2023.12.23
力走誓う松山「2年分の思いぶつける」

鉄紺のエース・松山和希
昨季は左足首を痛めたのをきっかけに左脚に故障が続出。学生駅伝は一度も走ることができなかった。箱根は2区と10区で給水係を担当して、“恐怖”を覚えたという。
「自分が走らないといけない2区を後輩の石田洸介に走らせてしまって、なんと声をかけていいのかわかりませんでした。10区は同部屋の清野太雅(現・中国電力)さんがシード権ギリギリの10位を走っていたんです。(シード落ちの)恐怖で震えが止まりませんでした」
今季も故障を繰り返し、夏前に左脛前を疲労骨折。それでも夏合宿の後半からチームに合流すると、9月からは駅伝主将に就任。主将の佐藤とともにチームを引っ張っている。練習の一環で出場した小江戸川越ハーフで1時間3分35秒。予定より約1分速いタイムでまとめるなど、徐々に調子を上げてきた。
「絶好時と比べて、出雲は30%、小江戸川越ハーフは50%くらいですかね。箱根駅伝は100%まで持っていきたい。花の2区は自分が走るべき区間。前回走れなかったので、2年分の思いをぶつけるつもりです。最後は区間賞を獲得して、チームに恩返ししたいと思っています」
継続中では最長の18年連続でシード権を確保してきた。そこには、11年連続トップスリーという輝かしい足跡も含まれる。「箱根駅伝は4区あたりから存在感を出せればなと思います。再び、黄金期を作るための足掛かりになるような第100回大会にしていきたい」と酒井監督は前を見つめている。
酒井監督が劣勢を覚悟している2区をエース・松山が快走できれば、鉄紺のプライドを取り戻すことができるだろう。そうなれば目標に掲げる「5位以内」が近づいてくるはず。東洋大らしい“1秒をけずりだす”魂の継走を披露する。
文/酒井政人
東洋大の小林亮太(左)と奥山輝(23年全日本大学駅伝)[/caption]
新春の風物詩・箱根駅伝の100回大会に挑む出場全23校の選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。それぞれが歩んできた1年間の足跡をたどった。
出雲、全日本の苦戦経て巻き返してへ上昇中
2009年以降に箱根駅伝で4度の総合優勝を誇る東洋大が、駅伝で苦しむ姿が続いている。 今年度は、出雲は1区・緒方澪那斗(2年)が6位で発進しながら8位。昨年度は三大駅伝に一度も出走できなかったエース・松山和希(4年)が復帰したものの、4区で区間8位と伸び悩んだ。 全日本は松山、佐藤真優、九嶋恵舜(ともに4年)、石田洸介(3年)を起用できずに大苦戦。一度もシード圏内に入ることなく、過去ワーストの14位に沈んだのだ。昨年度も松山の不在もあって学生駅伝は出雲9位、全日本8位、箱根10位と振るわなかった。悪い流れを、なかなか断ち切れない状況について、酒井俊幸監督はこう語る。 「出雲はあのメンバーの中では駅伝のかたちになっていたと思いますが、稼げる選手がいませんでした。全日本は経験値になればと思って、初めて学生駅伝に出るような選手を主要区間にも起用しました。シード落ちはありうるかと思っていたのですが、期待が大きく外れました。区間18位が出るなど、1秒をけずりだす走りとかけ離れてしまったことに危機感を抱いています」 それでも上尾ハーフで奥山輝(4年)、九嶋、岸本遼太郎(2年)、薄根大河(1年)が1時間3分台をマークした。練習の一環で出場した小江戸川越ハーフでは吉田周(3年)が1時間2分43秒で制すと、松山、小林、梅崎、久保、村上太一(4年)、永吉恭理(3年)、西村真周(2年)も1時間3分台で走破した。正月決戦に向けて調子を上げている印象だ。 前回2区を務めた石田は16人のエントリーから外れたが、出雲と全日本を欠場した佐藤と九嶋は間に合った。出雲と全日本の両駅伝に出走した熊﨑、梅崎、小林、緒方がチームの軸となる存在。酒井監督は、「2区と3区は誰が走っても厳しい。序盤は耐えるしかありません」と話していたが、鉄紺のエースは静かに燃えている。 攻略の難しい花の2区を1年時に区間4位(1時間7分15秒)、2年時は同5位(1時間7分02秒)で快走した松山だ。力走誓う松山「2年分の思いぶつける」
[caption id="attachment_124223" align="alignnone" width="800"]
鉄紺のエース・松山和希[/caption]
昨季は左足首を痛めたのをきっかけに左脚に故障が続出。学生駅伝は一度も走ることができなかった。箱根は2区と10区で給水係を担当して、“恐怖”を覚えたという。
