◇天皇賜盃第94回日本学生対校選手権(6月5日~8日/岡山・JFE晴れの国スタジアム)3日目
学生日本一を決める日本インカレの3日目が行われ、男子5000mは山口智規(早大4)が13分40秒06で優勝した。前日の1500mと合わせて2冠を達成。この2種目での優勝者2014年のE.オムワンバ(山梨学大)以来2人目で、日本人では初となる。
前日の1500mで中距離選手を相手に快勝していた山口が、5000mでも再び力を見せつけた。
序盤は小池莉希(創価大3)が飛び出し、1000mを2分40秒で通過。じわじわ集団との距離は縮まり、2400手前で今度は三宅悠斗(中大1)が果敢に前に出る。
少しペースが落ち着いたところで、残り2周でシャドラック・キップケメイ(日大3)やスティーブン・レマイヤン(駿河台大3)といった留学生がペースを上げ始めるが、小池が残り700mでスパート。反応した山口は残り450m付近で先頭に立ち、「残り1000mか400mでキップケメイ君との勝負だと思っていました」。
最後まで軽快な走りで最後の1周を約56秒でカバー。キップケメイの追撃も許さず、「マイルリレーが予選落ちしたので、それをカバーしたかった。駅伝主将として16点取れたのが何よりうれしいです」と声を弾ませた。敗れた2位のキップケメイも「彼は速かったです」と称えた。
今年2、3月に豪州合宿で走り込んだ。帰国後は気温の変化などへの対応に苦しみ日本学生個人選手権ではワールドユニバーシティゲームズ代表選考会の10000mでは11着。関東インカレにかけて少しずつ復調し、「オーストラリアで走り込んでからはスピードを取り入れたきました」と話す。
後輩たちの活躍にも刺激を受ける。2月の日本学生ハーフでは工藤慎作(3年)が1位。日本学生個人選手権ではルーキー・鈴木琉胤(5000m)と佐々木哲(3000m障害)が優勝を飾った。「(3人が)活躍したことで自分の取り組みを考え直すきっかけなりました」。
今回は2冠を果たして歴史に名を刻み、「卒業した後に『山口先輩の存在は大きかった』と思ってもらえる取り組みがしたい。まずは名前を残せて取り組みが報われました」と笑顔を見せた。
花田勝彦駅伝監督は「エースらしい走りでしたがこれを定着させるのが大事です。日本選手権でも上位に食い込むのが大切になります」ときっぱり。山口は「日本選手権は表彰台が目標でしたが上方修正してもいいかな」と、さらなる高みを見据えた。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.07.30
-
2025.07.30
-
2025.07.30
2025.07.24
100mH中島ひとみ日本歴代2位の12秒71!!東京世界陸上標準突破で初代表ほぼ確実に
-
2025.07.26
-
2025.07.26
-
2025.07.24
-
2025.07.05
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.07.30
【世界陸上プレイバック】―15年北京―十種競技・イートンが世界新でV2 50km競歩で谷井孝行が銅メダル 荒井も4位入賞、16歳サニブラウン初出場
今年9月、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。 これ […]
2025.07.30
「東京レガシースタジアム」を10月17日~19日に開催! 100m走タイムチャレンジや中長距離スペシャルアカデミーを実施
一般財団法人東京マラソン財団と東京都は7月30日、東京レガシーハーフマラソン2025(10月19日)の開催に合わせて、「東京レガシースタジアム」を10月17日から19日の3日間、国立競技場や明治公園で実施することを発表し […]
2025.07.30
ベルリンマラソンにロンドン王者サウェらがエントリー!青森山田出身ワンジルも3年ぶり登録
9月21日にドイツで開催されるベルリンマラソンのエリート選手が発表された。男子には今年のロンドンマラソン優勝のS.サウェ(ケニア)が出場予定。ブダペスト世界選手権6位のM.メンゲシャ(エチオピア)やオレゴン世界選手権7位 […]
2025.07.30
学生世界最速はワラザ 200mも制して2冠 女子10000mはルカンが大会新/ユニバ
2年に一度開催される学生の総合スポーツ世界大会、FISUワールドユニバーシティゲームズの陸上競技が7月21日から27日、ドイツ、ライン・ルールで開催された。 男子100mはB.ワラザ(南アフリカ)が10秒16(-0.7) […]
Latest Issue
最新号

2025年8月号 (7月14日発売)
詳報!日本選手権
IH地区大会