2022.06.11
◇第106回日本選手権(6月9日~12日/大阪・ヤンマースタジアム長居)2日目
オレゴン世界選手権代表選考会を兼ねた日本選手権の2日目が行われ、男子100mでサニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)、女子1500mで田中希実(豊田自動織機)が、それぞれ優勝で世界選手権代表内定を決めた。
サニブラウンは10秒08(+1.1)で3年ぶり3回目の頂点に立ち、15年北京大会から4大会連続4回目の世界選手権代表入り。「1ヵ月後の世界選手権にしっかりと仕上げていきたい。もっともっとギアを上げてやっていければ」と力強く語った。
2位には3年ぶりに自己記録を0.02秒短縮する10秒10をマークした坂井隆一郎(大阪ガス)、3位には10秒19で18歳の栁田大輝(東洋大)が食い込んだ。小池祐貴(住友電工)は栁田と同タイムながら4位、桐生祥秀(日生命)は5位の鈴木涼太(スズキ)と同じ10秒27で6位にとどまった。
東京五輪8位入賞の田中は4分11秒83で貫録の3連覇を達成し、2大会連続の世界選手権代表に。残り500mで飛び出し、ラスト1周を59秒でカバーするスパートで他を圧倒した。
女子100mは君嶋愛梨沙(土木管理総合)が日本歴代4位タイの11秒36(+0.6)で初優勝。中学時代、2年生にして全中200を当時中学新で制した逸材が、26歳でついに日本最速女王の称号を手にした。3連覇が懸かった兒玉芽生(ミズノ)は0.04秒差で2位、3年ぶり優勝を狙った御家瀬緑(住友電工)が11秒55で3位に続いた。約30分前に100mハードル準決勝を走ったばかりの青木益未(七十七銀行)が、東京五輪4×100mリレー1走の青山華依(甲南大)と同補欠の壹岐あいこ(立命大)を抑えて4位を占めた。
女子では復活Vが目を引き、400mは松本奈菜子(東邦銀行が)が53秒03で静岡・浜松市立高3年だった2014年以来8年ぶり2回目の栄冠。初日の準決勝で自身初の53秒切り、日本歴代4位の52秒74を出した勢いを決勝にもつなげた。棒高跳は竜田夏苗(ニッパツ)がただ1人4m25に成功し、7年ぶり3回目の日本一に輝いた。男子ハンマー投は柏村亮太(ヤマダホールディングス)が日本歴代4位の72m77で2年ぶりに王座を奪還した。
男子400mは佐藤風雅(那須環境)が5月に出した自己記録(45秒40)に迫る45秒49で初制覇、女子ハンマー投でも6投目に日本歴代10位・学生歴代3位の61m94を放った勝冶玲海(九州共立大)が逆転で初優勝を果たした。男子1500mの飯澤千翔(東海大)、同三段跳の伊藤陸(近大高専)もそれぞれ初めて頂点に立った。
3日目は7種目で決勝が実施。注目はトラック最終種目となる男子3000m障害で、東京五輪7位入賞の三浦龍司(順大)が2連覇と、初の世界選手権代表入りを懸けてどんなレースを見せるか。
男子400mハードルでも東京五輪代表の黒川和樹(法大)が標準記録突破済みのため、3位以内に入れば代表に内定する。
また、東京五輪ファイナリストの北口榛花(JAL)が標準突破を狙う女子やり投、2日目の予選で大会新の12秒94(+0.3)をマークするなど好調な青木益未(七十七銀行)を軸とした女子100mハードルではハイレベルの争いとなりそう。
男子棒高跳、女子3000mSC、女子三段跳も今季は好記録が生まれており、目の離せない種目が目白押しだ。
●優勝者一覧 ★=世界選手権代表内定 ●=自己新
【男子】
100m ★サニブラウン・A・ハキーム(タンブルウィードTC) 10秒08(+1.1) 3年ぶり3回目
400m 佐藤風雅(那須環境) 45秒49 初
1500m 飯澤千翔(東海大) 3分42秒82 初
三段跳 伊藤 陸(近大高専) 16m57(+1.5) 初
ハンマー投 柏村亮太(ヤマダホールディングス) ●72m77 2年ぶり4回目
【女子】
100m 君嶋愛梨沙(土木管理総合) ●11秒36(+0.6) 初
400m 松本奈菜子(東邦銀行) 53秒03 8年ぶり2回目
1500m ★田中希実(豊田自動織機) 4分11秒83 3年連続3回目
棒高跳 竜田 夏苗(ニッパツ) 4m25 7年ぶり3回目
ハンマー投 勝冶玲海(九州共立大) ●61m94 初
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