HOME 学生長距離

2023.12.23

箱根駅伝Stories/エース松山和希を軸に19年連続シード獲得期す東洋大 鉄紺の誇り胸に「再び黄金期築くための足掛かりを」

東洋大の小林亮太(左)と奥山輝(23年全日本大学駅伝)

新春の風物詩・箱根駅伝の100回大会に挑む出場全23校の選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。それぞれが歩んできた1年間の足跡をたどった。

広告の下にコンテンツが続きます

出雲、全日本の苦戦経て巻き返してへ上昇中

2009年以降に箱根駅伝で4度の総合優勝を誇る東洋大が、駅伝で苦しむ姿が続いている。

今年度は、出雲は1区・緒方澪那斗(2年)が6位で発進しながら8位。昨年度は三大駅伝に一度も出走できなかったエース・松山和希(4年)が復帰したものの、4区で区間8位と伸び悩んだ。

全日本は松山、佐藤真優、九嶋恵舜(ともに4年)、石田洸介(3年)を起用できずに大苦戦。一度もシード圏内に入ることなく、過去ワーストの14位に沈んだのだ。昨年度も松山の不在もあって学生駅伝は出雲9位、全日本8位、箱根10位と振るわなかった。悪い流れを、なかなか断ち切れない状況について、酒井俊幸監督はこう語る。

「出雲はあのメンバーの中では駅伝のかたちになっていたと思いますが、稼げる選手がいませんでした。全日本は経験値になればと思って、初めて学生駅伝に出るような選手を主要区間にも起用しました。シード落ちはありうるかと思っていたのですが、期待が大きく外れました。区間18位が出るなど、1秒をけずりだす走りとかけ離れてしまったことに危機感を抱いています」

それでも上尾ハーフで奥山輝(4年)、九嶋、岸本遼太郎(2年)、薄根大河(1年)が1時間3分台をマークした。練習の一環で出場した小江戸川越ハーフでは吉田周(3年)が1時間2分43秒で制すと、松山、小林、梅崎、久保、村上太一(4年)、永吉恭理(3年)、西村真周(2年)も1時間3分台で走破した。正月決戦に向けて調子を上げている印象だ。

前回2区を務めた石田は16人のエントリーから外れたが、出雲と全日本を欠場した佐藤と九嶋は間に合った。出雲と全日本の両駅伝に出走した熊﨑、梅崎、小林、緒方がチームの軸となる存在。酒井監督は、「2区と3区は誰が走っても厳しい。序盤は耐えるしかありません」と話していたが、鉄紺のエースは静かに燃えている。

攻略の難しい花の2区を1年時に区間4位(1時間7分15秒)、2年時は同5位(1時間7分02秒)で快走した松山だ。

[caption id="attachment_124224" align="alignnone" width="800"] 東洋大の小林亮太(左)と奥山輝(23年全日本大学駅伝)[/caption] 新春の風物詩・箱根駅伝の100回大会に挑む出場全23校の選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。それぞれが歩んできた1年間の足跡をたどった。

出雲、全日本の苦戦経て巻き返してへ上昇中

2009年以降に箱根駅伝で4度の総合優勝を誇る東洋大が、駅伝で苦しむ姿が続いている。 今年度は、出雲は1区・緒方澪那斗(2年)が6位で発進しながら8位。昨年度は三大駅伝に一度も出走できなかったエース・松山和希(4年)が復帰したものの、4区で区間8位と伸び悩んだ。 全日本は松山、佐藤真優、九嶋恵舜(ともに4年)、石田洸介(3年)を起用できずに大苦戦。一度もシード圏内に入ることなく、過去ワーストの14位に沈んだのだ。昨年度も松山の不在もあって学生駅伝は出雲9位、全日本8位、箱根10位と振るわなかった。悪い流れを、なかなか断ち切れない状況について、酒井俊幸監督はこう語る。 「出雲はあのメンバーの中では駅伝のかたちになっていたと思いますが、稼げる選手がいませんでした。全日本は経験値になればと思って、初めて学生駅伝に出るような選手を主要区間にも起用しました。シード落ちはありうるかと思っていたのですが、期待が大きく外れました。区間18位が出るなど、1秒をけずりだす走りとかけ離れてしまったことに危機感を抱いています」 それでも上尾ハーフで奥山輝(4年)、九嶋、岸本遼太郎(2年)、薄根大河(1年)が1時間3分台をマークした。練習の一環で出場した小江戸川越ハーフでは吉田周(3年)が1時間2分43秒で制すと、松山、小林、梅崎、久保、村上太一(4年)、永吉恭理(3年)、西村真周(2年)も1時間3分台で走破した。正月決戦に向けて調子を上げている印象だ。 前回2区を務めた石田は16人のエントリーから外れたが、出雲と全日本を欠場した佐藤と九嶋は間に合った。出雲と全日本の両駅伝に出走した熊﨑、梅崎、小林、緒方がチームの軸となる存在。酒井監督は、「2区と3区は誰が走っても厳しい。序盤は耐えるしかありません」と話していたが、鉄紺のエースは静かに燃えている。 攻略の難しい花の2区を1年時に区間4位(1時間7分15秒)、2年時は同5位(1時間7分02秒)で快走した松山だ。

