2024.08.01
◇福岡インターハイ(7月28日~8月1日/福岡・博多の森陸上競技場)5日目
福岡インターハイの5日目が行われ、男子110mハードルは古賀ジェレミー(東京2)が13秒59(-0.7)で初優勝を飾った。古賀は準決勝で13秒67(-0.9)の高校新記録をマーク。2位の髙城昊紀(宮崎西1)は13秒68で、大会前の高校記録(13秒69)を上回った。
高校スプリントハードル史上最速の決戦だった。2年の古賀と1年の髙城が熾烈なデッドヒートを展開。会場内の誰もがレースに引きつけられ、その決着と記録に大きな拍手を送った。
準決勝で高校記録保持者となった古賀が7レーン、昨年の全中覇者でU20日本選手権優勝の髙城が5レーンからのスタート。号砲からほぼ横並びでの競り合いとなる。10台目を越えてからわずかに古賀がリードを奪って先着した。
髙城が競ってくる展開は「自分の想定内でした。2年生の意地と力量を見せようと思って、少し前に出られた部分もありました」と古賀。ややスタートがはまらなかったが、その分ハードル間をしっかり刻むことができた。
準決勝で記録を狙った理由については「一つひとつにしか集中できないタイプ。だったら、準決勝で記録を狙って、決勝は勝ちにこだわる自分のレースに集中したいと思いました」と明かした。
「(6月の)南関東大会の時と比べて、自信を持ってレースに臨めたことが一番です」と古賀。その言葉のとおり、予選から貫禄すら漂わせ、13秒83(+1.3)。そして、準決勝で歴史を塗り替え、「自分の想定を上回る記録ですごくうれしかったです」と笑う。
高校記録保持者となったが、既に視線は先に向く。「レースが終わった後に、来年は今後20年くらい破られない記録を作りたいと思いました」。新進気鋭のハードラーは、まだまだ歴史を塗り替えていく。
一方、2位ながら従来の高校記録を上回った髙城は古賀とのハイレベルの競り合いに、「本当に幸せというか、切磋琢磨していけたらいいです」ときっぱり。「決勝は純粋に楽しむ気持ちが強くて、競っていけばタイムが出ると思っていました」と振り返る。
高校1年目からインパクトを残し続けている現状に、「100mで大幅に自己新を出せたことが自信にはなっていますが、ここまで記録が伸びるとは思っていませんでした」と受け止める。一方で、「100mでもインターハイの決勝に残れるくらいになりたいです」と強調。この尽きない向上心が、成長の源だ。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.10.15
19年ドーハ世界陸上代表・井本佳伸が現役引退「たくさんの出会い幸せ」今後は指導者の道へ
-
2025.10.15
-
2025.10.15
-
2025.10.14
-
2025.10.14
-
2025.10.13
-
2025.10.13
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.10.15
19年ドーハ世界陸上代表・井本佳伸が現役引退「たくさんの出会い幸せ」今後は指導者の道へ
男子短距離で活躍し、19年ドーハ世界選手権リレー代表(補欠)の井本佳伸(東京ガスエコモ)が現役生活に区切りをつけることを自身のSNSで発表した。 井本は京都・東輝中時代に全中で100m5位、200m4位。名門・洛南高へ進 […]
2025.10.15
100m宮本大輔が引退「最後まで走り切れた」元中学記録保持者「早熟なんて気にしなくていい」
穏やかな笑顔で静かに、地元・山口でスパイクを脱いだ。 男子100mの元中学記録保持者・宮本大輔(山口フィナンシャルグループ)が現役生活にピリオドを打った。9月の全日本実業団対抗は、地元・山口。「夏くらいには一旦、区切りを […]
2025.10.15
九州実業団駅伝エントリー 旭化成は葛西潤や相澤晃、クラフティア・赤﨑暁、三菱重工・近藤亮太ら日本代表経験者登録
来年元日の全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)の予選会を兼ねた第62回九州実業団毎日駅伝(11月3日/大分・佐伯市の佐伯中央病院陸上競技場発着)のエントリーが10月15日、同実業団連盟から発表された。 エントリーチー […]
2025.10.15
国立競技場が2026年1月から5年間新たな呼称へ! 「ナショナルスタジアムパートナー」第1号にMUFG
金融・証券などの三菱東京UFJフィナンシャルグループ(MUFG)は10月15日、東京・国立競技場の運営を担うジャパンナショナルスタジアム・エンターテイメント(JNSE)と「ナショナルスタジアムパートナー」契約を結んだと発 […]
2025.10.15
リオ五輪110mH銀メダル・オルテガが現役引退 15年に12秒94をマーク
16年リオ五輪の男子110mハードルで銀メダルを獲得したO.オルテガ(スペイン)が引退を表明した。 オルテガはキューバ出身の34歳。12年にはロンドン五輪で6位入賞を果たす。13年のモスクワ世界選手権に出場した際にキュー […]
Latest Issue
最新号

2025年11月号 (10月14日発売)
東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望