HOME 国内

2023.12.11

やり投・ディーン元気が練習公開 陸上競技初の3大会ぶり五輪へ「やるべきことに集中してマイペースで」自然体を強調
やり投・ディーン元気が練習公開 陸上競技初の3大会ぶり五輪へ「やるべきことに集中してマイペースで」自然体を強調

練習を公開したディーン元気(ミズノ)

男子やり投のディーン元気(ミズノ)が12月11日、都内で練習を公開し、報道陣の取材に応じた。

冬季練習をスタートして少し経つが、オフ期間で「だいぶ疲れも取れました」と柔和な笑みを浮かべるディーン。10月のアジア大会(中国・杭州)を終えたあとは1ヵ月ほど休養し、趣味の釣りに出掛けて「クエとかを釣りました」。心身共にリフレッシュしたようだ。

この日はウォーミングアップのあと、冬の間は常時行っているメディシンボールを使った補強で身体を温めてから、軽く投てきを披露。「砲丸や円盤をやっていたクセで、右脚で一回“ため”を作ってしまって、ブレーキがかかる。ここがもっとうまくできれば助走を生かしてスムーズに投げられるのですが、なかなかクセは直りませんね」と言い、「でも、やり投も長いことやっているからそろそろ」と苦笑いした。

広告の下にコンテンツが続きます

12月30日で32歳。早大時代に一躍、時の人ととなり2012年にロンドン五輪に出場した。だが、その際に右脇腹を痛めた影響が長引き、試合から遠ざかったシーズンもある。自己記録の84m28も、11年間止まったままだ。

しかし、2020年からの復活劇は見事。7年ぶりに80mの大台に乗せると84mオーバーを見せる。21年の東京五輪こそ逃したものの、昨年のオレゴン世界選手権は決勝進出して9位。今年は83m15を投げてアジア選手権で金メダルを獲得し、ブダペスト世界選手権にも出場した。

今シーズンを振り返り、「シーズン序盤からうまく立て直してきて、アジア選手権と日本選手権も優勝できた。すごく順調だったのですが、世界選手権は14位。悔しい思いをしたシーズンでした」と言う。ただ、その後、満身創痍の中で臨んだアジア大会でも3位。「トータルで見ると失敗もありましたが、結果として形になった」と充実感もある。

見据えるのは来夏のパリ五輪。参加標準記録は自己記録より高い85m50だが、そこは射程圏内にとらえている。また、今季の安定した戦いぶりから、ワールドランキングでもアドバンテージを持って来季に迎えるのは大きい。

「まずはケガなく練習を継続すること。年齢も年齢なので、うまく疲労をコントロールしながらやっていきます。オリンピックイヤーだから気合が入るとかではなく、いつも通り、自分のペースを崩さずにマイペースでやるのが一番です」

パリ五輪出場となれば、実に3大会ぶりのオリンピック。3大会ぶりのブランクでの出場となれば陸上競技では初めてとなる。

「3大会ぶりはなかなかいない思います。目の前のことをやっていき、その過程を楽しんでいきたいです。パリ五輪にしっかり出て満足のいく結果を得たい。みなさんに『あいつ、まだやっていて、ベストを出してすごいな』って思ってもらったり、励みにしてもらったり。そんなパフォーマンスができればと思います」

年明けはフィンランドに渡り、質・量ともにハードなトレーニングに入りシーズンに備えていく。「来年は、(同学年の)新井涼平(スズキ)と投げ合いたいですね。北口(榛花、JAL)の活躍も刺激になっていますが、男子もフルエントリーしているので、もう少し注目してもらえれば」。三十路に入ってもまだまだ“元気”いっぱい。やり投の第一人者として、自身2度目のオリンピックに向かっていく。

