高校時代から強く意識をしてきたシニアの世界大会の舞台へ、19歳の落合晃(駒大)が東京の地で挑戦する。
「チャレンジするだけです。日本記録(1分44秒80)はしっかり更新したいと思いますし、まずは世界の舞台を体感したいです」と大舞台を見据える。
滋賀学園高3年時の昨年は、福岡インターハイで日本記録を樹立。パリ五輪出場を目指し、日本選手権でも初優勝を飾ったものの、届かなかった。
自国開催の東京世界選手権を控える今春、駒大に入学。多くの長距離ランナーを育ててきた大八木弘明総監督が指導するGgoatで練習を重ねてきた。
慣れない寮生活や練習の流れも変わった中で、参加標準記録(1分44秒50)突破を狙った。そこには届かなかったが、「最低限やることはできたと思います」と話す。
入学前には米国・アルバカーキで高地合宿に臨み、持久力向上にアプローチ。シーズン初戦となった4月の金栗記念では1500mに出場し、3分44秒18の自己記録をマークしている。
「スタミナ面が一番大きいと思います。ポイント練習のタイムも2、3秒ほど上がったりしています」。
800mの大学初戦となった4月下旬の日本学生個人選手権決勝で、開催国枠エントリー設定記録の1分45秒88にピタリ到達。5月の静岡国際で1分45秒16まで引き上げた。
本人が前半シーズンの悔しいレースに挙げたのが5月末のアジア選手権だ。先頭が入りの400mを50秒台中盤で入ると、後手に回ってしまう。結果的にトップが1分44秒59でフィニッシュするなか、1分48秒01の5位。「先頭が標準記録に近いタイムで行ったので、勝負ができれば標準突破も見えたと思います」と悔しさをにじませる。
ただ、シニアへとカテゴリーが上がったばかりで、「レース展開も違う気がしました。入りや600mまでといった部分ももう一段階上がります」と痛感。1周目に余裕を持って入ることや、ラスト200mの上がりを「課題だと思っています」と受け止める。
Ggoatでは同じく高校時代からスーパールーキーとして駒大に加入した佐藤圭汰(4年)が気にかけてくれているという。「海外のレースにも出られていますし、いろんなアドバイスをくれます」と感謝する。

駒大入学後は大八木弘明総監督が指導するGgoatで練習を重ねてきた
今春からは「とにかくこなすことに必死です。ポイント練習の一本一本が試合ぐらいの気持ちになります」と話し、周囲からのプレッシャーについても「自分の中ではあまり感じていません」。日々、全力に近いかたちでの練習内容に、とにかく食らいついていく姿勢だ。
現状での一番の目標は大学4年で迎える28年ロス五輪だ。その先のイメージは現状では湧かないというが、「息の長い選手でいたいと思っています」。そのためにも、10代で挑む東京世界選手権は「今後につながるようなレースをしたいです」と、“世界”でのキャリアを形作る第一歩となる。
男子800mの予選は大会4日目の16日午後に実施。準決勝は6日目、決勝は8日目に行われる。
文/片井雅也

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