HOME 国内、世界陸上、日本代表
35km競歩・26位の丸尾知司 「力が残っていなかった」 後半にかけて苦しいレースに/東京世界陸上
35km競歩・26位の丸尾知司 「力が残っていなかった」 後半にかけて苦しいレースに/東京世界陸上

東京世界陸上男子35km競歩に出場した丸尾知司

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)1日目

東京世界陸上の初日、モーニングセッションで男子35km競歩が行われ、男子35km競歩の丸尾知司(愛知製鋼)は2時間40分29秒の26位でフィニッシュした。

レース後、丸尾は「ケガもなく体調不良もなく来られていたので、悔しい気持ちが溢れています。25km以降に力が残ってなかったというのが率直な感想です」と、静かに思いを口にした。

広告の下にコンテンツが続きます

「メダル争いからこぼれてくる選手がたくさんいると思ったので、その計画でレースを進めました」と、序盤は勝木隼人(自衛隊体育学校)が引っ張る先頭集団の後方15番手前後につけた。

42分33秒で10kmを通過したあたりから少しずつ順位を上げ、12~13kmまでに入賞圏内の8位へ。16kmでトップとは10秒差の6位まで上がったあたりは、丸尾のプラン通りだったと言えるだろう。その後、勝木や川野将虎(旭化成)らが演じる先頭争いからは離されながらも、安定した歩きで20kmでも8位をキープした。

しかし、「自分の身体に異変が起こって、ペースアップができなかった」と明かしたように、レース後半にかけて苦しいレースを強いられていく。「身体がつり始めたので、給水の量が摂りきれていなかったのかなという原因が考えられます」と振り返る。

広告の下にコンテンツが続きます

22~23kmで入賞圏内からこぼれ落ちると、そこから勢いを取り戻すことはできなかった。25km以降は周回ごとに順位を落とし、最後は大きくペースダウンして国立競技場へ。世界ランキング5位、17年ロンドン世界選手権50kmで4位入賞の実績を持つ33歳のベテランでも、攻略するのが難しいレースとなった。

「かなり蒸した状況でした。(厳しい気象は)当たり前に想定されたことなので分かってはいたのですが、自分の身体の状態とレースの状況に対応できなかった。自分自身の力が足りなかったと思いました」。レース終盤は「ほぼ止まってしまうところもあった」と言いながら、それでも最後まであきらめなかったのは、沿道で声援を送り続けた家族やファンの存在があったからだ。

「耐え間なく応援をいただいて、みなさんの応援のおかげでゴール地点にたどり着くことができたので、本当に感謝しています」

1週間後の大会8日目には20km競歩にも出場する丸尾。「海外の仲間たちももう一度チャレンジすると思うので、今日出た課題も含めてしっかり立て直していきたいと思います」と笑顔を浮かべ、気持ちを切り替えていた。

