◇第110回日本選手権(6月12~14日/愛知・パロマ瑞穂スタジアム)3日目
名古屋アジア大会代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、男子400mハードルは高2年生の後藤大樹(洛南高2京都)が日本歴代4位の48秒09で制し、この種目では初の高校生優勝となった。
洛南高の新たな怪物が、その若き才能を大舞台で爆発させた。前半から飛ばした黒川和樹(住友電工)を8台目くらいで並びかけると、その黒川は「海外選手のようだった」と言う強烈なスパートで、フィニッシュラインを駆け抜けた。予選で出した48秒31の高校記録をさらに大きく更新する、U18世界最高となる48秒09。衝撃だった。
「予選と同じくテレビで見ていた舞台。高校生らしくフレッシュな気持ちで走ろうと思いました。緊張はなくて、自然と笑みがこぼれるようなわくわくした気持ちでした。でも、まだ優勝した実感はありません」
桐生祥秀(日本生命)らを育てた名伯楽・柴田博之先生から「残り200mでミニハードルをやるイメージで刻んで」とアドバイスを受けると、その通り中盤以降は力を使わずに加速していった。
千葉県出身。もとはサッカー少年だったが、小3のマラソン大会で60位になったことで「自分より速い人がいる」と陸上のクラブチームへ。5年生の時に初めてハードルを勧められて始めた。中学でも110mハードルで全中優勝した。
その陸上を始めた小学生の頃に洛南高を知り、当時から入学を希望していたという。しかも、勉強もおろそかにせず、高校の先生からは「普通に勉強に専念すれば東大や京大も狙える」と評価されるほど。さらに、将来の海外進出を見据えて英会話も習っている。100mも10秒49、200m21秒12、さらには走幅跳でも7mを超える日本陸上界に誕生した逸材だ。
予選で塗り替えた為末大の不滅といわれた高校記録。次は、さらに日本記録(47秒89)にも0.20秒にまで近づいた。
これで高校2年生にしてアジア大会代表に内定。「今回の大会のように観客をびっくりさせられるようになりたいし、愛される選手になっていきたいです」。その前には「数日後に(インターハイ)近畿大会があるので、目の前の一つひとつクリアしていきます」と、高校生らしく仲間とともに戦う舞台に戻り、110mハードルと400mハードル、そしてリレーに力を注ぐ。
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