2021.02.24
2月27日に行われる第104回日本選手権クロスカントリー(福岡・国営海の中道海浜公園)を前に、順大の三浦龍司がインタビューに応えた。
大学1年目の昨年度は、7月のホクレン・ディスタンスチャレンジ千歳大会の男子3000m障害で日本歴代2位となる8分19秒37という衝撃の学生デビューを果たすと、同種目で日本インカレ優勝。初のハーフマラソンだった箱根駅伝予選会ではU20日本最高の1時間1分41秒で日本人トップ、全日本大学駅伝では1区区間賞と、鮮烈な活躍を見せた。
2021年の最大目標は3000m障害での東京五輪代表。昨年マークした8分19秒37は東京五輪の参加標準記録(8分22秒00)を突破するものだが、コロナ禍にあって世界陸連が定めた対象期間外だった。再びこの記録を突破し、日本選手権で優勝すれば代表を勝ち取ることができる。
今年正月の箱根駅伝以降、初レースとなる日本選手権クロカン。京都・洛南高校時代にU20の部で2度出場しているが、自身が「苦手」と言うクロカンに臨むポイントと目的とは――。
――改めて、コロナ禍に揺れた昨シーズンを振り返ってください。
三浦 昨年春の規制期間は地元の島根で練習していたのですが、競技場も使えなかったため、実家の周りを走っていました。その間、自分を振り返る時間があったからこそ、自立性や積極性が身についたと思います。主体性を持って競技に取り組めたのが大きかったです
3000m障害の特色でもあるスピード持久力は意識して磨いてきましたし、長い距離に向けての脚作り、スタミナ面も強化しました。その取り組みが、ホクレンやトラックの結果につながりました。それ以降は、大学に合流してからの集団走や夏合宿を経て、走り込みなどで精神的な面もプラスでき、駅伝シーズンに生かせたと思います。
――日本選手権クロカン出場の狙いと、クロカンに対する印象を教えてください。
三浦 トラックシーズンに向けての脚力作りというのがメインの意図です。長い距離を踏みつつ、不整地での練習を何度か繰り返してきたので、そういった走力や粘りみたいなところを鍛えてきました。
正直に言うと、少し苦手なんです。トラックやロードと違い、足場が悪いところで、自分のリズム、感覚に合わせづらい部分があります。そこが狂わされると精神的なところに影響してタイムに出てしまいます。
これまで高校時代に2度出場していて、(コースの)ポイントとなるところはわかるのですが、天候によっても左右されます。8kmのU20クラスと違い、シニアは10kmで1周増えるので、それでもかなり変わってくると思います。
――大会の目標はどこに置かれていますか?
三浦 入賞というのは現実的ではないと思っています。20番以内に入りたいです。最低限、同級生の選手には競り勝てるようにしていきたいですね。誰というより、同級生全員。持ち味や特性によって変わりますし、大学生になって初めてのクロカンなので、相手の力も計り知れない部分はあります。
順位よりも、今の練習がどうつながるか、感覚的に納得できるものになれば、シーズンインに向けて手応えをつかんで良いスタートになるのではないかと思っています。
――2021年は東京五輪イヤーです。そこに向けての展望を聞かせてください。
三浦 最大の目標はオリンピック内定と、3000m障害で8分18秒93の日本記録(岩水嘉孝、2003年)を更新することです。それにプラスして、8分15秒を目指していきたいと思っています。
今シーズンは基本的には3000m障害をメインにして、1500mや3000mなどを走っていくかたちになります。そのためにも、脚力作りが大きな課題です。まずは春先のグランプリシリーズから東京五輪の参加標準記録を出すことが求められるので、そこに合わせていきたいです。
自分の感覚としてはスタミナもつけられていると思います。クロカン後にスピードに移行していけば、目標達成は不可能ではないと思っています。自信をつかむ位置づけになる大会にしたいと思っています。
◇第104回日本選手権クロスカントリー・第36回U20日本選手権クロスカントリー
五輪を狙うトップランナーから学生まで、注目選手が多数出場する第104回日本選手権クロスカントリー・第36回U20日本選手権クロスカントリーは2月27日、福岡県・国営海の中道海浜公園クロスカントリーコースで行われる。
大会の模様は同日午後3時30分から、RKB毎日放送が中継を担当し、TBS系列JNN全国28局ネットで放送。スタジオ解説を瀬古利彦氏(日本陸連マラソン強化戦略プロジェクトリーダー)、増田明美氏、青学大・原晋監督、男女レース解説を東海大・両角速監督が務める。
構成/向永拓史 協力/RKB毎日放送株式会社
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