2025.07.27
◇全国高校総体(インターハイ、7月25日~29日/広島・ホットスタッフフィールド広島)3日目
広島インターハイの3日目が行われ、男子400mハードルではタイムレース最終3組に出場した後藤大樹(洛南1京都)が大会新、高校歴代3位、U18アジア最高の49秒84で大会初の1年生優勝を成し遂げた。
7レーンに入った後藤は、1つ内側の家入俊太(東福岡3)ともに激しいトップ争いを展開。最終ハードルをほぼ同時に越えてからのスプリント勝負で0.10秒先着し、快挙を成し遂げた。23年に下田隼人(豊川・愛知/現・東洋大)、24年に菊田響生(法政二・神奈川/現・法大)が出した大会記録(50秒14)を塗り替える大会初の49秒台。さらには1985年に垣守博(添上・奈良)が作ったU18アジア最高・U18日本記録の50秒03も上回った。
家入も高校生5人目の50秒切りとなる歴代5位の49秒98で総合2位、3位には2組を50秒48で制した長谷川桜介(日大東北3福島)が入っている。
「3連覇を狙っているので、まず優勝できて、大会新記録も出せてうれしいの一言に尽きます」。後藤はそう笑顔で語り、汗をぬぐった。
前日の予選で51秒09と、6月の近畿大会で出した高1最高(51秒11)を0.02秒更新。それでも、「もっといける」と感じたという。
タイムレース最終組で出番を待っている間に、1組1着の小早川智之(県広島3)が50秒57、2組では長谷川と自身の記録を上回る好タイムが続出。「もうやるしかないと、49秒台を目標に走りました」と集中力を研ぎ澄ませた。これまでは「リズム、リズムでバックストレートはいって、後半に上げていくという感じ」だったが、「自分からハードルに向かっていくつもりで走りました」。その強気の走りが高1初の50秒切りという快挙、そして頂点へとつながった。
千葉・四街道北中出身で昨年は全中110mハードルで優勝している。京都への越境入学に「親にも迷惑をかけました」と後藤は言うが、競技面では400mハードルだけでなく、7月に入って100mで10秒55(+0.6)、200mで21秒28(-2.0)をマークするなどスプリントでも急成長。冬季からトレーニングをしっかりと継続してきた成果が、夏の大舞台で大きく花開き、「記録で恩返しするしかないので、本当に達成感があります」。
目標とする為末大(広島皆実)の高校記録49秒09が一気に視野に入ってきたが、その能力は400mハードルだけにとどまらない。「将来的にまだ種目を絞っていません。秋には200mにもチャレンジするつもりで、いろいろな種目で活躍できる選手になりたいです」と後藤。“大器”の高校生活は、まだ始まったばかりだ。
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