2023.12.30
男子100mの日本記録保持者・山縣亮太(セイコー)と、日本人初の9秒台スプリンターの桐生祥秀(日本生命)が、久しぶりに対面を果たした。
12月、東京・国立競技場にその姿があった。この日は契約するアシックスの新年度のカタログ撮影に臨んだ2人。冗談を飛ばし合うなど、終始、和やかな雰囲気で撮影が進んだ。
山縣はケガから復帰した今季について「思い描いていたようにグッと上がっていく感じではなかったですが、最後の国体ではタイムを上げて(10秒12)終われたので手応えをつかめました」と笑顔で振り返る。
冬季練習は順調に積んでおり、「筋肉量も戻ってきた。ここ2年は土台作りをしてきたので、技術を研ぎ澄ませていきたい」と語った。パリ五輪に向けて、「珍しく母がフランスに行きたいと言っているので」と笑い、「パリに向けて全力投球していきたい」と懸ける思いを明かす。
「どうしてああして一足飛びにいけるんだろうって、正直ビックリしました。いつも自分の想像の一個上を超えてくる」と山縣が称したのが桐生。休養明けから実戦復帰すると、5月の木南記念で10秒03をマークした。
桐生も、昨年6月に約3ヵ月の休養を取り、今季は復帰シーズン。木南の快走を含めて「前半は計画通りにいった。5月までは価値のあるものだった」と振り返る。
だが、その後に左脚ハムストリングスを2度肉離れし、「アジア大会を走れたけど満足いく結果ではなかったし(100mで準決勝敗退)、足りないものがたくさんあった」。それを改善点の一つが「地力不足」。冬季では下半身を中心としたさらなるフィジカル強化に着手中で、走り方も新たなものを追求している。
パリ五輪に向けては、「何よりも自分が速く走ること」に集中している。「圧倒的に速く走れれば、(代表入りうんぬんは)考えなくていい。足を速くするためにどうやっていこう、ということだけ考えています」。同じく復帰シーズンだった山縣の走りを見て、「自分ももっと走りたいという気持ちになったし、刺激になりました」と自然と笑顔が広がる。
真新しいジャージやシューズに身を包んだ2人。「暖かい」「デザインがいい」「動きやすいね」などと話しながら撮影した。
中高生に向けて「形から入る年代だとは思いますが、スパイクにも個性があるので、自分の走り方やタイプに合ったスパイクを選んでほしい」(山縣)、「もっと自分自身を突き詰めてほしい。どんなスパイクでも、まずはどうやったらタイムが上がるのかと突き詰めて、取り組んでいくことが大切。速く走れたらカッコイイというモチベーションでもいいと思います」(桐生)とアドバイスを送った。
この日は桐生の28際の誕生日(12月15日)に近かったこともあり、同社からサプライズで大きなケーキが届けられると、桐生も大喜び。「この後、ご飯なのに…。みんなで責任を持って食べましょうね」と笑顔を見せた。
日本を牽引してきた2人のスプリンター。「若い世代に負けないように頑張っていきます。いつまでも“壁”であり続けますよ」と山縣は語った。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.12.23
-
2025.12.23
-
2025.12.22
2025.12.21
【大会結果】第37回全国高校駅伝・女子(2025年12月21日)
2025.12.21
早大が来春入部選手発表!高校駅伝1区激闘の増子陽太、新妻、本田がそろって加入!
2025.12.21
【大会結果】第76回全国高校駅伝・男子(2025年12月21日)
-
2025.12.21
-
2025.12.20
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
2025.12.21
【大会結果】第37回全国高校駅伝・女子(2025年12月21日)
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝男子(2025年12月14日)
-
2025.12.21
-
2025.12.21
-
2025.12.21
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.23
箱根駅伝Stories/3度目の山で伝説を作る早大・工藤慎作 スピードに磨き「ストロングポイントとして活躍を」
新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 中学では当初卓球部を希望 「いよいよ始まるなっていうところで、純粋に […]
2025.12.23
箱根駅伝Stories/東京国際大・大村良紀「10区で展開を作っていく走りを」 集大成の舞台で全力を出し切る
新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 競技を続けるきっかけは消去法 「大村良紀=10区」、という構図ができ […]
2025.12.23
箱根駅伝Stories/自信と屈辱を経てたくましく成長した中大・岡田開成 「自分がゲームチェンジャーになろう」
新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 武者修行で変わった“基準” 中大・岡田開成(2年)にとって第101回 […]
2025.12.23
ニューイヤー駅伝「クマ対応」発表 桐生市内一部エリアに出没例 該当区間の中止も
一般社団法人日本実業団陸上競技連合は12月23日、第70回全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)の「クマ対応」について発表した。 同大会は群馬県庁スタート・フィニッシュで、前橋市、高崎市、伊勢崎氏、太田市、桐生市をめぐ […]
2025.12.23
短距離の竹田一平がスズキを退社「一生の宝物」今後も競技継続 中大2年時にU20代表
スズキは12月末をもって男子短距離の竹田一平が退社・退団すると発表した。 竹田は埼玉県出身の28歳。不動岡高時代は走幅跳や三段跳をメインにしていたが、中大から本格的にスプリントへ。大学2年だった2016年には10秒27を […]
Latest Issue
最新号
2026年1月号 (12月12日発売)
箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳
