2023.02.08
第10回アジア室内選手権が2月10日(金)から12日(日)の3日間、カザフスタンの首都アスタナで開催される。本来は2年に一度行われるが、コロナ禍で中止、延期が重なっていたため2018年以来5年ぶりの開催だ。
ブダペスト世界選手権の出場に向け、世界陸連のカテゴリーが高いこの大会は、出場条件の一つであるワールドランキングの順位を上げるための重要な一戦となる。
女子5000m日本記録保持者の廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が3000mに出場する。昨年のオレゴン世界選手権には5000mと10000mに出場。10000mでは12位ながら日本歴代2位の30分39秒71をマークした。
昨秋は1500mや3000mのレースを連戦でこなしてスピードを強化。ブダペスト世界選手権の5000mの参加標準記録が14分57秒00と高水準なだけに、対象となる3000mでポイントを獲得しておきたいところ。3000mの室内日本記録は19年に松﨑璃子がマークした9分00秒86で、実力的にはこれを上回りそうだ。
この種目には、昨年10月の国体成年5000mで日本人学生最高の15分16秒71をマークした山本有真(名城大)も出場。また、男子には東京五輪5000m代表の坂東悠汰(富士通)と佐藤圭汰(駒大)がエントリーしている。
スプリント(110m/100m)ハードルでオレゴン世界選手権の準決勝に進んだ石川周平(富士通)と青木益未(七十七銀行)も注目。青木は先週末の日本選手権室内で4連覇を達成。自身の持つ室内日本記録(8秒05)を上回る7秒台を視野に入れている。
好調なのが男子走高跳の赤松諒一(アワーズ)。オレゴン世界選手権で初めて日本代表になったが、それで自信をつかめた赤松は日本選手権室内で屋外の自己記録に1cmと迫る2m27をクリアした。これは今季の室内世界ランキング3位タイ。一気にアジアの頂点を狙いにいく。
こちらも調子を上げているのは女子三段跳の森本麻里子(内田建設AC)。1月22日のドイツでの室内競技会で13m38と自身の室内日本記録を更新した。それだけにとどまらず、2月2日にはチェコで室内競技会に出場し、2回目に13m50、5回目に13m53と日本新を連発。アジア室内でさらなる記録更新なるか。
男子1500mには荒井七海(Honda)と飯澤千翔の、東海大先輩・後輩コンビが出場する。飯澤は2月4日に米国で室内の1マイルに出場して3分56秒01。荒井の室内日本記録(3分56秒60)を更新するなど勢いがある。
日本との時差は3時間。日本時間10日13時に女子五種競技60mハードルが行われ、七種競技日本記録保持者の山﨑有紀(スズキ)が先陣を切る。28人の日本代表の戦いに注目だ。
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■アスタナ2023アジア室内日本代表選手
・男子 ●60m 鈴木涼太(スズキ) ●800m 薄田健太郎(筑波大) 金子魅玖人(中大) ●1500m 飯澤千翔(東海大) 荒井七海(Honda) ●3000m 坂東悠汰(富士通) 佐藤圭汰(駒澤大) ●60mH 石川周平(富士通) 野本周成(愛媛陸協) ●走高跳 赤松諒一(アワーズ) 瀬古優斗(滋賀陸協) ●走幅跳 橋岡優輝(富士通)※辞退 山川夏輝(佐賀県スポ協) ●三段跳 伊藤 陸(近大高専) ●七種競技 奥田啓祐(第一学院高教) 丸山優真(住友電工) ・女子 ●60m 君嶋愛梨沙(土木管理総合) ●800m 塩見綾乃(岩谷産業) ●1500m 後藤 夢(豊田自動織機) 卜部 蘭(積水化学) ●3000m 廣中璃梨佳(日本郵政グループ) 山本有真(名城大) ●60mH 青木益未(七十七銀行) 清山ちさと(いちご) ●走幅跳 秦澄美鈴(シバタ工業) 髙良彩花(筑波大) ●三段跳 森本麻里子(内田建設AC) ●棒高跳 那須眞由(KAGOTANI) ●五種競技 ヘンプヒル恵(アトレ)※辞退 山﨑有紀(スズキ)
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