男子やり投のディーン元気(ミズノ)が12月11日、都内で練習を公開し、報道陣の取材に応じた。 冬季練習をスタートして少し経つが、オフ期間で「だいぶ疲れも取れました」と柔和な笑みを浮かべるディーン。10月のアジア大会(中国・杭州)を終えたあとは1ヵ月ほど休養し、趣味の釣りに出掛けて「クエとかを釣りました」。心身共にリフレッシュしたようだ。 この日はウォーミングアップのあと、冬の間は常時行っているメディシンボールを使った補強で身体を温めてから、軽く投てきを披露。「砲丸や円盤をやっていたクセで、右脚で一回“ため”を作ってしまって、ブレーキがかかる。ここがもっとうまくできれば助走を生かしてスムーズに投げられるのですが、なかなかクセは直りませんね」と言い、「でも、やり投も長いことやっているからそろそろ」と苦笑いした。 12月30日で32歳。早大時代に一躍、時の人ととなり2012年にロンドン五輪に出場した。だが、その際に右脇腹を痛めた影響が長引き、試合から遠ざかったシーズンもある。自己記録の84m28も、11年間止まったままだ。 しかし、2020年からの復活劇は見事。7年ぶりに80mの大台に乗せると84mオーバーを見せる。21年の東京五輪こそ逃したものの、昨年のオレゴン世界選手権は決勝進出して9位。今年は83m15を投げてアジア選手権で金メダルを獲得し、ブダペスト世界選手権にも出場した。 今シーズンを振り返り、「シーズン序盤からうまく立て直してきて、アジア選手権と日本選手権も優勝できた。すごく順調だったのですが、世界選手権は14位。悔しい思いをしたシーズンでした」と言う。ただ、その後、満身創痍の中で臨んだアジア大会でも3位。「トータルで見ると失敗もありましたが、結果として形になった」と充実感もある。 見据えるのは来夏のパリ五輪。参加標準記録は自己記録より高い85m50だが、そこは射程圏内にとらえている。また、今季の安定した戦いぶりから、ワールドランキングでもアドバンテージを持って来季に迎えるのは大きい。 「まずはケガなく練習を継続すること。年齢も年齢なので、うまく疲労をコントロールしながらやっていきます。オリンピックイヤーだから気合が入るとかではなく、いつも通り、自分のペースを崩さずにマイペースでやるのが一番です」 パリ五輪出場となれば、実に3大会ぶりのオリンピック。3大会ぶりのブランクでの出場となれば陸上競技では初めてとなる。 「3大会ぶりはなかなかいない思います。目の前のことをやっていき、その過程を楽しんでいきたいです。パリ五輪にしっかり出て満足のいく結果を得たい。みなさんに『あいつ、まだやっていて、ベストを出してすごいな』って思ってもらったり、励みにしてもらったり。そんなパフォーマンスができればと思います」 年明けはフィンランドに渡り、質・量ともにハードなトレーニングに入りシーズンに備えていく。「来年は、(同学年の)新井涼平(スズキ)と投げ合いたいですね。北口(榛花、JAL)の活躍も刺激になっていますが、男子もフルエントリーしているので、もう少し注目してもらえれば」。三十路に入ってもまだまだ“元気”いっぱい。やり投の第一人者として、自身2度目のオリンピックに向かっていく。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.07

立命大が大会新で優勝 前回の雪辱果たす4年ぶりV/京都学生駅伝

第92回京都学生駅伝が12月7日、京都市の北大路橋西側河川敷をスタート、京産大総合グラウンドにフィニッシュする6区間43.8kmのコースで行われ、立命大Aが2時間11分45秒の大会新記録で4年ぶりの優勝を飾った。 立命大 […]

NEWS 大学対校男女混合駅伝の出場が決定! 前回より1チーム増の22チームに出場権 新潟医療福祉大が初出場

2025.12.07

大学対校男女混合駅伝の出場が決定! 前回より1チーム増の22チームに出場権 新潟医療福祉大が初出場

12月3日、関西学連は、2025年2月15日に開催される第6回全国大学対校男女混合駅伝の出場22チームを発表した。 同大会は第4回大会までは招待制で行われていたが、前回大会からシード制と世界陸連スコアリングテーブルを用い […]

NEWS 西山和弥が日本人トップの2位でMGC切符!23年ブダペスト世界陸上代表が復調気配/防府読売マラソン

2025.12.07

西山和弥が日本人トップの2位でMGC切符!23年ブダペスト世界陸上代表が復調気配/防府読売マラソン

◇第56回防府読売マラソン(12月7日/山口県防府市) MGCシリーズ2025-26の第56回防府読売マラソンが行われ、男子(G1)はワークナー・デレセ(ひらまつ病院)が23年ぶりの大会新記録となる2時間6分58秒(速報 […]

NEWS 【大会結果】福岡国際マラソン2025(2025年12月7日)

2025.12.07

【大会結果】福岡国際マラソン2025(2025年12月7日)

【大会成績】福岡国際マラソン2025(12月7日/福岡県福岡市・平和台陸上競技場発着)

NEWS 西研人が初優勝! 大会記録に迫る45分55秒 小山直城が2位 国際の部はヴィンセントがトップ/甲佐10マイルロード

2025.12.07

西研人が初優勝! 大会記録に迫る45分55秒 小山直城が2位 国際の部はヴィンセントがトップ/甲佐10マイルロード

12月1日、熊本県甲佐町で第50回熊本甲佐10マイルロードレースが行われ、一般の部では西研人(大阪ガス)が45分55秒で初優勝を飾った。 レースは、西と同時スタートの国際の部に出場したY.ヴィンセント(Honda)やE. […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top