東京五輪選考会を兼ねた日本選手権・長距離が大阪・ヤンマースタジアム長居で行われ、男子10000mで優勝した相澤晃(旭化成)が、参加標準記録(27分28秒00)を上回る27分18秒75の日本新記録をマークして、東京五輪代表に内定した。従来の日本記録を10秒以上も短縮。
「まず、このような状況の中で開催していただきありがとうございます」と第一声。「この1年やってきたことを、オリンピック内定というかたちで表せてよかった」と笑顔を浮かべる。
オープン参加の外国人選手に、五輪マラソン代表の大迫傑(Nike)や鎧坂哲哉(旭化成)、佐藤悠基(SGホールディングスグループ)ら実績のある選手たちに相澤も加わる。最初の1000mは2分45秒。そこに田村和希(住友電工)、箱根駅伝2区で競り合った伊藤達彦(Honda)も入る。途中は大迫、田村、伊藤が引き、中盤以降は伊藤が前へと出た。7000m付近からは伊藤、田村、相澤の三つ巴。さらに8000mでは箱根2区を思い起こさせる相澤と伊藤のデッドヒートとなる。ペースアップする相澤に伊藤が粘るが、残り1000m手前で相澤が突き放した。
東洋大を卒業して実業団1年目。学生時代は4年時に三大駅伝ですべて区間新記録を出すなど学生長距離のエースとして君臨した。今季はケガの影響もあったが、10月の記録会で10000mに出場し27分55秒76の自己新。調子を上げて臨んでいた。
「大学時代はやれなかったスピード練習や速いペースを意識して取り組めた」と相澤。特に「鎧坂さんとの練習をしっかりこなせたのが自信になりました」と言う。記録会では「余裕を持って27分55秒だったので、1ヵ月半あれば日本記録も目指せると思った」と目論み通りの結果を残した。
これで東京五輪代表に内定。福島の同郷で偉大な先輩でもある円谷幸吉も1964年の東京五輪でマラソンと10000mに出場。相澤自身、幼い頃、円谷の名が冠したクラブチーム「円谷ランナーズ」で走り出した。「東京五輪が決まってから、いつも円谷さんの話がでていて、いつも意識してきました。僕も円谷さんと同じ舞台にトラックで出られればと思っていました」と、奇しくも同じ「東京五輪」の10000mで代表に。
箱根駅伝2区で激闘を繰り広げた伊藤達彦(Honda、東京国際大卒)も27分25秒73と五輪参加標準記録を突破して2位。さらに田村和希(住友電工)も27分28秒92と、ここまで日本新記録だった。
■男子10000m
相澤 晃(旭化成)27.18.75=日本新
伊藤 達彦(Honda)27.25.73=日本新
田村 和希(住友電工)27.28.92=日本新
河合 代二(トーエネック)27.34.86
鎧坂 哲哉(旭化成)27.36.29
大迫 傑(Nike)27.36.93
佐藤 悠基(SGHグループ)27.41.84
田澤 廉(駒大)27.46.09
■日本歴代10傑
27.18.75 相澤 晃(旭化成)2020.12.4
27.25.73 伊藤 達彦(Honda)2020.12.4
27.28.92 田村 和希(住友電工)2020.12.4
27.29.69 村山 紘太(旭化成) 2015.11.28
27.29.74 鎧坂 哲哉(旭化成) 2015.11.28
27.34.86 河合 代二(トーエネック)2020.12.4
27.35.09 高岡 寿成(カネボウ) 2001. 5. 4
27.35.33 中山 竹通(ダイエー) 1987. 7. 2
27.36.93 大迫 傑(Nike)2020.12.4
27.38.25 佐藤 悠基(日清食品グループ) 2009. 4.24
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.05.06
男子は銭海峰が1時間19分05秒でトップ 女子はベテラン・劉虹が快勝/WA競歩ツアー
2024.05.06
米国が4種目を制覇! 男子4×400mはボツワナが2分59秒11で初優勝/世界リレー
2024.05.06
20km競歩・山西利和がWA競歩ツアーで1時間19分37秒で3位 パリ五輪逃しても力示す
-
2024.05.06
-
2024.04.29
-
2024.05.03
2024.04.12
40年以上の人気シューズ”ペガサス”シリーズの最新作!「ナイキ ペガサス 41」が登場!
-
2024.04.26
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.05.06
男子は銭海峰が1時間19分05秒でトップ 女子はベテラン・劉虹が快勝/WA競歩ツアー
5月5日、世界陸連(WA)競歩ツアー・ゴールドのコルゼニフスキ・ワルシャワ競歩カップがポーランドで開催され、男子20km競歩では銭海峰(中国)が1時間19分05秒で、女子20km競歩はリオ五輪金メダリストの劉虹(中国)が […]
2024.05.06
米国が4種目を制覇! 男子4×400mはボツワナが2分59秒11で初優勝/世界リレー
5月4日、5日の両日、バハマ・ナッソーで世界リレーが開催され、米国が5種目中4種目で優勝を飾る圧倒的な強さを見せた。 男子4×100mではアンカーに世界選手権100m王者のN.ライルズを起用。1走から3走も全員が100m […]
2024.05.06
20km競歩・山西利和がWA競歩ツアーで1時間19分37秒で3位 パリ五輪逃しても力示す
世界陸連(WA)競歩ツアー・ゴールドのコルゼニフスキ・ワルシャワ競歩カップが5月5日にポーランドで開催され、男子20km競歩に、19年ドーハ、22年オレゴンと世界選手権連覇している山西利和(愛知製鋼)が出場。1時間19分 […]
2024.05.06
【大会結果】2024世界リレー(2024年5月4日~5日)
【大会結果】2024世界リレー(2024年5月4日~5日/バハマ・ナッソー) 男子 4×100mR 金 米国 37秒40 (C.リンジー、K.ベナドレク、Kキング、ライルズ) 銀 カナダ 37秒89 銅 フラン […]
Latest Issue 最新号
2024年5月号 (4月12日発売)
パリ五輪イヤー開幕!