロサンゼルス大会を実施しないこと、26年シーズンへの延期と発表した。25年の同リーグはこれまでの3大会で終了とな […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年7月号 (6月13日発売)

2025年7月号 (6月13日発売)

詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会

page top