
織田記念の男子100mは桐生祥秀(日本生命)が前日に欠場を発表。多田修平(住友電工)はA決勝に進めず、ライバル不在というなかで小池祐貴(住友電工)が存在感を発揮した。
雨天となった予選は2組を10秒42(+0.3)で悠々とトップ通過すると、A決勝は中盤で抜け出す。終盤はスピードを緩めながらも10秒49(-3.3)で圧勝した。2位は東田旺洋(栃木県スポ協)で10秒54、3位は伊藤孝太郎(東京ガスエコモ)で10秒57だった。
「やっぱり風が強かったですね。押されながらのレースになったんですけど、最後まであまり力まないように、自分のリズムで走り終えた感じです」
予選は「ケガだけはしないように」と慎重に駆け抜けた小池。決勝は強風にタイムを阻まれたが、気象条件に恵まれていれば、「オレゴン世界選手権の参加標準記録(10秒05)を狙おうかな」という気持ちになるほどギアを上げていた。
今季は米国でシーズンインを迎えて、4月18日のスタンフォード招待100mは予選で10秒21(+2.0)、決勝は10秒31(+0.6)。翌日の200mは20秒87(+0.3)だった。織田記念でタイムの上乗せはできなかったが、手応えを十分につかんだようだ。
「風が強すぎてちょっと気持ち悪いレースになったけど、仮に追い風だったとしたら、かなりいい感覚で80~90点ぐらいは出せていたんじゃないでしょうか。最後はちょっと肉離れが危ないと思ったので、少し流すようなかたちになったのがマイナス20点ぐらいです」
これまでスタートブロックの足を前後逆にしたり、歩幅や歩数を調整するなど、さまざまなことを試してきたという。そのなかでレースの流れはしっかりと固めてきた。
「最大速度の部分を意識してきたんです。スタートのピッチが上がりすぎると、中盤のトップスピードが下がる傾向があったので、前半のピッチをできるだけ抑えて、中盤以降にトップスピードが達するようなレースを心掛けました。前半は特に気にせず、顔を上げてから全力で走ろうと思って、その通りのレースができましたね」
昨季は50m以降にスピードが上がらなかったというが、今季は世界トップクラスのスプリンターと同じスピード曲線を目指している。
「トップスピードの高さが僕にとって一番大事。その出現区間を40~50mではなく、60~70mまで引っ張っていきたい。データ的には間違いなくその方がいいので、この冬はその方向でやってきました。自分の型みたいなものが決まってきたので、今後は好条件が来るのを待っていこうかなと思っています」
今季は個人種目でオレゴン世界選手権の「ファイナル」を目指すという小池。日本選手権は100mと200mに出場予定で、両種目で出場権を勝ち取り、オレゴンでは状態を見極めながら種目を絞って世界に切り込んでいきたい考えだ。次戦は5月3日の静岡国際。「自分の走りをして勝つことが大事だと思っています」という小池が200mでどんな走りを見せるのか。
文/酒井政人
織田記念の男子100mは桐生祥秀(日本生命)が前日に欠場を発表。多田修平(住友電工)はA決勝に進めず、ライバル不在というなかで小池祐貴(住友電工)が存在感を発揮した。
雨天となった予選は2組を10秒42(+0.3)で悠々とトップ通過すると、A決勝は中盤で抜け出す。終盤はスピードを緩めながらも10秒49(-3.3)で圧勝した。2位は東田旺洋(栃木県スポ協)で10秒54、3位は伊藤孝太郎(東京ガスエコモ)で10秒57だった。
「やっぱり風が強かったですね。押されながらのレースになったんですけど、最後まであまり力まないように、自分のリズムで走り終えた感じです」
予選は「ケガだけはしないように」と慎重に駆け抜けた小池。決勝は強風にタイムを阻まれたが、気象条件に恵まれていれば、「オレゴン世界選手権の参加標準記録(10秒05)を狙おうかな」という気持ちになるほどギアを上げていた。
今季は米国でシーズンインを迎えて、4月18日のスタンフォード招待100mは予選で10秒21(+2.0)、決勝は10秒31(+0.6)。翌日の200mは20秒87(+0.3)だった。織田記念でタイムの上乗せはできなかったが、手応えを十分につかんだようだ。
「風が強すぎてちょっと気持ち悪いレースになったけど、仮に追い風だったとしたら、かなりいい感覚で80~90点ぐらいは出せていたんじゃないでしょうか。最後はちょっと肉離れが危ないと思ったので、少し流すようなかたちになったのがマイナス20点ぐらいです」
これまでスタートブロックの足を前後逆にしたり、歩幅や歩数を調整するなど、さまざまなことを試してきたという。そのなかでレースの流れはしっかりと固めてきた。
