2023.12.08
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)
第18回(1937年/昭和12年)
日大が歴史刻むV3 山の名手・鈴木が逆転に導く
前回と同じく14校が出場した第18回大会は、日大が従来の総合記録(第14回で早大が記録した12時間47分53秒)を14分29秒も短縮する12時間33分24秒の驚異的なタイムで史上初の3連覇を達成した。
1区から日大の村上昇が2位の明大に2分35秒差をつける。このまま行くかに思われたが、2区では明大・大森伊三治が区間賞の力走で7秒差まで追い上げる。さらに3区では前年に行われたベルリン五輪マラソンで銅メダルを獲得している明大・南昇竜が快走を見せて先頭を奪った。明大は4区でも名島忠雄が区間新記録を樹立。リードを1分9秒から2分7秒に広げた。
それでも日大は山上りのスペシャリスト・鈴木房重を5区に残していた。ベルリン五輪のマラソンで補欠に甘んじた悔しさを振り払うように力走。1時間31分46秒の区間新で明大の佐藤八郎を捕らえ、3年連続トップで往路のフィニッシュに飛び込んだ。2位の明大には3分29秒差をつけた。
復路でも日大は盤石な継走を展開。7区の細川欽三、8区の棚木大が区間新記録をマークすると、9区の松永重も区間賞を獲得する。総合では2位の早大に24分17秒の大差をつける圧勝だった。
早大の10区を走ったのはベルリン五輪1500m代表の中村清。後に母校の指導者となり、瀬古利彦らを育てる名将となった。
同じく10区にはベルリン五輪800m代表の青地球磨男(立教大)も出場。立教大にとって初めてとなる区間賞で、順位を5位から1つ上げ、同校史上最高の4位に押し上げた。
また、ベルリン五輪組では5000mと10000mでともに4位と健闘した中大の村社講平も3区で出走。区間3位と前回に続いて区間賞とはならず、チームも6位に終わった。
参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
第18回(1937年/昭和12年) 日大が歴史刻むV3 山の名手・鈴木が逆転に導く
前回と同じく14校が出場した第18回大会は、日大が従来の総合記録(第14回で早大が記録した12時間47分53秒)を14分29秒も短縮する12時間33分24秒の驚異的なタイムで史上初の3連覇を達成した。 1区から日大の村上昇が2位の明大に2分35秒差をつける。このまま行くかに思われたが、2区では明大・大森伊三治が区間賞の力走で7秒差まで追い上げる。さらに3区では前年に行われたベルリン五輪マラソンで銅メダルを獲得している明大・南昇竜が快走を見せて先頭を奪った。明大は4区でも名島忠雄が区間新記録を樹立。リードを1分9秒から2分7秒に広げた。 それでも日大は山上りのスペシャリスト・鈴木房重を5区に残していた。ベルリン五輪のマラソンで補欠に甘んじた悔しさを振り払うように力走。1時間31分46秒の区間新で明大の佐藤八郎を捕らえ、3年連続トップで往路のフィニッシュに飛び込んだ。2位の明大には3分29秒差をつけた。 復路でも日大は盤石な継走を展開。7区の細川欽三、8区の棚木大が区間新記録をマークすると、9区の松永重も区間賞を獲得する。総合では2位の早大に24分17秒の大差をつける圧勝だった。 早大の10区を走ったのはベルリン五輪1500m代表の中村清。後に母校の指導者となり、瀬古利彦らを育てる名将となった。 同じく10区にはベルリン五輪800m代表の青地球磨男(立教大)も出場。立教大にとって初めてとなる区間賞で、順位を5位から1つ上げ、同校史上最高の4位に押し上げた。 また、ベルリン五輪組では5000mと10000mでともに4位と健闘した中大の村社講平も3区で出走。区間3位と前回に続いて区間賞とはならず、チームも6位に終わった。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)第18回箱根駅伝総合成績をチェック
●総合成績 1位 日大 12時間33分24秒 2位 早大 12時間57分41秒 3位 明大 13時間06分36秒 4位 立教大 13時間24分02秒 5位 専大 13時間25分30秒 6位 中大 13時間53分32秒 7位 東京文理科大 14時間01分37秒 8位 法大 14時間14分19秒 9位 慶大 14時間17分07秒 10位 日本歯科医専 14時間26分02秒 11位 東洋大 14時間29分19秒 12位 東農大 14時間47分07秒 13位 横浜専門 14時間48分55秒 14位 拓大 14時間58分14秒 ●区間賞 1区 村上昇(日大) 1時間13分44秒 2区 大森伊三治(明大) 1時間07分17秒 3区 南昇竜(明大) 1時間14分21秒 4区 名島忠雄(明大) 1時間07分42秒 5区 鈴木房重(日大) 1時間31分46秒 6区 多田秋衛(早大) 1時間20分29秒 7区 細川欽三(日大) 1時間09分06秒 8区 棚木大(日大) 1時間15分18秒 9区 松永重(日大) 1時間09分03秒 10区 青地球磨男(立教大) 1時間14分13秒RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.11.28
青学大、國學院大、中大、早大など11校! 4回目を迎える宮古島大学駅伝の出場予定校発表
-
2025.11.28
-
2025.11.27
-
2025.11.02
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.11.28
中国陸連にWA加盟連盟賞 世界室内、ダイヤモンドリーグなど開催 競技会、ロードレースには600万人が参加
世界陸連(WA)は11月28日、ワールド・アスレティックス・アワード2025の加盟連盟賞に中国陸連を選出したと発表した。 加盟連盟賞は、年間を通して顕著な功績を挙げ、陸上競技の発展や知名度向上に大きく貢献した加盟連盟を表 […]
2025.11.28
青学大、國學院大、中大、早大など11校! 4回目を迎える宮古島大学駅伝の出場予定校発表
「宮古島大学駅伝ワイドー・ズミ2026」の実行委員会は、11月20日時点の出場予定校を発表した。 箱根駅伝で総合3連覇を狙う青学大や、前回大会で2連覇を飾った國學院大、全日本大学駅伝2位の中大、出雲駅伝で2位の早大など関 […]
2025.11.28
22年世界陸上走幅跳金メダル・王嘉男 ドーピング陽性反応も嫌疑なし AIUが正式に報告
世界陸連(WA)の独立不正調査機関「アスリート・インテグリティ・ユニット(AIU)」は11月27日、男子走幅跳でオレゴン世界選手権金メダルを獲得した王嘉男(中国)のドーピング疑惑について、違反はなかったことを確認し、処分 […]
2025.11.27
プロ野球選手・筒香嘉智と陸上界がコラボ スポーツの垣根を超えるクリニックを12月に開催
11月27日、日本陸連は2024年度から取り組むプロジェクト「RIKUJO JAPAN」の一環として、「~スポーツの垣根を超える~ 2025 TSUTSUGO SPORTS ACADEMY FESTIVAL × RIKU […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025