力走誓う松山「2年分の思いぶつける」

[caption id="attachment_124223" align="alignnone" width="800"] 鉄紺のエース・松山和希[/caption] 昨季は左足首を痛めたのをきっかけに左脚に故障が続出。学生駅伝は一度も走ることができなかった。箱根は2区と10区で給水係を担当して、“恐怖”を覚えたという。 「自分が走らないといけない2区を後輩の石田洸介に走らせてしまって、なんと声をかけていいのかわかりませんでした。10区は同部屋の清野太雅(現・中国電力)さんがシード権ギリギリの10位を走っていたんです。(シード落ちの)恐怖で震えが止まりませんでした」 今季も故障を繰り返し、夏前に左脛前を疲労骨折。それでも夏合宿の後半からチームに合流すると、9月からは駅伝主将に就任。主将の佐藤とともにチームを引っ張っている。練習の一環で出場した小江戸川越ハーフで1時間3分35秒。予定より約1分速いタイムでまとめるなど、徐々に調子を上げてきた。 「絶好時と比べて、出雲は30%、小江戸川越ハーフは50%くらいですかね。箱根駅伝は100%まで持っていきたい。花の2区は自分が走るべき区間。前回走れなかったので、2年分の思いをぶつけるつもりです。最後は区間賞を獲得して、チームに恩返ししたいと思っています」 継続中では最長の18年連続でシード権を確保してきた。そこには、11年連続トップスリーという輝かしい足跡も含まれる。「箱根駅伝は4区あたりから存在感を出せればなと思います。再び、黄金期を作るための足掛かりになるような第100回大会にしていきたい」と酒井監督は前を見つめている。 酒井監督が劣勢を覚悟している2区をエース・松山が快走できれば、鉄紺のプライドを取り戻すことができるだろう。そうなれば目標に掲げる「5位以内」が近づいてくるはず。東洋大らしい“1秒をけずりだす”魂の継走を披露する。 文/酒井政人

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

         

Latest articles 最新の記事

2026.02.18

800m転向のボル 足の腱炎で室内大会出場をキャンセル 「紙一重の状態で追い込んでいる」

東京世界選手権女子400mハードルの金メダリストで、今季から800mに転向をしているF.ボル(オランダ)が、自身のSNSで足の腱炎のため室内シーズンを早期終了することを発表した。 ボルは17日にSNSを更新し、「合宿での […]

NEWS 【プレゼント】ハーツ&ハーツクリニックの 「お出かけネックウォーマー」/2026年3月号

2026.02.18

【プレゼント】ハーツ&ハーツクリニックの 「お出かけネックウォーマー」/2026年3月号

ビッグイベントで男女のトップアスリートがネックレスを愛用し、さらに年末年始のビッグ駅伝でも多くのランナーが使用して注目を集めたハーツ製品。 その中でタウンユースはもちろん、トレーニング時にも温かくて寒さ予防に最適な「お出 […]

NEWS 小山直城と西山和弥が欠場、登録最速タイムのキプラガト、メンゲシャも故障のため回避/東京マラソン

2026.02.17

小山直城と西山和弥が欠場、登録最速タイムのキプラガト、メンゲシャも故障のため回避/東京マラソン

東京マラソン財団は2月17日、東京マラソン2026の招待選手情報を更新し、国内招待選手のうちパリ五輪、東京世界選手権代表の小山直城(Honda)、西山和弥(トヨタ自動車)の欠場を発表した。ともに故障が理由。 このほか、海 […]

NEWS 中央学大に全国高校駅伝3区出走の佐藤悠斗、竹宮流星やIH1500m出場の森田瑛仁らが合格

2026.02.17

中央学大に全国高校駅伝3区出走の佐藤悠斗、竹宮流星やIH1500m出場の森田瑛仁らが合格

中央学大は2月17日、チームのSNSで今春入部する新入生を発表した。 今春入学するのは21名。5000mで14分19秒45の自己ベストを持つ佐藤悠斗(中越・新潟)は、2年時から全国高校駅伝やインターハイ北信越大会に出場。 […]

NEWS 名古屋ウィメンズマラソンに日本記録保持者の前田穂南、佐藤早也伽ら招待 樺沢が初挑戦、PMに田中希実

2026.02.17

名古屋ウィメンズマラソンに日本記録保持者の前田穂南、佐藤早也伽ら招待 樺沢が初挑戦、PMに田中希実

日本陸連は2月17日、MGCシリーズ2025-26女子G1の名古屋ウィメンズマラソン2026(3月8日)のエントリー選手を発表した。 特別招待選手には、日本記録(2時間18分59秒)保持者の前田穂南(天満屋)がエントリー […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年3月号 (2月14日発売)

2026年3月号 (2月14日発売)

別府大分毎日マラソン
大阪国際女子マラソン
矢田みくにインタビュー
追跡箱根駅伝

page top