文/小野哲史

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)1日目 東京世界陸上の初日、モーニングセッションで男子35km競歩が行われ、男子35km競歩の丸尾知司(愛知製鋼)は2時間40分29秒の26位でフィニッシュした。 レース後、丸尾は「ケガもなく体調不良もなく来られていたので、悔しい気持ちが溢れています。25km以降に力が残ってなかったというのが率直な感想です」と、静かに思いを口にした。 「メダル争いからこぼれてくる選手がたくさんいると思ったので、その計画でレースを進めました」と、序盤は勝木隼人(自衛隊体育学校)が引っ張る先頭集団の後方15番手前後につけた。 42分33秒で10kmを通過したあたりから少しずつ順位を上げ、12~13kmまでに入賞圏内の8位へ。16kmでトップとは10秒差の6位まで上がったあたりは、丸尾のプラン通りだったと言えるだろう。その後、勝木や川野将虎(旭化成)らが演じる先頭争いからは離されながらも、安定した歩きで20kmでも8位をキープした。 しかし、「自分の身体に異変が起こって、ペースアップができなかった」と明かしたように、レース後半にかけて苦しいレースを強いられていく。「身体がつり始めたので、給水の量が摂りきれていなかったのかなという原因が考えられます」と振り返る。 22~23kmで入賞圏内からこぼれ落ちると、そこから勢いを取り戻すことはできなかった。25km以降は周回ごとに順位を落とし、最後は大きくペースダウンして国立競技場へ。世界ランキング5位、17年ロンドン世界選手権50kmで4位入賞の実績を持つ33歳のベテランでも、攻略するのが難しいレースとなった。 「かなり蒸した状況でした。(厳しい気象は)当たり前に想定されたことなので分かってはいたのですが、自分の身体の状態とレースの状況に対応できなかった。自分自身の力が足りなかったと思いました」。レース終盤は「ほぼ止まってしまうところもあった」と言いながら、それでも最後まであきらめなかったのは、沿道で声援を送り続けた家族やファンの存在があったからだ。 「耐え間なく応援をいただいて、みなさんの応援のおかげでゴール地点にたどり着くことができたので、本当に感謝しています」 1週間後の大会8日目には20km競歩にも出場する丸尾。「海外の仲間たちももう一度チャレンジすると思うので、今日出た課題も含めてしっかり立て直していきたいと思います」と笑顔を浮かべ、気持ちを切り替えていた。 文/小野哲史

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.09.13

3000m障害三浦龍司と100mのサニブラウン、桐生祥秀が予選登場 混合リレーは初の決勝/東京世界陸上Day1イブニングみどころ

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)1日目 開会式終了後に幕を開ける初日のイブニングセッション。いきなり男子3000m障害1組目に、悲願のメダル獲得を目指す三浦龍司(SUBARU)が登場する。7月のダイヤモン […]

NEWS DAY1イブニングセッションのチケット完売 100m予選、混合4×400mR決勝、女子1万m決勝実施/東京世界陸上

2025.09.13

DAY1イブニングセッションのチケット完売 100m予選、混合4×400mR決勝、女子1万m決勝実施/東京世界陸上

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)1日目 東京2025世界陸上財団が9月13日、DAY1(初日)のイブニングセッションのチケットが完売したと発表した。 この後のイブニングセッションは、男子3000m障害、男 […]

NEWS 近藤亮太「ほぼ100%の準備ができた」2度目のマラソンで初世界、入賞へ意欲/東京世界陸上

2025.09.13

近藤亮太「ほぼ100%の準備ができた」2度目のマラソンで初世界、入賞へ意欲/東京世界陸上

◇東京世界陸上(9月13日から21日/国立競技場) 東京世界陸上の3日目に行われる男子マラソンの日本代表がオンライン会見に臨み、近藤亮太(三菱重工)が取材に応じた。 2月の大阪で初マラソン日本最高の2時間5分39秒をマー […]

NEWS 明日午前開催の女子マラソン 鈴木優花の補欠登録を解除/東京世界陸上

2025.09.13

明日午前開催の女子マラソン 鈴木優花の補欠登録を解除/東京世界陸上

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)1日目 日本陸連は9月13日、世界陸上女子マラソンの補欠だった鈴木優花(第一生命グループ)の登録指定を解除したと発表した。 女子マラソンは明日14日7時30分にスタート。日 […]

NEWS 初代表の吉田祐也「一番大事なのは冷静になること」上位入賞目指す/東京世界陸上

2025.09.13

初代表の吉田祐也「一番大事なのは冷静になること」上位入賞目指す/東京世界陸上

◇東京世界陸上(9月13日から21日/国立競技場) 東京世界陸上の3日目に行われる男子マラソンの日本代表がオンライン会見に臨み、吉田祐也(GMOインターネットグループ)が取材に応じた。 昨年の福岡国際で2時間5分16秒を […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年10月号 (9月9日発売)

2025年10月号 (9月9日発売)

【別冊付録】東京2025世界陸上観戦ガイド
村竹ラシッド/桐生祥秀/中島佑気ジョセフ/中島ひとみ/瀬古優斗
【Coming EKIDEN Season 25-26】
学生長距離最新戦力分析/青学大/駒大/國學院大/中大/

page top