2024.10.25
第61回全日本35km競歩高畠大会が10月27日に山形県高畠町で開催される。今大会は4月に石川県輪島市で開催予定だった第108回日本陸上競技選手権大会35km競歩の代替大会としても実施されることが今年3月に決定。来年9月に東京で開催される世界選手権の選考会を兼ねて行われる。
日本陸連が設定する派遣設定記録(男子2時間26分00秒、女子2時間45分00秒)を突破して優勝した選手は、東京世界選手権代表に即時内定することが発表されており、地元でのビッグイベントへの出場を懸けた大切な一戦となる。
男子には2時間23分13秒の日本記録を持ち、ブダペスト世界選手権では6位入賞の野田明宏(自衛隊体育学校)が欠場の意向を示しているが、そのほかにも派遣設定記録を狙える選手が多数出場し、混戦が予想される。
優勝候補の筆頭に挙げられるのがブダペスト世界選手権銅メダリストの川野将虎(旭化成)だ。35kmが実施されなかった今夏のパリ五輪では男女混合競歩リレーに出場して8位に入賞。スピードを磨き、さらにパワーアップした。
これを追うのが2時間25分49秒のベストを持つ丸尾知司(愛知製鋼)。これまで50kmで五輪や世界選手権に出場し、35kmでもブダペスト世界選手権に出場を果たしている。今年11月には33歳を迎え、ベテランと呼ばれる年齢となったが、今季は20kmで自己記録を更新し、先日の佐賀国民スポーツ大会では10000mで優勝を飾り、短い距離でも結果を残している。
このほかパリ五輪代表の髙橋和生(ADワークスグループ)はかつて50kmでも活躍しており、スタミナは十分。混合競歩リレーで培ったスピードで自己記録(2時間30分55秒)の大幅更新とトップを狙う。
勝木隼人(自衛隊体育学校)や諏方元郁(愛知製鋼)、村山裕太郎(富士通)、萬壽春輝(自衛隊体育学校)、吉川絢斗(サンベルクス)など国際大会経験者が多士済々。誰が勝ってもおかしくない状況で、序盤からハイペースの揺さぶりが見られるかもしれない。
また、海外からは東京五輪50km銅メダル、ブダペスト世界選手権35km4位のE.ダンフィー(カナダ)がオープン参加。日本勢の好敵手となりそうだ。
一方の女子は12人のエントリー選手のなかで、園田世玲奈(NTN)がただ1人派遣標準記録を上回る2時間44分25秒を昨年の日本選手権35km競歩でマーク。本来なら優勝候補に挙がるが、2月の日本選手権20km以降は試合を欠場しており、状態次第といえる。
代わって優勝候補に挙げられるのが前回の全日本35km競歩高畠大会を制している内藤未唯(神奈川大)。昨年のVタイムの2時間50分35秒は日本歴代3位のタイムとなっており、まずは参加標準記録(2時間48分00秒)がターゲットとなりそうだ。
内藤に待ったを掛ける立場にいるのが、過去6度の世界選手権出場を誇る渕瀬真寿美(建装工業)や、初挑戦となる下岡仁美(極東油業)など。世界選手権出場に向けても、参加標準記録の突破がカギを握る。
このほか、同大会では男女の20kmも実施される。男子にはオレゴン世界選手権金メダルの山西利和(愛知製鋼)、同8位の住所大翔(富士通)、パリ五輪代表の濱西諒(サンベルクス)といった実力者が出場を予定。来年2月の日本選手権20km競歩を占う上で重要なレースとなるだろう。
大会は男女35kmが8時にスタート。男子20kmは10時40分、女子20kmは11時から行われる。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.09.16
8位入賞の三浦龍司「世界一が目標」金メダルのビーミッシュと対談/東京世界陸上
2025.09.16
男子走幅跳世界記録保持者マイク・パウエル氏に資格停止処分
-
2025.09.16
2025.09.12
前夜祭イベントでギネス“世界新” 寺田明日香が高速道路KK線でリレー参加/東京世界陸上
-
2025.09.11
-
2025.09.13
-
2025.09.14
2025.08.16
100mH・福部真子12秒73!!ついに東京世界選手権参加標準を突破/福井ナイトゲームズ
2025.08.27
アディダス アディゼロから2025年秋冬新色コレクションが登場!9月1日より順次販売
-
2025.08.19
-
2025.08.24
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.09.16
男子走幅跳世界記録保持者マイク・パウエル氏に資格停止処分
9月12日、アスリート・インテグリティー・ユニット(AIU、世界陸連の独立不正監査機関)は、男子走幅跳世界記録保持者のM.パウエル氏(米国)が暫定的な資格停止処分を受けることを発表した。 AIUは処分の理由を安全確保上の […]
2025.09.16
DAY3は延べ8万6000人超が国立へ イブニングセッション3日連続5万超で大きな熱気/東京世界陸上
◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)3日目 東京2025世界陸上財団は9月15日、東京世界陸上3日目(DAY3)のモーニングセッションとイブニングセッションの入場者数(15日21日時点の速報値)を発表した。 […]
Latest Issue
最新号

2025年10月号 (9月9日発売)
【別冊付録】東京2025世界陸上観戦ガイド
村竹ラシッド/桐生祥秀/中島佑気ジョセフ/中島ひとみ/瀬古優斗
【Coming EKIDEN Season 25-26】
学生長距離最新戦力分析/青学大/駒大/國學院大/中大/