「自分が走らないといけない2区を後輩の石田洸介に走らせてしまって、なんと声をかけていいのかわかりませんでした。10区は同部屋の清野太雅(現・中国電力)さんがシード権ギリギリの10位を走っていたんです。(シード落ちの)恐怖で震えが止まりませんでした」
今季も故障を繰り返し、夏前に左脛前を疲労骨折。それでも夏合宿の後半からチームに合流すると、9月からは駅伝主将に就任。主将の佐藤とともにチームを引っ張っている。練習の一環で出場した小江戸川越ハーフで1時間3分35秒。予定より約1分速いタイムでまとめるなど、徐々に調子を上げてきた。
「絶好時と比べて、出雲は30%、小江戸川越ハーフは50%くらいですかね。箱根駅伝は100%まで持っていきたい。花の2区は自分が走るべき区間。前回走れなかったので、2年分の思いをぶつけるつもりです。最後は区間賞を獲得して、チームに恩返ししたいと思っています」
継続中では最長の18年連続でシード権を確保してきた。そこには、11年連続トップスリーという輝かしい足跡も含まれる。「箱根駅伝は4区あたりから存在感を出せればなと思います。再び、黄金期を作るための足掛かりになるような第100回大会にしていきたい」と酒井監督は前を見つめている。
酒井監督が劣勢を覚悟している2区をエース・松山が快走できれば、鉄紺のプライドを取り戻すことができるだろう。そうなれば目標に掲げる「5位以内」が近づいてくるはず。東洋大らしい“1秒をけずりだす”魂の継走を披露する。
文/酒井政人 RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2026.02.16
【女子棒高跳】伊藤来莉(大砂土中1埼玉) 3m60=中1最高
-
2026.02.16
-
2026.02.16
-
2026.02.16
2026.02.15
【大会結果】第6回全国大学対校男女混合駅伝(2026年2月15日)
-
2026.02.10
-
2026.02.15
-
2026.02.12
2026.01.31
青学大・黒田朝日は「コンディション不良に近い」MGC獲得が「第一目標」/別大毎日マラソン
-
2026.02.01
-
2026.01.18
-
2026.02.15
Latest articles 最新の記事
2026.02.17
ドラマ「俺たちの箱根駅伝」山下智久さん、箱根に挑む学生キャストがクランクイン 現実と同じ読売新聞東京本社内でも撮影
人気作家・池井戸潤氏の小説を原作とした日本テレビ系ドラマ「俺たちの箱根駅伝」(2026年10月放送開始予定)の撮影がスタートし、物語の中心となる明誠学院大学陸上競技部の甲斐真人監督役を演じる山下智久さんや、学生キャストで […]
2026.02.16
日本マラソン界のホープ・平林清澄、世界に向けた挑戦! パワーアップの源となるレース前のルーティーンとは――
昨季まで國學院大學の主力として大学駅伝界を沸かせた平林清澄(ロジスティード)は、社会人になり〝冬眠〟期間を経てパワーアップした走りを披露している。狙ったレースを外さないのが平林。学生時代から食事等に人一倍気を使ってきたが […]
2026.02.16
【女子棒高跳】伊藤来莉(大砂土中1埼玉) 3m60=中1最高
中1女子棒高跳 歴代10傑をチェック 3.60i 伊藤 来莉(大砂土1埼玉) ★2026. 2.15 3.52 中村 心葵(三室・埼玉) 2023. 3.30 3.51i 西原 凜(藤井・香川) 2022.12. 3 […]
2026.02.16
【女子棒高跳】髙橋美優(観音寺中部中3香川) 3m74=中学歴代9位
中学女子棒高跳 歴代10傑をチェック 3.91 中村 心葵(三室3+埼玉) 2025. 3.31 3.90i 柳川 美空(南橘3群馬) 2020. 8. 9 3.81 渡邊 紗莱(幸並3+埼玉) 2023. 3.19 3 […]
2026.02.16
キピエゴンが10km29分46秒で快勝 !「マラソンへの第一歩」
モナコ・ランが2月15日に開催され、女子ロード10kmで1500mの世界記録保持者F.キピエゴン(ケニア)がで29分46秒をマークした。 キピエゴンは五輪・世界選手権で8つの金メダルを獲得している32歳。ロード種目は23 […]
Latest Issue
最新号
2026年3月号 (2月14日発売)
別府大分毎日マラソン
大阪国際女子マラソン
矢田みくにインタビュー
追跡箱根駅伝