◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)3日目
東京世界陸上の3日目のイブニングセッションが行われ、男子110mハードル予選3組に出場した野本周成(愛媛競技力本部)は13秒29(-0.6)の4着で準決勝進出を決めた。
「まずは予選通過を目標にしていたので、それを達成できて良かったです。ひと安心という感じです」と、第1関門の突破に胸をなでおろした。
9レーンに入った野本。12秒99を持つ4レーンのジュス・クワウ・マティ(フランス)ら、格上の強豪が数人いたが、野本は自分がやるべきことに集中した。
スタートは昨日の女子のレースを見て、「セット」から号砲までのタイミングを頭に入れたという。「ちゃんと(ピストル音を)聞いてから出ようと。スタートはそれほど遅れない自信があるので、リアクションタイムで遅れても大丈夫という感じで気楽にいました」
その良い意味での気楽さが会心のスタートダッシュにつながる。「最初にちょっと出られたので、とりあえず逃げろ、逃げろと自分に言い聞かせていました」と、185cmの長身をうまくたたんでハードルを跳び、インターバルもしっかり脚を刻んで身体を前に運んだ。
13秒20で1着に入ることになる左隣のオーランド・ベネット(ジャマイカ)と競り合えたことも、野本にはプラスに働いたかもしれない。先頭争いに加わりながら、4番手のポジションを最後まで守り切った。タイムで拾われたかたちではなく、堂々の着順での予選突破。それを目の当たりにした観客は大歓声と拍手で野本を称えた。
「地元の力を受け取って走ることができています。僕の今までの陸上人生を振り返って、こんなにも恩返しにちょうど良い場所はないので、ありがたいです」
5月の木南記念で参加標準記録(13秒27)を突破する13秒25をマーク。7月の日本選手権で2位となって初代表の座をつかんだ。世界デビューに関して遅咲きとも言える29歳の野本だが、目指すゴールはここではない。「(世界陸上は)初出場なんですけど、出ることが目標ではありません。決勝に進出できるように準備して、明日もしっかり走りたいです」。
大会4日目、16日の20時40分から行われる準決勝に向けて、野本は颯爽とミックスゾーンを後にした。
文/小野哲史
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.12.15
関西スポーツ賞に20㎞競歩世界新・山西利和、800m東京世界陸上出場・久保凛が選出!
-
2025.12.14
-
2025.12.14
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝男子(2025年12月14日)
2025.12.14
中学駅伝日本一決定戦がいよいよ開催 女子11時10分、男子12時15分スタート/全中駅伝
-
2025.12.14
-
2025.12.14
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝男子(2025年12月14日)
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.15
関西スポーツ賞に20㎞競歩世界新・山西利和、800m東京世界陸上出場・久保凛が選出!
第69回関西スポーツ賞の個人部門に、男子20km競歩で世界新記録を樹立した山西利和(愛知製鋼)、東京世界選手権女子800m出場の久保凛(東大阪大敬愛高3)が選出された。 同賞はその年の優秀な成績、関西スポーツ界への貢献度 […]
2025.12.15
なぜ、トップアスリートがOnを選ぶのか? “人気2モデル”の記録更新に向けての『履き分け』とは
スイスのスポーツブランド「On(オン)」。同社は、陸上の男子3000m障害の日本記録保持者で、9月に東京で開催された世界選手権で最後まで優勝争いを演じて8位入賞を果たした三浦龍司(SUBARU)や、学生時代から駅伝やトラ […]
2025.12.15
アンダーアーマーの新作「UA ベロシティ」シリーズ3モデルを同時発売!12月20日より発売開始
アンダーアーマーの日本総代理店である株式会社ドームは12月15日、最新ランニングシリーズ「UA ベロシティ」を12月20日より発売することを発表した。 新モデルは、ランナー一人ひとりの目的やレベルに応じて最適な1足を選べ […]
2025.12.15
女子はバットクレッティが連覇!東京世界陸上ダブルメダルの実力示す 男子はンディクムウェナヨV/欧州クロカン
12月14日、ポルトガル・ラゴアで欧州クロスカントリー選手権が行われ、女子(7470m)はパリ五輪10000m銀メダルのN.バットクレッティ(イタリア)が24分52秒で優勝した。 バットクレッティは現在25歳。今年の東京 […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025