「最大速度の部分を意識してきたんです。スタートのピッチが上がりすぎると、中盤のトップスピードが下がる傾向があったので、前半のピッチをできるだけ抑えて、中盤以降にトップスピードが達するようなレースを心掛けました。前半は特に気にせず、顔を上げてから全力で走ろうと思って、その通りのレースができましたね」
昨季は50m以降にスピードが上がらなかったというが、今季は世界トップクラスのスプリンターと同じスピード曲線を目指している。
「トップスピードの高さが僕にとって一番大事。その出現区間を40~50mではなく、60~70mまで引っ張っていきたい。データ的には間違いなくその方がいいので、この冬はその方向でやってきました。自分の型みたいなものが決まってきたので、今後は好条件が来るのを待っていこうかなと思っています」
今季は個人種目でオレゴン世界選手権の「ファイナル」を目指すという小池。日本選手権は100mと200mに出場予定で、両種目で出場権を勝ち取り、オレゴンでは状態を見極めながら種目を絞って世界に切り込んでいきたい考えだ。次戦は5月3日の静岡国際。「自分の走りをして勝つことが大事だと思っています」という小池が200mでどんな走りを見せるのか。
文/酒井政人 RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.11.05
仙台国際ハーフの来年大会の日程が決定 国内レースによる「ジャパンプレミアハーフシリーズ」
2025.11.05
「アスリート・オブ・ザ・イヤー」最終候補にデュプランティス、ライルズら12人!
-
2025.11.05
-
2025.11.05
-
2025.11.05
-
2025.11.05
-
2025.11.05
2025.11.02
青学大が苦戦の中で3位確保!作戦不発も「力がないチームではない」/全日本大学駅伝
-
2025.11.02
-
2025.11.02
-
2025.11.03
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
2025.11.02
青学大が苦戦の中で3位確保!作戦不発も「力がないチームではない」/全日本大学駅伝
-
2025.10.18
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.11.05
日本陸連と広島テレビ放送が 「スポーツを通じて誰もが自分らしく活躍できる社会づくりに関する連携協力協定」を締結
11月5日、日本陸連は広島テレビ放送株式会と「スポーツを通じて誰もが自分らしく活躍できる社会づくりに関する連携協力協定」を結んだことを発表した。陸上競技を通じて人と人をつなぎ、すべての人が心身ともに健やかで、自分らしく生 […]
2025.11.05
仙台国際ハーフの来年大会の日程が決定 国内レースによる「ジャパンプレミアハーフシリーズ」
仙台国際ハーフマラソン大会実行委員会は、2026年大会の日程が5月10日に決まったと発表した。定員は10,000人とし、エントリーは11月18日から順次開始される。 国内主要ハーフマラソン6大会が連携する「ジャパンプレミ […]
2025.11.05
「アスリート・オブ・ザ・イヤー」最終候補にデュプランティス、ライルズら12人!
世界陸連(WA)はワールド・アスレティクス・アワード2025「ワールド・アスリート・オブ・ザ・イヤー」の最終候補者を発表した。 トラック、フィールド、競技場外種目の各部門で、10月に発表された候補者の中から男女2選手ずつ […]
2025.11.05
キヤノンAC九州の中村日菜多が退部「最後まであきらめずに頑張れた」高校時代から駅伝で活躍
キヤノンAC九州は10月末で中村日菜多の退部を発表した。 中村は熊本県出身の21歳。ルーテル学院高ではトラックでインターハイこそ届かなかったものの、3000mで9分38秒80を持ち、3年時に全国高校駅伝に出場して5区を務 […]
2025.11.05
エディオン・古木愛莉が10月末で退部・退社 ルーテル学院高時代に全国高校駅伝1区5位
エディオン女子陸上競技部は11月4日、古木愛莉の退部、退社を発表した。 古木は熊本・ルーテル学院高出身で、今年4月に入社。昨年のインターハイ3000mで13位と力走し、2年時には全国高校駅伝の1区で5位の活躍を見せている […]
Latest Issue
最新号
2025年11月号 (10月14日発売)
東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望